管弦楽組曲第3番(アリア,他) BWV1068(J.S.バッハ)

ヨハン・セバスティアン・バッハ (Johann Sebastian Bach,1685-1750)作曲の管弦楽組曲 第3番 BWV1068 (The Orchestral Suite No.3 BWV1068)について、解説おすすめの名盤レビューをしていきます。最後に楽譜・スコアも挙げてあります。

解説

バッハ管弦楽組曲 第3番 BWV1068について解説します。

フランス風組曲

バッハの管弦楽組曲は第1番~第4番まであり、フランス風序曲という様式で書かれています。最初に付点リズムを中心としたフランス風序曲があり、その後に舞曲が並ぶという構成です。もう一つの中心地、イタリアには教会ソナタ合奏協奏曲と言った形式もありますが、バッハはいずれの形式も使用しています。例えば、ブランデンブルク協奏曲はイタリア風の合奏協奏曲ですし、無伴奏ヴァイオリン・ソナタ教会ソナタの形式をベースにしています。この時代の作曲家はフランス風とイタリア風の両方を使い、次第に一つになっていきます。

コレギウム・ムジクム

バッハの器楽曲は教会と関係が薄いケーテン宮廷楽長時代に書かれたものが多いです。しかし、管弦楽組曲はケーテン時代より後の可能性が高いようです。ライプツィヒの「コレギウム・ムジクム」で演奏された可能性は高いようです。テクニックを見せつける様なブランデンブルク協奏曲と違い、第2番のフルートソロ以外はそれほど難しくないため、大学生中心のアマチュア団代である「コレギウム・ムジクム」で演奏するには丁度良い曲と思います。

作曲時期は明確ではありませんが、1730年に作成されたパート譜があることから、その頃に作曲されたと考えられています。編成は3本のトランペットとティンパニ、2本のオーボエ、弦楽合奏、通奏低音です。編成やニ長調という調性からも分かる通り祝祭的な作品です。

曲の構成

曲は華麗で規模の大きなフランス風序曲から始まります。フランス風序曲は付点がついたリズムが特徴です。通常、遅めのテンポで演奏する場合は、短い音をさらに半分にして16分音符にします。これがフランス風序曲の流儀です。

第2曲目は非常に有名なエア(≒アリア)です。「G線上のアリア」で非常に有名になる曲で、弦楽と通奏低音のみで演奏されます。

オーケストラ・アンサンブル金沢

第3曲ガヴォットはトランペットによる主題で、この曲も有名です。

コープマン=アムステルダム・バロック管

第4曲ブーレ第5曲ジーグと舞曲が続きます。典型的なフランス風組曲です。

おすすめの名盤レビュー

それでは、バッハ作曲管弦楽組曲 第3番 BWV1068名盤をレビューしていきましょう。

鈴木雅明=バッハ・コレギウム・ジャパン

端正で味わいのある名盤

鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンは、いつも自然で丁寧な演奏を繰り広げています。このCDでも意外に思うようなテンポ取りはなく、しなやかで、感情表現が少しでもある所は味わいがあります

序曲のリズムも自然なフランス風序曲になっています。テンポが速くなってからも上手いテンポ選びで自然です。第2曲エア(アリア)は、普段カンタータを得意としている古楽器アンサンブルだけあって自然に感情表現も入れていて味わいがあります。古楽器演奏の中ではかなり親しみやすい演奏だと思います。第3曲ガヴォットもしっかりしたリズムですが聴きやすい演奏です。バロック・トランペットも上手いのか、音がとても綺麗です。続く、ブーレジーグも舞曲の特徴を上手く活かしていることと、自然なテンポ取りが良いです。

この鈴木雅明とバッハ・コレギウム・ジャパンの管弦楽組曲は自然でかつクオリティが高く名盤です。

サヴァール=ル・コンセール・デ・ナシオン

円熟した渋い響きの味わい深い名盤
  • 名盤
  • 定番
  • 芳醇
  • 円熟

超おすすめ:

ヴァイオリンファビオ・ビオンディ
指揮ジョルディ・サヴァール
演奏ル・コンセール・デ・ナシオン

1990年8月,メッツ,グランド・サル・ドゥ・ラルセナル

Orchestral Suites Nos.1-4
在庫情報:レビュー数:15個

[タワレコ]J.S.バッハ: 管弦楽組曲(全曲)
在庫情報:お取り寄せレビュー数:1

サヴァールとル・コンセール・デ・ナシオンの演奏です。ヴァイオリン・ソロはなんとあのファビオ・ビオンディです。合うような合わないような不思議な組み合わせですね。

第1曲はサヴァールらしく重めに通奏低音をしっかり鳴らしています。中間部はビオンディが元気よく演奏していて、その対比が面白いです。第2曲エア(アリア)は彫りの深い表現で、じっくり味わえます。第3曲ガヴォットはサヴァールらしいスケール感のある演奏で、華やかさだけでなく力強さも備えています。その後の舞曲も良い演奏です。

全体としては、やはりサヴァールの円熟を色々な表現に感じ取ることが出来ます。充実感満点の名盤です。

クイケン=ラ・プティット・バンド

古楽器奏法を究め、味わいが出てきた名盤
  • 名盤
  • 定番
  • 端正
  • 芳醇
  • 古楽器

超おすすめ:

