シベリウス 交響曲第2番Op.43

ジャン・シベリウス (Jean Sibelius, 1865~1957)交響曲第2番 ニ長調 作品43について、解説と、おすすめの名盤をレビューしていきます。

解説

シベリウス作曲の交響曲第2番について解説します。

もっとも有名な交響曲

シベリウスの中でも最も有名で、聴きやすい交響曲です。
もっともまだ第2番なので、これから先の交響曲でシベリウスらしさが確立していきます。
交響曲第2番は4楽章構成で、基本的には従来の交響曲の作りに基づいています。
北欧の自然をイメージしながら聴いていくことが出来ます。しかし、一方で第2楽章など、人間の内面に深く切り込んでいくような要素を既に持っています。

第1楽章のメロディは有名ですね。ベートーヴェンの「運命」のように短めの第3楽章を経て、第4楽章では勝利を高らかに宣言します。

ブロムシュテット=フランクフルト放送交響楽団

クラシックファンからシベ2の愛称で親しまれています。

交響曲第3番から本当にシベリウスらしい交響曲が作曲されるようになります。3楽章構成になったり、4楽章構成でも独自のスタイルを確立している場合が多いです。

作曲の経緯

シベリウスの交響曲第2番ニ長調作品43は1901年に作曲されました。その年の前半、家族とイタリア旅行に出かけており、その時に作曲を開始し、多くのスケッチを取っています。実は交響曲第2番はイタリアで作曲されたのです。

このイタリア旅行は、シベリウスのパトロンとなるカルペラン男爵の支援によるものでした。カルペラン男爵はチャイコフスキーのイタリア旅行が彼の作風に大きく影響したことを知っていました。まだ若いシベリウスに、イタリアの文化に触れさせ、さらなる進歩を期待したのでした。

シベリウスはローマでパレストリーナの音楽に多く触れて対位法を学び取り、それは交響曲第6番に大きく影響しています。イタリアからの帰国の後も作曲を続け、1901年末ごろに完成しました。

第2楽章の第2主題は、フィレンツェでインスピレーションを受けたキリストのイメージで、穏やかな主題になっています。

初演は、1902年ヘルシンキでシベリウス自身の指揮により行われ、大成功に終わりました。

北欧のイメージが強い交響曲第2番が、実は明るく温暖なイタリアの地で作曲されたとは驚きですね。

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おすすめの名盤レビュー

シベリウス交響曲第2番のおすすめの名盤をレビューしていきます。

ヴァンスカ=ラハティ交響楽団

  • 名盤
  • 定番
  • 民族的名演

おすすめ度:

指揮:Osmo Vanska

Sibelius: Symphonies Nos. 2 and 3MP3
4.6/5.0レビュー数:6個

ヴァンスカとラハティ交響楽団の演奏は、フィンランドの民族らしさ、本当の北欧らしさを感じさせる名盤です。ヴァンスカと言えば第5番あたりも有名ですが、この第2番と第3番はこの全集の中でも最も素晴らしい演奏です。

第1楽章の初めから、北欧らしい雰囲気で、フィンランドの民族的な雰囲気を存分に味わうことが出来ます。

交響曲第2番で一番お薦めできる名盤です。

ベルグルンド=ヘルシンキ・フィル

ベルグルンドのシベ2は、フィンランドの自然描写などは二の次で、人間の内面に深く切り込んでいきます。その激しさは、他の演奏とは全然違いますね。特に第2楽章は印象的で、それまでアシュケナージなどを聴いていた管理人は、ベルグルンドの演奏にショックを受けました。

シベリウス交響曲第2番の本質を知りたい人には、非常にお薦めしたい超名盤です。

ベルグルンド=ヨーロッパ室内管弦楽団

  • 名盤
  • 定番
  • 奥深さ

超おすすめ:

指揮ベルグルンド(パーヴォ)
演奏ヨーロッパ室内管弦楽団

1997年10月,オランダ,ヒルフェルスム,RFOホール

カラヤン=フィルハーモニア管弦楽団

  • 名盤

おすすめ度:

指揮ヘルベルト・フォン・カラヤン
演奏フィルハーモニア管弦楽団

1960年3月,ロンドン,キングズウェイ・ホール

オッコ・カム=ベルリン・フィル

シベリウス:交響曲第2番
  • 歴史的名盤
  • 爆演

おすすめ度:

指揮:カム(オッコ)、ヘルシンキ放送交響楽団

シベリウス:交響曲第2番
レビュー数:1個の評価
中古品:¥461 より

シベリウス:交響曲第2番
レビュー数:2個の評価

オッコ・カムは1969年の第1回カラヤン国際指揮者コンクールで優勝し、1970年ベルリンフィルに客演しました。その時に収録された演奏です。

若い時の演奏だから、ということもありますが、ストレートで切れ味の鋭い演奏です。盛り上がる場面は非常に情熱的に盛り上がります。第2楽章でもシベリウスの本質を突いた人間の内面に切り込むような演奏ですが、ベルグルンドと違って深く掘り下げていく感じではなく、シャープに叫ぶような表現で、また別のシベ2像を確立しています。

第4楽章も物凄く盛り上がります。ダイナミックでシャープな切れ味の演奏です。ベルリンフィルの全開ですね。

この演奏は若いころの演奏ですが、その後も何度かシベ2を録音しています。例えば、ヘルシンキ・フィルハーモニーと来日した際の録音が残っています。デビュー直後に比べて進化した演奏が聴けそうです。

ヘルシンキ・フィル シベリウス交響曲全集 II ~ 第5番 第2番 (Jean Sibelius : Symphony No. 2 & 5 / Okko Kamu , Helsinki Philharmonic Orchestra) (Live) [SACDシングルレイヤー]

