シベリウス 交響曲第5番Op.82

ジャン・シベリウス (Jean Sibelius, 1865~1957)交響曲第5番 変ホ長調 作品82について、解説と、おすすめの名盤をレビューしていきます。

シベリウス交響曲第5番は、シベリウスの交響曲の中でも規模が大きく、北欧の自然を思い起こさせ聴き易いこともあり、人気曲です。

お薦めコンサート

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■2023/10/24(火) サントリーホール

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・シベリウス:交響曲第5番

解説

シベリウス作曲の交響曲第5番の解説をしていきます。

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シベリウスを代表する交響曲

ジャン・シベリウス交響曲第5番 変ホ長調 Op.82は、完成度の高さでも曲の内容の充実さで考えても、シベリウスの交響曲を代表する名作です。

第3楽章:ベルグルンド=ヨーロッパ室内管弦楽団

もちろんシベリウスは全部で7曲の交響曲を作曲していますので、交響曲第6番第7番も深みのある名曲です。ただ、曲の規模が段々と小さくなっています。交響曲第7番は単一楽章しかありません。

交響曲第5番は気力が充実していた時点で書かれた交響曲です。

交響曲第5番の改訂

1915年初演時は4楽章構成でした。初演は大成功を収めましたが、1919年に大きな改訂を施して、第1楽章が、元の第1楽章と第2楽章を続けて演奏する形となったため、3楽章構成になりました。改訂版では第1稿で感じられた冗長さがなくなり、全体的に引き締まった構成になりました。改訂して良さが失われることも多いのですが、シベリウスの交響曲第5番では改訂によって大幅に良い作品になりました。現在では改訂版が演奏されます。

民族楽派的な交響曲といえるか?

曲の内容は、当時の第一次世界大戦に大きな影響を受けています。しかも、その直後フィンランドが独立するため、かなりの混乱がありました。民族の独立という、民族主義の音楽家にとっては大事な場面なのですが、シベリウス交響曲第5番は穏やかに始まり、フィンランドの自然を描いたり、内省的な音楽になっています。第3楽章は透明感の高いアレグロに始まり、最後はスケールの大きな音楽で終わります。やはり第5番なのでベートーヴェンの「運命」は意識しているでしょうね。

ただ、聴いていると最後のスケールの大きな音楽は少し冗長に聴こえます。祖国の独立を喜びつつも、どこか不完全燃焼に思えるのは、第1次世界大戦の被害が大きかったからでしょうか?それともシベリウス自身、内省的な傾向が強まって、このあとうつ病になってしまうのですが、そのせいもあるかも知れません。シベリウスの音楽はとても民族的ではあるのですが、民族主義だけでは語れないものがありますね。

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お薦めの名盤レビュー

シベリウス作曲の交響曲第5番のおすすめの名盤をレビューしていきます。

ベルグルンド=ヨーロッパ室内管弦楽団

ヨーロッパ室内管の高い技術で本質を突いた名盤
  • 名盤
  • 定番
  • 透明感
  • スリリング
  • ダイナミック
  • 高音質

超おすすめ:

指揮パーヴォ・ベルグルンド
演奏ヨーロッパ室内管弦楽団

1996年12月 (ステレオ/デジタル/セッション)

ベルグルンドとヨーロッパ室内管弦楽団の録音です。ベルグルンドはフィンランドの指揮者ですが、シベリウスや北欧のニールセンなど、少数の作曲家の作品をとても得意としていました。このコンビのシベリウスの演奏は、単なる北欧のロマンに収まることはありません。ベルグルンドは容赦なく、人間の心の内側に入っていきます。独特の演奏スタイルで、他のロマンティックな演奏しか聴いていないと、この表現は本当にショッキングです。あっという間に、人間の心の中の旅へ連れていかれます。この点は、どのオーケストラでも変わらないですね。