指揮シギスヴァルト・クイケン
演奏ラ・プティット・バンド

2012年9月29日-10月1日ベルギー,シント・トルイデン,ベギンホフ教会

[タワレコ]J.S.Bach: The Orchestral Suites
在庫情報:在庫ありレビュー数:1

クイケン=ラ・プティット・バンドの2回目の録音です。録音は2012年で音質も非常に良いです。また、今回の演奏はアンサンブルが絶妙で、それぞれのソロや演奏のレヴェルが高く、バロック奏法としては完成の域にあり、その結果、味わいも出てきています。

第1曲フランス風序曲テンポが速いことが少し意外ですが、すぐに慣れます。中間部はヴァイオリンソロがとても上手く、全体の響きも味わいを感じる演奏です。第2曲エア(アリア)は、ヴァイオリンソロが非常に上手いです。装飾も即興も綺麗に入っていて、とても自然な上、自由で雅(みやび)な表情、短調になると感情を少し入れてきます。節度があってとても味わい深い演奏です。第3曲ガヴォットは溌剌としたリズムで良い演奏です。

バッハの管弦楽組曲は難しい曲では無いので、クイケンの円熟がダイレクトに出てきていると思います。ヴァイオリン・ソロは誰なんでしょうね。寺神戸さんでしょうか?特にこの2つがこのCDをとても味わい深いものにしています。

ベルリン古楽アカデミー

小編成で透明感のある美しいサウンド
  • 名盤
  • 定番
  • しなやか
  • 透明感
  • 古楽器

超おすすめ:

演奏ベルリン古楽アカデミー

1995年9月

バッハ:管弦楽組曲(全曲)
在庫情報:残り1点レビュー数:4個

[タワレコ]J.S.バッハ:管弦楽組曲(全曲)
在庫情報:在庫わずかレビュー数:1

ドイツ三大バロックアンサンブルの一つベルリン古楽アカデミーの演奏です。バロック奏法に関してはベルリン古楽アカデミーは非常に信頼できるアンサンブルです。また、このアンサンブルは響きは割とクールですが、このCDではさらに透明感があり、響きが美しいです。

今回の管弦楽組曲は少人数の編成で演奏しているように聴こえます。エア(アリア)は透明感があり、残響もあるため、教会で弾いているような(教会で録音しているかも知れません)雰囲気で、天上の音楽のような美しさです。ガヴォットはちょうど良いテンポです。バロック・トランペットの鋭いアクセントがいいですね。中間部は少し速めです。ブーレはまた違った表情があります。ジーグは落ち着いた演奏です。

エアの美しさ、ガヴォット以降の各舞曲の個性などは、さすがベルリン古楽アカデミーです。

コープマン=アムステルダム・バロック管

すっきりしたテンポの速い爽快な名盤
  • 名盤
  • 定番
  • スリリング
  • 古楽器

おすすめ度:

指揮トン・コープマン
演奏アムステルダム・バロック管弦楽団

1997年

バッハ:管弦楽組曲
在庫情報:残り4点レビュー数:11個

コープマン2度目の録音です。一度目は1988年でまだ古楽器奏法が確立していなかった時代です。今回は1997年と大分古楽器奏法が確立してきた段階での再録音です。

コープマンの演奏は、モーツァルトでもそうですが、テンポが速くスピーディな演奏が多いです。この管弦楽組曲も速めのテンポですが、スピード感が良い方向に出ていて、生き生きとした演奏になっています。バロックティンパニの鋭い音も良く合っています。舞曲の演奏が上手く装飾のつけ方も自然です。一方、エアのような歌う曲は遅めのテンポでじっくり歌わせています。速いだけではないですね。

また2枚組で900円台とコスパにとても優れています。それもあって名盤揃いの管弦楽組曲で生き抜いて、古楽器オケのCDでは定番といえる地位を確立しています。

リヒター=ミュンヘン・バッハ管

響きの豊かなアリア
  • 名盤
  • 定番
  • 芳醇

おすすめ度:

指揮カール・リヒター
演奏ミュンヘン・バッハ管弦楽団

1960年-1980年,ミュンヘン

リヒター=ミュンヘン・バッハ管弦楽団の演奏は、演奏スタイルなどはやはり、もう古くなってしまった、と言えると思います。しかし、エア(アリア)は、気付かないうちにこの演奏を聴いていた人も多いと思います。「昔、聴いたあの演奏を」ということでしたら試してみてください。

第1曲フランス風序曲は、もはや今のバロック奏法ではフランス風序曲の様式になっていません。テンポが遅すぎて、ノリ方が違っています。スコアに忠実で音を詰める、ということもしていません。第2曲のエア(アリア)は今でも十分通用する名演です。ヴィブラートも控えめなので、それほど気にならないです。第3曲ガヴォット以降の舞曲は意外とインテンポで舞曲らしいリズムを出しています。

全体としては意外にもいい演奏でしたが、フランス風序曲がこれだと、やはり古き良き名盤という位置づけですね。

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楽譜・スコア

バッハ作曲の管弦楽組曲 第3番 BWV1068の楽譜・スコアを挙げていきます。

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