マーラー 交響曲第7番 『夜の歌』

グスタフ・マーラー (Gustav Mahler, 1860~1911) 作曲の交響曲第7番 ホ短調『夜の歌』(Lied der Nacht) は、マーラーの交響曲の中では少し異色でしょうか。第5番、第6番『悲劇的』と分かりやすい交響曲が続いてきて、第7番『夜の歌』のメッセージは何だろう、と思ってしまいます。このページでは、この曲の解説をした後、お薦めの名盤をレビューしていきます。

解説

マーラー交響曲第7番『夜の歌』を解説します。

作曲から初演まで

グスタフ・マーラー(Gustav Mahler, 1860年~1911年)は、1904年に交響曲第7番 ホ短調『夜の歌』のスケッチに取り掛かり、その年のうちに第2楽章と第4楽章を書きあげました。1905年には、オーストリア南部ケルンテン州のクラーゲンフルトにあるヴェルター湖畔の別荘で、わずか4週間という短期間で残る3楽章を作曲しました。ヴェルター湖は以下の場所です。

初演は1909年にプラハでマーラー自身の指揮、チェコ・フィルによって行われました。この時はリハーサル時からベルククレンペラーワルターら当時の若手音楽家が見守っていたとのことです。

初演の演奏会場はコンサートホールではなく、パヴィヨンと呼ばれる博覧会場でした。ヌドルフィヌム(1885年完成)など音響に優れた会場があるのですけどね。

「夜の歌」という愛称

最初に書きあげられた第2楽章、第4楽章に「夜の歌 (ナハトムジーク)」と記されていました。とりわけ、第4楽章のマンドリンは素晴らしいですね。

第4楽章のマンドリン

他の楽章にもナハトムジークらしい要素があります。

そして、真ん中に来る第3楽章はスケルツォです。つまり真ん中のスケルツォの両端にナハトムジークがあり、さらに第1楽章と第5楽章で囲まれている、という対照的な構造になっています。確かにそう考えると整理された対照的な構造美があるかも知れません。

まだ第5楽章はギリシャ的な雰囲気を持ち、ディオニュソス的 (簡単にいえば男性的で明るい) な楽章と言われています。第5楽章は「夜の歌」の最後に突然現れ、急に差し込んだ明るい天啓のような日差しを思わせます。

第5楽章のダイナミックさ、なんとなくヤケくそ気味に聴こえなくもないのですけどね。それも含めて、面白い曲なだぁと思います。

筆者の個人的解説

管理人個人的な印象は、飲み会でやけになって(?)、飲み過ぎた夜に似ているなということですね、笑。

「夜の歌」は、沢山アルコールを飲んで、ちょっと気分悪くなって夜風に当たっているときの印象そのまんまですね。その後、私は寝てしまいますけど、交響曲第7番は急に光がさして夜明けとなります。

私は明るくなっても、まだ寝てますけど、笑。実際、そんな感じで聴いています。

難解な交響曲

初演では、妻アルマの回想録によると

一般の聴衆の理解は得られず、儀礼的な賛辞を受けた

とのことです。確かに交響曲第7番『夜の歌』は理解し易いとはいえず、精神分裂病的な傾向にあるのではないか、と言われている位ですからね。特にその前の交響曲第6番『悲劇的』と交響曲第5番はストーリーがあり、分かりやすい交響曲でしたので、それに比べると理解しにくいかも知れません。

交響曲第5番や交響曲第6番『悲劇的』のストーリーは、ベートーヴェンの『運命』を思わせ、いかにもな感じで、分かり易すぎたのでは?とも思います。

続けて行われたウィーン初演では、賛否両論を巻き起こしました。この時、熱狂した観客の一人にシェーンベルクが居ました

パウル・ベッカーは、1921に出版したマーラー研究書で以下のように述べています。

(交響曲第7番は)「これまでに知られていない源泉から生まれた新奇な作品」であると述べたうえで、第5番、第6番は世界内での個人の対立と葛藤が表出されていたのに対して、第7番では、それが乗り越えられて「宇宙との一体感を再び獲得している」とし、終楽章と「灼熱の光」である第1楽章は生を肯定する「デュオニソス的なるもの」への賛美なのだ