第1楽章透明感のある響きで心地よいです。ホルンの響きも自然美が感じられ、木管もセンス良く歌っています。ベルグルンドは雰囲気を作りつつも、インテンポで曲の内面に向かって深く掘り下げていきます。トランペット・ソロはストレートな表現です。弦の刻みのスケールの大きな盛り上がりはこの演奏の素晴らしい所です。そしてクールさを伴いつつも、情熱を内に秘め、時には感情的に盛り上がります。第2楽章はヨーロッパ室内管のひんやりとした透明感のある響きが味わい深いです。

第3楽章の前半のクールな透明感は他の演奏では聴けない響きで、クオリティの高いアンサンブルで非常にスリリングです。

ベルグルンドはボーンマス交響楽団、ヘルシンキ・フィルとも全集を作っていますが、それぞれ良さがあります。交響曲第5番に関しては、ヨーロッパ室内管弦楽団との録音が一番素晴らしい名盤と思います。

ヴァンスカ=ミネソタ管弦楽団 (2011年)

弦の透明感と管のレヴェルの高さ、普通の自然美を超越した世界観
  • 名盤
  • 定番
  • 自然美
  • 神々しさ
  • スケール感
  • 高音質

超おすすめ:

指揮オスモ・ヴァンスカ
演奏ミネソタ管弦楽団

2011年6月,ミネアポリス,オーケストラ・ホール (ステレオ/デジタル/セッション)

ヴァンスカとミネソタ管弦楽団の新しい録音です。ミネソタ管弦楽団は近年レヴェルアップしてきたオケですが、とても音質が良く、響きの透明感と管楽器のソロの上手さはさすがです。シベ5のスペシャリストであるヴァンスカの指揮です。録音は透明感があり、各楽器が立体的に聴こえる高音質です。

第1楽章は透明感の中、ミネソタ管の管楽器がレヴェルの高い演奏を繰り広げます。憂鬱な曲想の中、まるで北欧のオケのように凛とした響きで、絶妙なバランスです。木管のソロなど、細かい息遣いまで聴こえてきます。弦も透明感が高く、管のソロを邪魔することなく、スケールの大きな演奏を繰り広げています。後半はリズミカルで木管が自然美を感じさせます。第2楽章は色彩感に溢れ、自然美と言ってもオーロラなど、普通の自然美を超越した神々しさすら感じられます。この楽章がこんなに楽しめる演奏は少ないと思います。

第3楽章透明感のある弦の刻みがとてもクオリティが高いです。ホルンの演奏も柔らかく非常に良い雰囲気です。とてもスリリングに盛り上がっていきます。全てのパートが細部に至るまで録音されていて、とても立体感があります。テンポが遅くなった個所での弦はスケール感があり、天上から鳴り響くような圧倒的な響きです。ラストはスケール大きく終わります。

ベルグルンド=ヨーロッパ室内管の透明感も素晴らしいですが、ヴァンスカ=ミネソタ管はさらにレヴェルが高く高音質です。新しいシベ5の決定盤ですね。

カラヤン=ベルリン・フィル (1965年)

カラヤン得意のシベ5、重厚な名演!
  • 名盤
  • 定番
  • 重厚
  • 力強さ
  • ダイナミック

おすすめ度:

指揮ヘルベルト・フォン・カラヤン
演奏ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

1965年2月,ベルリン,イエス・キリスト教会 (ステレオ/アナログ/セッション)

シベリウス交響曲第5番は、オーケストラの技術がモノをいう交響曲です。となれば、技術的には世界最高レベルで、近代以降の音楽を得意としているカラヤン=ベルリンフィルは外せないですね。音質もしっかりしています。

カラヤンは余程この曲に相性が良いのか、普通に演奏しているだけに見えて名演奏になっています。もちろん、ベルリンフィルの高いテクニックと安定感があってのことです。重量級の演奏で力強く、本当に聴きごたえがあります。人間の心の内部に抉りこんでいくような個所もあくまで譜面に忠実で、わざとらしさは全くなく、それでいて物足りないということもありません。

