マーラー交響曲第3番『田園』

グスタフ・マーラー (Gustav Mahler,1860-1911)作曲の交響曲第3番 ニ短調について、解説おすすめの名盤レビューをしていきます。最後に楽譜・スコアも挙げてあります。

交響曲第3番は世界一長い交響曲と言われ、好みの分かれる曲ですが、マーラーの原点が良く分かる曲ですので、是非いい演奏で聴きましょう。

解説

マーラー交響曲第3番『田園』の解説をします。

曲の構成

世の中の交響曲の中で、もっとも長大な交響曲です。演奏時間は大体1時間30分もかかります。

作曲者自身による標題は、あとで破棄されたのですが、曲を理解するうえで参考になると思います。

標題

  • 第一部
    • 序奏「牧神(パン)が目覚める」
    • 第1楽章「夏が行進してくる(バッカスの行進)」
  • 第二部
    • 第2楽章「野原の花々が私に語ること」
    • 第3楽章「森の動物たちが私に語ること」
    • 第4楽章「夜が私に語ること」
    • 第5楽章「天使たちが私に語ること」
    • 第6楽章「愛が私に語ること」

30分程度ある長い第1楽章は、ソナタ形式ですが、スネヤやホルンが活躍し、コンバットマーチの部分が目立ちます。「バッカスの行進」という標題がついています。

第2楽章、第3楽章では自然を扱っています。やはり自然豊かなチェコの作曲家なんだなぁと思います。

第4楽章はアルトの独唱が入り、第5楽章はアルトに少年合唱団(天使役)が加わります。

そして第6楽章は長大なアダージョとなります。

ニーチェを引用

第4楽章と第5楽章の歌詞に注目です。第4楽章はニーチェの「ツァラトゥストラはこう語った」から採っています。第5楽章は「少年の魔法の角笛」から抜粋しています。

シンプルに書けば、ニーチェは「神は死んだ」といってギリシャに戻る方向ですが、第5楽章はキリスト教の晩餐の場面になっています。

ニーチェの「ツァラトゥストラ」はこの時代の音楽を聴くなら読んでおくべきと思います。

パストラル

「田園」交響曲と呼ばれる曲はベートーヴェン以来、いくつも作曲されてきました。標題は破棄されたとはいえ、この曲はギリシャ的な要素が多く、パストラルといえるのではないかと思います。筆者はパストラルの一つとして捉えています。

おすすめの名盤レビュー

マーラーの交響曲第3番の名盤をレビューしていきたいと思います。

交響曲第3番は、長大ではあるのですがマーラーの交響曲の中でも難しさはなく、自然体で聴くことができます。普段、マーラーを得意としている演奏家とはまた違った組み合わせの名演奏もありますね。

アバド=ベルリン・フィル

  • 名盤
  • 定番

おすすめ度:

指揮:クラウディオ・アバド、ベルリン・フィルハーモニー

マーラー:交響曲第3番
4.8/5.0レビュー数:7個

Mahler: Symphony No. 3
4.6/5.0レビュー数:34個

アバドは若いころからマーラーの3番を良く取り上げてきました。ウィーンフィルとの演奏もあり、こちらも名演といわれています。

ベルリンフィルとの演奏はアバドが病気をして復活した直後に演奏されたもので、同時期に収録された第7番、第9番と共に緊迫感あふれた非常に素晴らしい演奏となっています。

また、その後、ルツェルン祝祭管弦楽団と1番~7番まで映像付きで作成しています。この演奏も素晴らしいのですが、マーラーとしては明るすぎるかな?という感じもするので、ベルリンフィルとの演奏を一番お薦めにします。

  • 名盤
  • 定番

おすすめ度:

指揮:クラウディオ・アバド、ルツェルン祝祭管弦楽団

小澤征爾=ボストン交響楽団

  • 名盤
  • 定番

おすすめ度:

指揮:小澤征爾、ボストン交響楽団

マーラー:交響曲第3番
4.2/5.0レビュー数:4個

Mahler: Symphonies Nos 3 & 6MP3
5.0/5.0レビュー数:2個

小澤征爾のマーラーは、他のヨーロッパの指揮者とは全く違います。特にユダヤ系の指揮者とは違いますね。

小澤のマーラーは自然で水彩画のようです。そのあたりは、全集が発売されたときには随分賛否両論でした。バーンスタインやインバルのようなダイナミックな演奏がほとんどだったからです。

しかし、少なくとも交響曲第3番に関して言えば、非常に素晴らしい演奏です。主に自然を描いているわけですし、小澤征爾はドヴォルザークやヤナーチェクなどチェコの作品をとても得意としているということもあるかも知れません。聴いていて目から鱗(うろこ)がおちるような時もあります。あとに続くマーラー演奏にも大きな影響を与えた演奏だと思います。

ノイマン=チェコ・フィル

  • 名盤
  • 民族的名演

おすすめ度:

指揮:ヴァーツラフ・ノイマン、チェコ・フィルハーモニー

マーラー:交響曲第3番
4.7/5.0レビュー数:7個

マーラー:交響曲全集
4.2/5.0レビュー数:6個

ノイマンはチェコの指揮者の中でも、マイペースな指揮者だと思います。同じチェコでも感情むき出しのクーベリックとは正反対です。

ノイマンはスメタナやドヴォルザークなど、他の曲の演奏でも特徴あるなぁと思いこともありますが、スケールが大きく自然体です。マーラーは合うような気がしません。しかし「大地の歌」を除いた交響曲を録音しているので、同じチェコの作曲家であるマーラーについては親近感を抱いていたと思います。

この第3番の演奏を聴いても、いわゆる”マーラーらしら”から少し離れていて、かなり我が道を行く演奏だと思いましたが、こういうユダヤ系ではない演奏は貴重ですね。

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楽譜・スコア

マーラーの交響曲第3番のスコア、楽譜を紹介します。

ミニチュア・スコア

スコア マーラー 交響曲第3番 ニ短調 (Zen‐on score)
解説:園部 四郎
3.2/5.0レビュー数:2個

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