都響のディスクの解説より

その後、1960年のテオドール・W・アドルノのマーラー論では、

終楽章の光に満ちた肯定性は、じつは虚構の芝居であった

都響のディスクの解説より

としています。その考え方のほうがしっくり来るでしょうか。

マーラーは新ウィーン楽派の源流

シェーンベルク、ウェーベルン、ベルクは新ウィーン楽派といわれ、12音技法を駆使して作曲しました。中でもシェーンベルクは革新的な作品を発表して12音技法を編み出し、発展させていきました。ベルクはヴァイオリン協奏曲など、今でも名曲とされている曲を残しています。

新ウィーン楽派はマーラーやワーグナーの影響を強く受けています。マーラー、ワーグナーは古典的な和声に則って作曲していますが、不協和音や特殊な和音などを取り入れるうちに、段々と古典的な和声が壊れていきます。

ワーグナーの最後のオペラ「パルジファル」なんて、もう無調音楽に一歩足を踏み入れてますね。マーラーは一応最後まで調性を大事にした作曲家ですが、12音技法については知っていて理解も示しています。

曲の構成

マーラー交響曲第7番の曲の構成を説明します。

第1楽章

序奏でテノール・ホルンのソロが演奏します。

主部は行進曲風の音楽で、ソナタ形式となります。マーラーはこの個所を「ここで自然が吠える」と言ったということです。

ホルンとチェロが第1主題を演奏します。この主題は第5楽章の最後にも表れ、曲に統一感を与えます。

第2楽章

「夜の歌」と題された1つめの楽章です。不気味な雰囲気を持った曲です。

デュオニソスは夜に動物や信徒たちを引き連れて野山を徘徊します。行進曲風のこの音楽はデュオニソスの行進を表現するものかも知れません。

第3楽章

スケルツォです。「影のように」と指示されています。不気味で、奇怪な音楽です。

5楽章構成で中心にスケルツォが位置するのは、交響曲第5番以来の構成です。これによって全体がシンメトリックな構成になっています。

第4楽章

「夜の歌」と題された2つめの楽章です。ギター、マンドリン、ハープが活躍する曲です。

交響曲第3番の第4楽章で歌われるニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』からの「酔歌」に重なる雰囲気があります。

第5楽章

夜の歌から突然、ティンパニの強打と天上からのラッパによって、光が差し込みます。

ちなみにニーチェの『ツァラトゥストラ』では、偉大な真昼は深い夜の直後に急にやってきます。

リュッケルト交響曲の最後の曲

ところで、マーラーの交響曲第5番~交響曲第7番「夜の歌」の3曲は、一つのグループとして考えられています。「リュッケルトによる5つの歌」、リュッケルトによる「亡き子をしのぶ歌」も同時期に書かれています。

リュッケルトの歌曲との結びつきから、この3曲を「リュッケルト交響曲」と呼ぶこともあります。3曲とも声楽が無く、バッハの影響を受けているからです。

リュッケルト交響曲?

管理人的には、交響曲第4番~第6番までが一つのグループに見えて、交響曲第7番は次の交響曲第8番、第9番への模索に見えるのですが、どうなんでしょうね。

交響曲第7番『夜の歌』は、交響曲第3番の特徴が大きく発展して戻ってきているように思います。第5楽章以外にもギリシア的な性格が良く出ていると感じるからです。

おすすめの名盤レビュー

マーラー交響曲第7番『夜の歌』のお薦めの名盤をレビューしていきます。

アバド=ベルリン・フィル

  • 名盤
  • 定番
  • 円熟

おすすめ度:

指揮:アバド(クラウディオ)、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:2001年5月,ベルリン(ライブ)