これはショスタコーヴィチ交響曲第10番でも言えることなのですが、よほど曲と相性が良いのだろうと思います。

ヴァンスカ=ラハティ交響楽団

フィンランドの地方オケの味わいある名盤
  • 名盤
  • 自然
  • 芳醇
  • 民族的

超おすすめ:

指揮オスモ・ヴァンスカ
演奏ラハティ交響楽団

1995,97年,フィンランド,ラハティ,十字架教会 (ステレオ/デジタル/セッション)

ヴァンスカとラハティ交響楽団の演奏です。このCDは、唯一初稿のシベ5を聴けるディスクです。そして後半は改訂版が収録されているので比較できます。ヴァンスカの指揮も素晴らしく、あまり知られていない地方オケのラハティ交響楽団で、説得力のある演奏を繰り広げています。初稿を聴いてみて、あまりの印象の違いに驚きました。改訂版の後、初稿を聴くとシベリウスが目指した有機的な楽章の統一で第1楽章と第2楽章が一緒になったことで音楽的に連続性が出てきたことが分かります。

ラハティ交響楽団は技術はまあまあですが、民族性のある音色を持ったオケで上記の第5番の場合、ミネソタ管弦楽団とどちらがいいか迷う所です。ヴァンスカ=ラハティ交響楽団の第5番はフィンランドの自然を感じる演奏で、くすんだ民族的な響きに浸れる演奏です。

サロネン=フィルハーモニア管弦楽団

曲自体に語らせるサロネンらしい名盤
  • 名盤
  • 定番
  • 知的
  • 透明感

超おすすめ:

指揮エサ=ペッカ・サロネン
演奏フィルハーモニア管弦楽団

1986年3月21日&22日,ロンドン,アビー・ロード・スタジオ (ステレオ/デジタル/セッション)

サロネンとフィルハーモニア管弦楽団の録音です。サロネンはフィンランドの指揮者ですが、シベリウスを演奏しても安易に北欧風に演奏することはありません。1986年のデジタル録音で音質はしっかりしています。

第1楽章は遅めのテンポで繊細さを持って始まります。テンポは遅めですが、透明感がある響きでシャープさがあります。真摯な演奏、というべきか、余分な表現はそぎ落とし、緊張感が維持されています。後半に入るとテンポを速め、小気味良くリズムを刻んでいきます。細かいニュアンスは良く付けられていますが、知的というか、客観的な要素が多い演奏で、人間の内側に抉りこんでいくような強い表現はありません。考えてみるとこういう演奏は貴重ですね。第2楽章は穏やかに進んでいきます。クールな演奏ですが、要所はしっかり押さえていて、聴いていて物足りない、ということはありません。音楽に浸ることも出来ます。

第3楽章速いテンポで小気味良く始まります。第2楽章からほぼアタッカのタイミングで第3楽章に入っています。ホルンの所はスケールが大きく、木管も朗々と歌っています。その後も自然な表現が多く、わざとらしい表情付けはほどんどありません。それでも十分楽しめるのがこの演奏の特徴ですね。終盤の盛り上がりは、管楽器などダイナミックですが、他の演奏と比べても力みがほぼ無いので、聴いていて心地よいです。

サロネンのような曲自体に語らせる演奏は、意外と少ないので貴重な名盤です。

ネーメ・ヤルヴィ=エーテボリ交響楽団

北欧の民族的な響きとダイナミックさ
  • 名盤
  • 情熱的
  • 自然美
  • 民族的
  • ダイナミック

おすすめ度:

指揮ネーメ・ヤルヴィ
演奏エーテボリ交響楽団

2002年12月,エーテボリ,コンセルトフセット (ステレオ/デジタル/セッション)