指揮:オッコ・カム、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団

シベリウス:交響曲第2番 ほか
レビュー数:2個の評価
中古品:¥21,665 より

フィンランドのラハティ交響楽団との全集も出ています。またYouTubeにメイキング動画がありました。若いころのフレッシュな雰囲気を保ちつつ、円熟して行っています。

オッコ・カム=ラハティ交響楽団との全集
メイキング動画

フィンランドのほどんとのオーケストラで音楽監督を務めたので、多くの録音があるのですが、いずれも興味深いですね。

アシュケナージ=ボストン交響楽団

  • 名盤
  • 定番
  • 繊細

おすすめ度:

指揮アシュケナージ(ウラディーミル)
演奏ボストン交響楽団

アシュケナージは、非常にロマンティックでスケール感もあり、北欧の神秘を感じさせる演奏です。ボストン交響楽団の艶やかで透明感のある弦楽器が素晴らしいです。第2楽章はスケールが大きく憂鬱で、もしかするとロシアの大地を感じさせる演奏かも知れませんね。

ただ、第2楽章の深みのあるところを、あまり抉(えぐ)りこんでいないので、ベルグルンドなどを聴いてしまうと少し物足りないところもあります。でも、こういう演奏も出来るのだな、と思います。

フィンランドは白人だけでなくモンゴロイドも混血した民族で、シベリウスも日本人のような情緒があると思います。ヴァイオリニストのイブラギモヴァは混血という感じですが、こういうタイプの人も多いのです。

フィンランドは白人だけでなくモンゴロイドも混血した民族で、シベリウスも日本人のような情緒があると思います。アシュケナージの演奏は、いかにも北欧の情緒があって、それが強調されています。
まさに日本人好みの演奏で、あまり難しいことを考えないで、シベ2を楽しみたい人には特にお薦めです。アシュケナージの演奏は一つのスタンダードだと思います。

シベ2を頻繁に演奏していて、少なくとも3つの録音があります。
1つ目はフィルハーモニア管弦楽団との録音で、こちらもファンが多いです。
2つ目はこのボストン交響楽団との録音です。
3つ目はロイヤル・ストックホルム・フィルとの録音で、以下に挙げておきます。

アシュケナージ=ストックホルム・フィル

  • 名盤
  • 繊細

おすすめ度:

指揮ウラディーミル・アシュケナージ
演奏ロイヤル・ストックホルム・フィルハーモニー管弦楽団

C.デイヴィス=ボストン交響楽団

  • 名盤

おすすめ度:

指揮コリン・デイヴィス
演奏ボストン交響楽団

1976年

コリン・デイヴィスの若いころの演奏で、この交響曲第2番の定番の演奏の一つでした。1976年録音ですが、音質は良いです。

少し遅めのゆったりとしたテンポに、情緒と透明感のあるボストン交響楽団のサウンドで、北欧のロマンを感じるような演奏になっています。そして、ところどころで北欧の寒さを感じるような演奏ですね。

ただ、コリン・デイヴィスはまだ若いからか、ダイナミックで特に第4楽章ではボストン交響楽団を思い切り鳴らしてスケールの大きな演奏をしています。

C.デイヴィス=ロンドン交響楽団

  • 名盤
  • 定番
  • スケール感

おすすめ度:

指揮コリン・デイヴィス
演奏ロンドン交響楽団

2006年

こちらは、2006年に録音された新しいディスクです。コリン・デイヴィスとしても集大成の録音だと思います。

以前のボストン交響楽団との演奏と比べて、スケールが増し、渋みが感じられる演奏です。もちろん音質は大幅に向上しています。

コリン・デイヴィスは、アングロサクソン系の白人で、情緒という意味ではアシュケナージのほうが日本人好みかも知れません。トータルとしてみるとモントゥー以来の正統派の演奏を発展させています。

遅めのテンポで始まりますが、熱気を帯びてくると少しテンポアップします。ボストン交響楽団との演奏は若いというかダイナミックだったので、それに比べると落ち着いて渋みが増した感じなのです。

第4楽章もうるさくなることはなく、スケール感が非常に増した感じです。ロンドン交響楽団の音色が渋くて、巨匠コリン・デイヴィスと落ち着いたスケールの大きい演奏です。

モントゥー=ロンドン交響楽団

  • 名盤
  • 格調

おすすめ度:

指揮ピエール・モントゥー
演奏ロンドン交響楽団

1959年

昔から定評のあるモントゥーの演奏です。古い1959年録音ですが、録音状態は良いです。

モントゥーは基本的にインテンポであまり曲を作為的にいじることはしません。特に晩年のモントゥーはその傾向が強いですね。細かい所はオケに任せてしまうところもあるのですが、ロンドン交響楽団はダイナミックな演奏が得意なオケなので、そういう演奏になります。

しかし、モントゥーは要所はきちんとまとめています。素朴な雰囲気ですが、巨匠だけあって、例えば第2楽章の後半などは、神々しい雰囲気になったりします。全体としては素朴で風格のある演奏でシベ2の先入観にあっているのですが、要所に神々しい瞬間があったりして、なかなか侮れない名盤です。

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楽譜・スコア

シベリウスの交響曲第2番の楽譜・スコアを挙げていきます。

ミニチュアスコア

スコア シベリウス 交響曲第2番 ニ長調 作品43 (Zen-on score)

スコア シベリウス 交響曲第2番 ニ長調 作品43 (Zen-on score)
解説:菅野 浩和
レビュー数:6個の評価
(入荷予定あり)
中古品¥1,640 より

No.300 シベリウス/交響曲 第2番 (Kleine Partitur)

No.300 シベリウス/交響曲 第2番 (Kleine Partitur)
レビュー数:3個の評価
(入荷予定あり)
中古品¥820 より

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