Sym 7 (Em)
レビュー数:16個

マーラー:交響曲第7番
レビュー数:9個

アバドは昔から交響曲第3番と、この交響曲第7番『夜の歌』を得意としていて、定評があります。シカゴ交響楽団との演奏も素晴らしいですが、後年、ベルリン・フィルとも収録しています。このベルリンフィルとの録音は、アバドが病から復帰した直後で、それが演奏にも表れていて、非常な名演奏となっています。

さらに、ルツェルン祝祭管弦楽団との映像も出ていますが、演奏自体はベルリンフィルとの演奏が雰囲気的に一番素晴らしいですね。

アバド=ベルリンフィルの『夜の歌』は、昔、NHKでライヴが放送されていました。(誰かYouTubeに挙げてくれないかなぁ。)

  • 名盤
  • 定番

おすすめ度:

指揮:アバド(クラウディオ)、シカゴ交響楽団
録音:録音:1984年1,2月,シカゴ,オーケストラ・ホール,デジタル(セッション)

テンシュテット=ロンドン・フィル

★感情的で熱い演奏!聴くほうにもパワーを要求される本物の芸術!

  • 名盤
  • 定番
  • ライヴ
  • 爆演

おすすめ度:

指揮:クラウス・テンシュテット、ロンドン・フィルハーモニー
録音:1993年5月14日、15日:ロイヤル・フェスティヴァル・ホール

テンシュテット=ロンドンフィルは「夜の歌」を非常に得意としています。いくつか録音がありますので、ご注意を!

特に名盤とされているのは1993年ライヴです。白熱のライヴで最初から最後まで渾身の演奏で、凄いテンションです。サウンドの密度がとても高く、そのため最初から最後まで聞き通すのに、聴くほうにもエネルギーがいる位です。また癌からの復帰直後なので、それも演奏に強く反映されています。非常に感動的な演奏です。

次に有名なのが、1980年スタジオ録音です。これは全集盤を買うと入っています。

そして最近、1980年のスタジオ録音前にエジンバラで収録されたライヴが発売されました。こちらは、スタジオ録音よりも白熱していて、演奏スタイルはスタジオ録音と同じですが、テンシュテットの場合、ライヴのほうが白熱していて充実感があります。

テンシュテットのマーラー交響曲第7番「夜の歌」
録音

①1980年スタジオ録音
②1980年エジンバラライヴ
③1993年5月14日、15日:ロイヤル・フェスティヴァル・ホール

  • 名盤
  • ライヴ
  • 爆演

おすすめ度:

指揮:クラウス・テンシュテット、ロンドン・フィルハーモニー
録音:1980年エジンバラライヴ

インバル=チェコ・フィル

★本物のマーラー指揮者がチェコフィルを振るとこうなる!

  • 名盤
  • 円熟
  • 職人的

おすすめ度:

指揮:エリアフ・インバル、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団
録音:2011年2月24-25,プラハ,ヌドルフィヌム(セッション/ライヴ)

マーラー:交響曲第7番「夜の歌」
レビュー数:2個
残り1点

インバルは1980年代にフランクフルト放送交響楽団と全集を録音しています。そのレヴェルの高さは今でも十分通用するものですが、近年インバル自身がかなり円熟してきていることから、大分演奏も違ってきています。

今回はマーラーにゆかりのあるチェコフィルと録音しました。第7番を初演したのもチェコ・フィルです。マーラー指揮者とチェコフィルの組み合わせは案外少ない興味深い組み合わせです。

冒頭から独特の深い響きに圧倒されます。インバルの懐の広い指揮のもとチェコ・フィルは持てる響きを開放している感じです。弦セクションの少しくすんだ音色、管楽器も少しグロテスクに演奏しています。インバルは理知的な指揮者なので、安易な表現はしませんが、チェコ・フィルの元々持っているサウンドを十分に生かしています。その結果として独特の暗さが生まれています。

第2楽章以降も素晴らしい雰囲気の演奏で、ナハトムジークそのままです。チェコフィルなのであまりユダヤ系の粘り音ある音楽にはなりませんが、インバルとチェコフィルの両者の良い所を活かしている感じです。その辺りは円熟して懐の深いインバルの指揮のもとチェコフィルの自然なサウンドが良く鳴り響いている、という感じです。

