ショパン ピアノ協奏曲第1番

フレデリック・ショパン (Fryderyk Chopin,1810-1809)作曲のピアノ協奏曲第1番 ホ短調 Op.11 (Piano concerto No.1 e-moll)について、解説おすすめの名盤レビューをしていきます。

ショパンのピアノ協奏曲は、ピアノファンには知らない人はいない超有名曲です。ショパンコンクールなどで演奏されることも多いですね。

解説

ショパンピアノ協奏曲第1番について解説します。

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ピアノ好きで、この曲を知らない人はいない、と書きましたが、クラシックファンでもオーケストラなど、他の楽器のファンの場合は意外に縁が少ない曲だったりします。ピアノ協奏曲ですが、ショパンはあまり管弦楽作品を作曲していないため、オーケストレーションが今一つだったり、オケが活躍する所が少なく、華麗なピアノが目立つ曲であるため、あまりアマチュアオーケストラでも取り上げない事が多いです。そんなわけで解説を書いていきたいと思います。

実は2番目に作曲されたピアノ協奏曲第1番

ピアノ協奏曲第1番は、実は第2番が完成し、初演されてから書かれています。といってもいずれも1830年の作曲で、ほぼ同じ時期です。ピアノ協奏曲第2番1830年3月17日にワルシャワでのプロデビュー演奏会で初演されています。その後、すぐにピアノ協奏曲第1番の作曲を始めます

新作のコンチェルトのアダージョはホ長調だ。これはことさら効果を狙ってのものではなく、むしろロマンツェ風の、静かで、憂いがちな、それでいて懐かしいさまざまな思い出を呼び起こすようなある場所を、心を込めて、じっと見つめているようなイメージを与えようとしたものなのだ。美しい春の夜の、月光を浴びながら瞑想する、そのようなものでもある

Wikipediaより

確かに第2楽章はロマンティックな名曲となりました。

何といってもまだショパンは20歳で、デビューしたばかりです。それで、こんな曲を書いてしまうのは凄い才能です。一方、少し若書きな所があります。1830年のうちに完成し、同1830年10月11日に初演しました。そしてフランスへ渡り1832年にパリで演奏され好評を博します

オーケストレーションへのチャレンジ

ピアノ協奏曲なので当然かもしれませんが、このショパンの第1番は特にピアノの比重が高いピアノ協奏曲です。まだ若いショパンが不慣れなオーケストレーションに苦労したのは言うまでもありません。それと、やはりピアノとオケのバランスには特に苦労したようです。ピアノの比重が高い曲に聴こえますが、わざとそう言う風に書いた曲なんですね。

1830年作曲、実はロマン派前期

このピアノ協奏曲が書かれた1830年には、まだロマン派のピアノ協奏曲は作曲されていませんでした。シューマンのピアノ協奏曲は1845年、グリーグのピアノ協奏曲はその後に作曲されています。ラヴェルのピアノ協奏曲なんてずっと後です。

見本と言えばベートーヴェンピアノ協奏曲などになると思います。しかし、ベートーヴェンとショパンでは作風が大きく異なります。カルクブレンナーという作曲家がいくつかピアノ協奏曲を書いていて、これを参考にしたようです。とはいえ、現在でも演奏され、凄い人気を誇るピアノ協奏曲が1830年代に作曲されたというのは驚くべきことです。

1830年代といえば、ベートーヴェンの少し後です。そのためブリュッヘンが古楽器でピリオド演奏した位です。しかし、今の楽器で弾いてもさして違和感も感じない位、モダンな音楽です。ショパンのピアノ協奏曲は時代を大きく超えていた、と言えますね。しかも、1830年からずっと評価が高く、演奏され続けているんです。

