ヨハン・セバスティアン・バッハ (Johann Sebastian Bach,1685-1750)作曲の主よ、人の望みの喜びよ ~ カンタータ 第147番『心と口と行いと生活で』 (“Jesus, joy of man’s desiring” ~ Cantata No.147 “Herz und Mund und Tat und Leben”)について、解説とおすすめの名盤レビューをしていきます。最後に楽譜・スコアも挙げてあります。
バッハのカンタータの中でも特に有名な曲です。
解説
バッハの『主よ、人の望みの喜びよ』について解説します。
この曲は、教会カンタータ 第147番『心と口と行いと生活で』の終曲です。カンタータとはプロテスタントの教会で歌われる音楽です。J.S.バッハはライプツィヒのトーマス教会で、ミサのために沢山のカンタータを書いています。この『主よ、人の望みの喜びよ』だけなら数分ですが、カンタータ 第147番『心と口と行いと生活で』は2部構成で全10曲から成っています。J.S.バッハは、これだけの大きな作品を200曲も作曲していた訳です。
カンタータ 第147番『心と口と行いと生活で』は1723年に聖母マリアの祝日のために作曲されました。
■第1部
第1曲 合唱 ハ長調
第2曲 レチタティーヴォ(テノール)
第3曲 アリア(アルト) ハ短調
第4曲 レチタティーヴォ(バス)
第5曲 アリア(ソプラノ) ニ短調
第6曲 コラール(合唱) ト長調
■第2部
第7曲 アリア(テノール) ヘ長調
第8曲 レチタティーヴォ(アルト)
第9曲 アリア(バス) ハ長調
第10曲 コラール(合唱)ト長調『主よ、人の望みの喜びよ』
バッハ・カンタータの森を歩む 1 マリアの3祝日
さらに詳しい説明は、こんなCDブックがリリースされているので、お薦めです。本当は3巻まであるのですが、ほとんど売り切れで、『主よ、人の望みの喜びよ』が収録されている第1巻のみ入手できそうです。バッハ研究者である礒山 雅が詳しい解説を分かり易く書いています。その当時の時代背景、J.S.バッハの仕事の内容から楽譜のアナリーゼまで、これだけのページ数を割いた本は滅多にないです。バッハ・コンチェルティーノ大阪も誠実でクオリティの高い演奏です。
おすすめの名盤レビュー
それでは、バッハ作曲主よ、人の望みの喜びよ ~ カンタータ 第147番『心と口と行いと生活で』の名盤をレビューしていきましょう。
オムニバスで『主よ、人の望みの喜びよ』が単体で入っているアルバムもありますが、ここでは主にカンタータ 第147番『心と口と行いと生活で』が丸ごと入っているCDを見てみます。
アーノンクール=ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
J.S.バッハの教会カンタータの中でも特に有名な第140番『目覚めよと呼ぶ声あり』、第147番『心と口と行いと生活で』(『主よ、人の望みの喜びよ』含む)がカップリングされたCDで昔からの定番です。録音年代は1984年と古いですが、演奏スタイルは確立しており、アーノンクールの実験的な指揮も無く、自然体の演奏です。
録音が古いのと、古楽器を使用しているため、透明感は少ないですが、演奏は素晴らしいです。テンポ取りなどはバロック時代のものを再現していて、速いテンポだと感じるかも知れません。『主よ、人の望みの喜びよ』は特に速く感じるかも知れませんね。
『主よ、人の望みの喜びよ』をカンタータで聴いてみたい方には、最初にお薦めしたいCDです。
鈴木雅明=バッハ・コレギウム・ジャパン
J.S.バッハのカンタータを全曲録音したことで、バッハの世界的権威とも言える鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンの演奏です。
録音は1999年と新しく、残響も適度でとても心地よく聴けます。演奏はレヴェルが高く、非常に丁寧でクオリティが高いものです。バロック・トランペットは難しいのですが、このCDではミスもなく綺麗な音を出しています。弦セクションも透明感があり、バロック・オーボエの柔らかい音色が印象的です。
『主よ、人の望みの喜びよ』はアーノンクールと同じく速めのテンポですが、とても自然に歌っています。とても癒される演奏です。
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楽譜・スコア
バッハ作曲の主よ、人の望みの喜びよ ~ カンタータ 第147番『心と口と行いと生活で』の楽譜・スコアを挙げていきます。
ヴォーカル・スコア
電子スコア
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