第3楽章はインバルが主導している感じですね。第4楽章は、チェコフィルの自然な響きが素晴らしいです。まさに夜の雰囲気で弦やホルンの響きが素晴らしいです。

第5楽章は、ヌドルフィヌムの音響なのか、ティンパニが地の底から響いてくるようです。そしてあのラッパなので、まさにマラ7の世界観が響いているように思います。

この録音が全集まで発展すれば良かったのですが、それは出来なかったようです。第1番、第5番は録音しまし。マーラー指揮者とチェコフィルで全集が録音されると良いと思います。マーツァルやアシュケナージがマーラー指揮者かどうか微妙ですから。

ベルティーニ=ケルン放送交響楽団

★最初から夜の雰囲気。グロテスクさを厭わない本質を突いた名盤!

  • 名盤
  • 個性的名演

おすすめ度:

指揮:ガリ・ベルティーニ、ケルン放送交響楽団
録音:1990年2月

マーラー交響曲全集
レビュー数:14個

第1楽章から、夜の雰囲気が満点です。テノール・ホルンのソロが一瞬にして夜の暗い雰囲気に導いてくれます。かなり不気味さのある夜ですが、例えば『禿山の一夜』とか『幻想交響曲』を思い出してしまいます。

暗すぎて聴くのが大変とか、そういうことはありません。そこまで直截的な表現ではないので。それに所々に美しさがあって、不気味な中にあって非常に映えます。この雰囲気はテンポ取りの絶妙さやケルン放送交響楽団の中低音の重さや弦楽器の弾き方、管楽器の響きが作り出したものです。

第2楽章は、その続きです。しかし第1楽章に比べると明るい所が多いかも知れません。第1楽章が暗すぎなのかも知れません。この楽章は割と落ち着いて聴けますね。

第3楽章は不穏な感じが良く出ています。それにしても高弦の響きが上手いですね。不穏な感じをよく出しています。

第4楽章は暗さの中でも夜露の感じをよく表していて、平穏な表現です。安心して浸れます。ホルンが上手いですね。テンポが急に速くなったり、遅くなったりしますが、即興的にやっているのでしょうかね。あまり必然性は感じないので。

第5楽章はダイナミックですが、このCDの場合、急に光がさすといった感じではないですね。ケルン放送交響楽団の持っているサウンドなのかも知れませんけど、第5楽章の違和感は感じません。

ベルティーニの『夜の歌』はとても面白いです。テンポが変態的?でも、かなり、この曲の本質を突いている名盤だと思います。

バーンスタイン=ニューヨーク・フィル

  • 名盤
  • 円熟
  • ライヴ

おすすめ度:

指揮:レナード・バーンスタイン、ニューヨーク・フィルハーモニック
録音:1985年11月12月,ニューヨーク,エイヴリー・フィッシャー・ホール

ショルティ=シカゴ交響楽団

  • 個性的名演
  • ライヴ録音

おすすめ度:

指揮:サー・ゲオルグ・ショルティ、シカゴ交響楽団

ショルティがマーラーを演奏する、というのは少し意外な感じがするのですが、この交響曲第7番「夜の歌」は以前から一部の人に高い評価をされていましたが、聴いてみると本当に凄い名演奏です。

ユダヤ系指揮者とはまた違ったテンポの速い演奏です。シカゴ交響楽団をガシガシ言わせて、凄い推進力で「夜の歌」らしい世界を作っていきます。金管楽器をこれだけバリバリ鳴らして「夜の歌」の世界観が構築できるとは思っていませんでした。

ベルリオーズの幻想交響曲やムソルグスキーの「禿山の一夜」(原典版)などを思い出してしまいます。確かに同じ要素はあると思います。マーラーの「夜の歌」のほうが、ずと深みがありますけれど。

