モーツァルトはセレナードを13曲作曲しています。その中で有名な曲がいくつかあります。この第6番『セレナータ・ノットルナ』(Serenata notturna)も結構有名な曲だと思います。
また、このセレナードの最大の特徴はティンパニが入っていて、大活躍するところです。
弦楽器とティンパニという編成は滅多になく、あとはシベリウスのアンダンテ・フェスティーボ位だと思います。ただアンダンテ・フェスティーボのほうは、最後にロールが入る程度なので、ティンパニなしでもOKとなっています。
このページでは、このセレナード第6番の簡単な解説のあと、名盤を聴き比べてレビューしてみたいと思います。
解説
モーツァルト作曲の『セレナータ・ノットルナ』を解説します。
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト (1756~1791)が1776年に作曲したセレナードです。モーツァルトはまだ若干20歳ですね。
少し前のバロック時代の合奏協奏曲を意識して作曲されています。だたコンチェルティーノにあたる楽器が少しユニークで、2本のヴァイオリン、ビオラ、コントラバス、ティンパニとなっています。
もっともこの時代のコントラバスはヴィオローネと言って、そこまで大きくなかったため、チェロの音域と被っていたと思われます。
バロック時代の対位法を多く持ちいた合奏曲で、なかなか巧妙な作りになっています。
また、最後のロンドでは各楽器のコンチェルティーノの即興演奏が楽しめるなど、趣向をこらした曲になっています。若いころのモーツァルトの良い所を集約したような名曲ですね。
第1楽章:マーチ、マエストーソ
第2楽章:メヌエット
第3楽章:ロンド~アレグレット
おすすめの名盤レビュー
モーツァルトの『セレナータ・ノットルナ』の名盤をレビューしていきます。
カメラータ・ノルディカの演奏です。椅子に座って演奏するのではなく、立って演奏するスタイルのアンサンブルです。編成が案外大きいと思います。フル編成のオーケストラとは比べられませんけれど。
カメラータ・ノルディカは腕利きで表現力のあるメンバーが集まって結成されています。古楽器ではありませんが、古楽器アンサンブルに似たところがありますね。とても面白いし、何より楽しく聴くことができます。ロンドの即興演奏も自然にキマっています。
以下にホルベルグ組曲のYouTubeを貼っておきます。こんなアンサンブルです。新しい録音なので音質もとても良いです。
カメラータ・ザルツブルグは、1954年にパウム・ガルトナーにより設立され、モーツァルトやハイドンを得意としています。しかし、時代と共にピリオド奏法も取り入れるようになり、過去にはノリントンとハイドンのパリセットを演奏していました。
このセレナータ・ノットルナの演奏もオーストリアの団体だけあって、ノンヴォブラートで演奏していますが、きっちりした演奏です。カメラータ・ノルディカほど自由ではありませんが、軽快で速いテンポながらも、しっかりした上品なアンサンブルの上に、適度な楽しさがあります。
マリナーとアカデミー室内管弦楽団は、落ち着いたテンポで自然な表現なので、最近の演奏が速すぎるという人には良いと思います。
マリナーらしい、きっちり、かっちりした演奏です。遊び心もあって、宮殿で演奏するのに相応しい品のある艶やかなサウンドです。ただ、ティンパニが弱めになっています。
セレナータ・ノットゥルナに関していえば、やはりもう少し軽快なほうが、今風なんでしょうね。あとは好みの問題のように思います。
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楽譜・スコア
モーツァルトの『セレナータ・ノットルナ』の楽譜・スコアを挙げていきます。