ネーメ・ヤルヴィとエーテボリ交響楽団の録音です。エーテボリ交響楽団北欧の響きを活かして、民族的で厚みのある豊かな響きの演奏です。録音会場の残響も少し長めで、北欧らしい少しくすんだ土の香りを上手く引き出しています。さすがネーメ・ヤルヴィです。もちろん、シベリウスはフィンランドの作曲家ですけど、民族的な響きはかなり近いです。

第1楽章前半は、北欧の自然を表現した雰囲気で、豊かな響きを醸し出しています。第1楽章後半は、かなりテンポアップして、ヤルヴィらしい個性的なテンポ取りです。第2楽章は非常にゆっくり、ゆったりと歌い上げます。豊富な響きで、音楽表現のヴォキャブラリーも多いので飽きることはありません。ゆっくり浸ることが出来ます。

第3楽章民族的なくすんだ響きの中で速めのテンポで進みます。最後はダイナミックに終わります。

ベルグルンド=ヘルシンキ・フィルの上手さと、ラハティ交響楽団のくすんだ音色を合わせたような雰囲気でしょうか。味わいのある名盤です。

ベルグルンド=ヘルシンキ・フィル

ヘルシンキ・フィルの演奏による内容の充実した名盤
  • 名盤
  • 定番
  • 民族的
  • ダイナミック

おすすめ度:

指揮パーヴォ・ベルグルンド
演奏ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団

1986年12月(デジタル/セッション)

ベルグルンドは全部で3種類のシベリウス交響曲全集を残しています。一つ目はイギリスのボーンマス交響楽団、2番目はフィンランドの名門であるヘルシンキ・フィル、3番目はヨーロッパ室内管弦楽団です。

ヘルシンキ・フィルとの演奏は、民族的な響きで独特の温かみがあり、特に交響曲第1番、第2番では素晴らしい演奏になっています。交響曲第5番では先述のようにヨーロッパ室内管弦楽団のほうストレートに本質に切り込んでいますが、ヘルシンキ・フィルとの録音も充実していて、また別の良さがあります。ベルグルンドもヨーロッパ室内管弦楽団の時ほどストレートな表現ではなく、クールになりすぎず暖かみのある表現をしています。

尾高忠明=札幌交響楽団

自然と感情を繊細に絡めた演奏
  • 名盤
  • 繊細
  • 自然
  • ライヴ

おすすめ度:

指揮尾高忠明
演奏札幌交響楽団

2015年2月13・14日,札幌コンサートホールKitara (ステレオ/デジタル/ライヴ)

イギリスのBBCウェールズで活躍し、円熟の境地にある尾高忠明とフィンランドと同じ北国の札幌交響楽団の演奏です。録音も新しいので音質も悪くないですし、音響も素晴らしいキタラでの演奏です。

自然な速めのテンポで始まります。札響は北国のオケですが演奏には暖かみがあります。あるいは尾高忠明が暖かみを付け加えているのかも知れません。木管のアンサンブルは、徐々に憂鬱さを増していきます。繊細で綿密なアンサンブルです。第1楽章後半は速めのテンポ、コンパクトな音楽で、少し神経質な所も。第2楽章は色彩的な情感に満ちた演奏でとても味わいがあります。第3楽章は少し迫力不足ですね。特に低音域が弱いように思います。ラストの盛り上がりは札響も全開ですが、あまりパワフルなオケではないですね。

全体的に味わい深い演奏で、特に第1楽章、第2楽章などは名演です。独特の暖かみと北国ならではの透明感があり、シリアスな部分も含めて味わい深く聴けます。普段、聴くのにいいかも知れません。

演奏の映像(DVD, BlueRay)

シベリウスの交響曲第5番は、いくつか映像がリリースされています。すぐに廃盤になってしまうため、気になったら早めに入手するのが良いですね。

ベルグルンド=ヨーロッパ室内管弦楽団 (全集)

ヨーロッパ室内管との名演が映像に!ベルグルンドの円熟した指揮ぶりを楽しめる貴重盤
  • 名盤
  • 定番
  • 透明感
  • スリリング
  • ダイナミック
  • ライヴ
  • 高音質