まったく何の躊躇(ちゅうちょ)もなく、楽譜通り特に金管楽器を思い切り鳴らしています。途中、少しグロテスクになりすぎようが、全く気にしていないようです。

一部のマーラー通には昔からショルティの演奏は評価が高かったですね。ショルティのマーラーをもっと再認識すべき時なんでしょうね。

ブレーズ=クリーヴランド管弦楽団

  • 名盤
  • 知的

指揮:ピエール・ブーレーズ、クリーヴランド管弦楽団
録音:1994年11月,クリーヴランド

マーラー:交響曲第7番《夜の歌》
4.2/5.0レビュー数:28個

インバル=東京都交響楽団

  • 名盤
  • 円熟
  • ライヴ

おすすめ度:

指揮:エリアフ・インバル、東京都交響楽団
録音:2013年11月8,9日,横浜みなとみらいホール,東京芸術劇場

マーラー:交響曲第7番「夜の歌」
レビュー数:2個
残り1点

インパル=都響のマーラーツィクルスでは、東京都交響楽団は以前の演奏に比べて大幅にレヴェルアップしています。日本のオーケストラにとって鬼門の第5楽章のトランペットの難しい所もミスなしで吹ききっています。もう少しパワーがあれば、なお素晴らしいですが、東京都交響楽団からこれだけの演奏を引き出すインバルは凄いですね。

インバルには、既に同じ時期にチェコフィルとの7番があって名盤なのですが、都響との録音はやはり長い期間にわたってマーラーを共演してきただけあって、非常に息があっています。無論、世界的に5本の指に入るチェコフィルと都響を比べると、表現的にはチェコフィルに分がありますけど、技術的には負けていないと思います。たまにパワー不足を感じますが、ヨーロッパのオケとの技術的な差は大分無くなってきました。

ただ、インバルは遅めのテンポで演奏するので、その辺りのテンポに都響はぴったり合わせています。インバルの音楽を再現するという意味では都響のほうが上手くいっています。

それにしても、都響の金管楽器はとてもレヴェルアップしました。演奏水準だけなら、ベルティーニ時代を大きく上回るクオリティです。聴いていて日本のオケの演奏を聴いていることを忘れてしまうくらいです。

ベルティーニ=東京都交響楽団

  • 個性的名演
  • ライヴ録音

おすすめ度:

指揮:ベルティーニ(ガリー)、東京都交響楽団

マーラー:交響曲第7番
5.0/5.0レビュー数:1個

ガリ・ベルティーニは、ケルン放送交響楽団と全集を録音していて、こちらも個性的な名盤です。

しかし東京都交響楽団との録音では、さらに個性的な演奏を繰り広げています。東京都交響楽団も健闘しています。ケルン放送交響楽団に比べるとグロテスクさは無いのですが、聴いていて急なテンポの変化があったりして、なかなか楽しめる面白いディスクです。

冒頭から夜の暗さは感じないのですが、これは都響の演奏全般にいえることですね。ベルティーニの指揮なのだからもっと暗さがあってもいいと思うんですけど。情熱的ですが、グロテスクさには欠ける所があります。それはさておき、第1楽章のテンポの変化はまるでプレートルのように変態的と言ってもいい位です。急にテンポが変わるので、驚いてしまいます。それにピッタリついていく都響もこのコンビの成熟を物語っています。

楽章が進んでいくにつれ、雰囲気も出てきて、第2楽章は大分グロテスクな感じも出てきています。

クレンペラー=ニュー・フィルハーモニア管弦楽団

  • 個性的名演
  • 歴史的名盤

おすすめ度:

指揮:クレンペラー=ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
録音:1968年9月,ロンドン,キングズウェイ・ホール,ステレオ(セッション)

マーラー:交響曲第7番 夜の歌
4.3/5.0レビュー数:3個

クレンペラーは、ブルーノ・ワルターと共にマーラーの弟子のひとりです。解説でも書きましたが、交響曲第7番の初演の様子をリハーサルから見ていて、手伝いもさせられたらしいですね。いずれにせよ、マーラー自身の演奏を聴き、マーラーと直接話をした弟子のひとりです。