その後、ショパンはピアノ協奏曲を書いていないし、大した管弦楽曲も書いておらず、ピアノ演奏とピアノ作品の作曲に専念しています。

おすすめの名盤レビュー

それでは、ショパン作曲ピアノ協奏曲第1番名盤をレビューしていきましょう。

ツィメルマン,ポーランド祝祭管弦楽団

ツィメルマンの弾き振りによる理想の伴奏
  • 名盤
  • 定番
  • スリリング
  • 優雅
  • 芳醇

超おすすめ:

ピアノ&指揮:クリスチャン・ツィメルマン
演奏ポーランド祝祭管弦楽団

1999年8月,トリノ

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ショパン:ピアノ協奏曲第1番・第2番(SHM-CD…

在庫:1~2日以内に発送します。レビュー数:15個

クリスチャン・ツィメルマンポーランド祝祭管弦楽団を弾き振りしたものです。1999年の録音で音質は非常に良くしっかりしています。

第1楽章オケの主題提示は、目から鱗が落ちる素晴らしさです。詳しくは聴いてみてください。オーケストレーションは巷で言われているほど悪くはないのかも知れませんね。味わいのある演奏で、ピアノの登場の雰囲気作りもピアノソロと一貫性があってとても素晴らしいです。ツィメルマンは感傷的に弾いていきますが、オケの編成も小さめでピアノの音量と上手く合っています。ポーランド風の民族的な響きもあって味わい深いです。第2楽章はロマンティックなだけではなく、様々な表情があります。第3楽章とてもリズミカルでポーランドの民族舞踊の雰囲気が良く伝わってきます。雰囲気も生き生きとしていて純粋な楽しさのある演奏です。オケの民族的な音色も魅力的です。

恐らくは、ピアニストのツィメルマンが理想とする伴奏なんでしょうね。指揮やオケのまとめ方も上手いです。

アルゲリッチ,アバド=ロンドン交響楽団

アルゲリッチの感情表現とアバドとの相性の良さ
  • 名盤
  • 定番
  • ロマンティック
  • スリリング
  • ダイナミック

超おすすめ:

ピアノマルタ・アルゲリッチ
指揮クラウディオ・アバド
演奏ロンドン交響楽団

1968年(ステレオ/アナログ/セッション)

ショパン・コンクール優勝から3年の若い頃のアルゲリッチのピアノ独奏と、アバド=ロンドン交響楽団の演奏です。アルゲリッチもアバドも若かったことと、小回りの利く演奏やテンポ感などアルゲリッチとアバドはとても相性がいいですね。ただ、この演奏はロマンティックさを前面に出しているのですが、アバドのアゴーギクや歌い方はイタリア風だと思います。

第1楽章は長めのオケの後にピアノが入ってきます。この曲の場合、ここでソロと伴奏のイメージがズレていたら終わりです。若いアルゲリッチは流麗でカンタービレのような演奏で入ってくるので、アバドとの相性はやはり絶妙ですね。ピアノが入るとアバドは伴奏をかなり抑えて線の細い響きなり、アルゲリッチの精妙な表現もきれいに聴こえます。クレッシェンドの所はテンポも速くスリリングです。この辺りのピアノと伴奏の一体感は素晴らしいです。第2楽章はほとんどピアノの独壇場ですが、陰ながら伴奏が上手く支えています。それによってアルゲリッチが幻想的な主題を弱い音量で弾いてもきれいに聴こえます。やはり天性の感性というべきか、1990年代のデュトワとの共演の時でもそこまで演奏スタイルが変化せず、言い換えれば既に完成している訳なので凄いと思います。第3楽章はリズミカルになり、アルゲリッチは楽しそうにノリノリで弾いています。一方、アバドもこういうリズミカルな音楽は得意です。時にとてもスリリングになり、聴いているとあっという間に終わってしまう印象です。

アルゲリッチ,デュトワ=モントリオール交響楽団

色彩的な伴奏に幻想的なアルゲリッチのピアノ
  • 名盤
  • 定番
  • 繊細
  • 色彩的
  • ダイナミック
  • 高音質

おすすめ度:

ピアノマルタ・アルゲリッチ
指揮シャルル・デュトワ
演奏モントリオール交響楽団

1998年10月,モントリオール,聖ユスターシュ教会(ステレオ/デジタル/セッション)

ベテランとなったアルゲリッチのピアノ独奏デュトワとモントリオール交響楽団の伴奏です。1998年録音と新しく音質も良いです。少しクールで芳醇な響きのデュトワの伴奏に、アルゲリッチはいつものような色彩感あふれる鮮やかな演奏です。ただ伴奏はやはりこの曲としては音量が大きすぎるかも、と思います。アルゲリッチが繊細な表現をしているので、その伴奏としては少し響きすぎかも知れません。

ショパンの場合、オーケストレーションの問題もあるので、ピアノとオケをかみ合わせるのは難しいですね。伴奏に色彩感があるので、他の演奏とは大分違って、アルゲリッチの世界観を表現することは上手くいっていると思います。情熱をぶつけてくるような演奏ではなく、詩的な味わいがある大人の演奏ですね。もともとエキゾチックで色彩的な響きをもつアルゲリッチなので、上手くマッチしている部分はとてもうまく行っています。特に第2楽章は感情も入れ込んで、オケとも息が合い、とてもいい演奏です。第3楽章はオケも活躍する楽章で、あくまでアルゲリッチが主役ですが、上手くピアノを盛り立てています。アルゲリッチは、自由自在と言ってもいい位の演奏で、テクニックも素晴らしいです。

ルービンシュタイン,スクロヴァチェフスキロンドン新響

巨匠アルトゥール・ルービンシュタインの歴史的名盤
  • 歴史的名盤

ピアノアルトゥール・ルービンシュタイン
指揮スタニスラフ・スクロヴァチェフスキ
演奏ロンドン新交響楽団

1961年6月8,9日,ロンドン,ウォルサムストウ・アセンブリー・ホール(ステレオ/アナログ/セッション)

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ショパン:ピアノ協奏曲第1番&第2番(日本独自企画…

在庫:通常5~10日以内に発送します。レビュー数:16個

アヴデーエワ,ブリュッヘン=18世紀オーケストラ

実はロマン派初期の作曲家、今とは全然違うショパンの時代
  • 名盤
  • 透明感
  • 古楽器

おすすめ度:

ピアノユリアンナ・アヴデーエワ
指揮フランス・ブリュッヘン
演奏18世紀オーケストラ

ユリアンナ・アヴデーエワ(ステレオ/デジタル/セッション)

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Piano Concertos 1 & 2

在庫:残り1点 レビュー数:13個

2010年ショパン国際ピアノコンクールで優勝したユリアンナ・アヴデーエワ1849年製のエラールのピアノを弾いたピリオド演奏です。女性ピアニストの優勝はアルゲリッチ以来とのことです。初演が1830年なので、オケはピリオド奏法といっても完全な古楽器奏法とは違うと思います。18世紀オケも恐らく、弦は逆ぞりの弓ですかね。

第1楽章しっかりした響きのオケによる主題提示から始まります。録音が新しいので透明感があります。ピアノは現在のピアノ程、華麗さはありません。暖かみがある音色です。ブリュッヘンはオケをしっかりコントロールして、音量を出すべき所はしっかり出し、ピアノが中心の所はかなり押さえています。オケの存在感がモダン演奏よりも大きく、オーケストレーションの未熟さもそこまで感じられないですね。モダン楽器でのショパンの響きよりはベートーヴェンのピアノ協奏曲の響きの延長であることが感じられます。第2楽章は幻想的な透明感、とは行きませんが、暖かみがある音色で味わいがあります。第3楽章とてもリズミカルでピリオド奏法の良さが一番出ていると思います。ポーランドの舞曲のような音楽にはピリオド奏法は良く合いますね。

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楽譜・スコア

ショパン作曲のピアノ協奏曲第1番の楽譜・スコアを挙げていきます。

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