超おすすめ:

指揮パーヴォ・ベルグルンド
演奏ヨーロッパ室内管弦楽団

1998年8月,ヘルシンキ,フィンランディア・ホール,ヘルシンキ音楽祭 (ステレオ/デジタル/セッション)

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ベルグルンドとヨーロッパ室内管弦楽団が全集録音したあと、1998年のヘルシンキ音楽祭でのツィクルスを収めた映像です。ベルグルンドの映像はそれほど出回っていなかったため、本当に貴重な映像です。筆者は日本フィルでベルグルンドがシベ5を指揮した映像を持っていましたが、モノクロ映像でしたが、その指揮ぶりに感銘を受けました。

このブルーレイはカラーでしかも高画質です。シベリウスの活躍したヘルシンキの音楽祭での映像で、フィンランディア・ホールはモダンで適度な残響があり、ヨーロッパ室内管弦楽団の透明感の高い音色が楽しめます。

ベルグルンドの指揮ぶりですが、左手で指揮棒を持つ珍しさもありますが、既に円熟期でシベリウスのスペシャリストで長年演奏してきただけに、演奏スタイルは完全に確立しています。指揮ぶりからそれが良く伝わって来ます。どの番号を観ても素晴らしい演奏ですが、やはり第5番はCDと同様特に素晴らしい演奏です。ヨーロッパ室内管は落ち着いた演奏を繰り広げていて、ベルグルンドは当たり前のようにインテンポで、大事なポイントは全て突いて行く手慣れた指揮ぶりで、時に笑顔で指揮しながらもシベリウスの本質にストレートに迫っていきます。第3楽章の透明でスリリングな演奏はブルーレイでも同様です。

こんな素晴らしい映像があるなら、もっと早くリリースしてくれれば良かったのに、とも思いますが、ベルグルンドのファンは見るべきブルーレイです。

バーンスタイン=ウィーン・フィル

  • 名盤
  • 定番

指揮レナード・バーンスタイン
演奏ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

1987年,ウィーン,コンツェルトハウス (ステレオ/デジタル/ライヴ)

音声PCM2.0
DTS5.1/画面:4:3/リージョン:All/166分

バーンスタインとウィーン・フィルの映像です。1987年と晩年のバーンスタインの充実した演奏を聴くことが出来ます。ブルーレイ化で画質も良くなりました。バーンスタインはシベ5を良く演奏していましたし、映像の全集も作っています。

第1楽章遅いテンポでゴツゴツしたスケールの大きな演奏を繰り広げています。やはり晩年の円熟が感じられ、味わい深く、奥の深い音楽になっています。ウィーン・フィルの木管の響きの良さが色どりを加えています。中盤になると内に込めたエネルギーが大きくなり、壮大さのある演奏になっていきます。映像を見ているとバーンスタインの世界に連れていかれる感じです。後半も有機的に上手くつないで、木管の絡みなどは素晴らしい音色です。

第2楽章は自然なテンポで、ウィーン・フィルは自然美を感じさせるような演奏です。バーンスタインは結構細かく振っていて、情報量が多いですね。割とシンプルに感じられるこの楽章に色々な表情を付けているのが良く分かります。晩年とはいえ、稀代のバトンテクニックは健在です。

第3楽章は速いテンポで始まります。弦のリズムの刻みもバーンスタインは色々なニュアンスを付けています。ホルンはスケールが大きく、木管の歌いまわしも大らかな雰囲気です。終盤は遅めのテンポで圧倒的に盛り上がり、スケール大きく曲を締めくくります。

シベ5は難しい曲だけに、映像で見るととても効果的です。バーンスタインの表情付けのヴォキャブラリーの多さが指揮ぶりから伝わってきます。

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楽譜

シベリウス作曲の交響曲第5番の楽譜・スコアを挙げていきます。

ミニチュアスコアとIMSLPどっちが得?

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大判スコア

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