クレンペラーは晩年になって、テンポが遅くなりました。やはり本質的なところは掴んでおり、マーラーファンは聴いておくべき演奏ではあります。とはいえ1時間40分かかっていますから、尋常な遅さでは無いですね。

雰囲気は満点で第1楽章の最初のワーグナーチューバが出た瞬間に「夜の歌」の世界に引き込まれてしまいます。クレンペラーの「夜の歌」の世界は、第1楽章などはかなりおどろおどろしい感じです。

その後がとても遅いですね。数あるクレンペラーの演奏の中でも屈指の遅さです。慣れてくれば自然に聴こえるのでしょうか。ニュー・フィルハーモニア管弦楽団は遅いテンポに慣れているのか、スケールを大きくしたり、上手く響かせたり、少し音符を長めにしたりしていますが、トランペットソロなど吹きにくそうです。そのテンポのまま最後までいくんだろうか、と思っていましたが、最後まで凄く遅いテンポのままで、聴いていて仰け反ってしまいました。

第2楽章は、緩徐楽章だからというのもありますが、そこまで遅いと感じないです。「夜の歌」というよりもっと重厚なものを感じますけれど。第4楽章は雰囲気が良く出ています。

第5楽章はこれまた凄く遅いテンポでオーケストラが早く演奏しようとしますが、凄く遅いテンポで振り続けます。ギリシャっぽいイメージはあまり無いですね。むしろ、交響曲第5番の第5楽章の雰囲気で幸福感はかなりあります。

クレンペラーがマーラーから直伝されたものは何だったのか?難しい質問ですが、戦後の気難しいマーラーとは大分違うものを感じる演奏ですね。

「夜の歌」の演奏DVD

マーラー交響曲第7番『夜の歌』の演奏の映像をレビューしていきます。

バーンスタイン=ウィーン・フィル

  • 名盤
  • ライヴ
  • 円熟

おすすめ度:

指揮:レナード・バーンスタイン、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1974年10月 ウィーン、ムジークフェラインザール(ライヴ)

マーラー:交響曲 第7番・第8番 [DVD]
レビュー数:8個
残り2点

夜の歌*交響曲第7番ホ短調 [DVD]
レビュー数:4個
残り1点

バーンスタイン=ウィーンフィルは、映像で全集を録音しています。マーラーに関してユダヤ系のレナード・バーンスタインとマーラーも指揮したウィーンフィルの組み合わせは、とても素晴らしいです。

水準が高く、いずれの番号もスタンダートとなりうる名演ですが、交響曲第7番「夜の歌」も素晴らしいです。

アバド=ルツェルン祝祭管弦楽団

  • 名盤
  • ライヴ
  • 円熟

おすすめ度:

指揮:クラウディオ・アバド、ルツェルン祝祭管弦楽団

アバドは大きな病気をした後、ベルリンフィルとの録音で超名演を残しています。この時に、マーラー指揮者として急激に評価が高まり、ベルリンフィル引退後はルツェルン祝祭管弦楽団という、マーラー・ユーゲント・オーケストラとベルリンフィルの有志から構成されたオーケストラを指揮して、多くのマーラーの映像を収録しています。

いずれも名演奏ですが、ベルリンフィルと比べると、祝祭管弦楽団ということもあるのか、あるいは健康な時は健康的な演奏になってしまうのか、ベルリンフィルとの「夜の歌」と比べると若干明るい演奏になっています。ベルリンフィルとの演奏でファンになった方が、映像を観たいということで、このディスクを入手するのは良いことだと思います。

オーケストラも優れていて、録音も良いので、クオリティの高い演奏を観たいなら、とても良い選択だと思います。

ハイティンク=ベルリン・フィル

指揮:ベルナルド・ハイティンク、ベルリン・フィルハーモニー

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楽譜・スコア

マーラー作曲の交響曲第7番の楽譜・スコアを挙げていきます。

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