ニールセン 交響曲第6番『素朴な交響曲』

カール・ニールセン (Carl Nielsen,1865-1931)作曲の交響曲第6番『素朴な交響曲』 (Symphony No.6 “Sinfonia Semplice”)について、解説おすすめの名盤レビューをしていきます。

解説

ニールセン交響曲第6番について解説します。

素朴な交響曲??

管理人はディスクの感想を書くためにページを作っているのですが、解説を書くのにこんなに困る交響曲はなかなか無いですね。この交響曲が「素朴な交響曲」?、英語にすればただ「シンプル」という標題になります。でも聴いてみると、、なんなんでしょう?なんとも言えない理解しがたい音楽になっているのです。

最初に聴いたときから、全く理解できなかったし、今でも理解できていません。この辺りはベートーヴェンの交響曲第8番に似ていて、はっきりした古典派風交響曲なのに、何か意味がありそうでいて、その意味が不明なのです。どこかの政治家の演説みたいですね。

パーヴォ・ヤルヴィ=フランクフルト放送交響楽団

精神分裂病?

もしかすると、ニールセンはこの辺りで精神分裂病にかかってしまったのでしょうか?素朴な音楽が続いているかと思えば、同時に焦りを煽(あお)るような音楽が鳴り響くのです。2つの音楽をラジカセで聴いているみたいです。マーラーは軽度ですが精神分裂病(今は統合失調症と呼ぶ)だったといわれていますし。

この手の曲はヒンデミット、オネゲル、ショスタコーヴィチなら書きそうです。だから、ちょっと時代が早いのですよね。ストラヴィンスキー等はペトルーシュカで2つの曲が同時に演奏される部分を書いていますが、そのくらいですかね。ニールセンはこういう曲を書くのに参考はあまりなかった訳で完成度という点で少し評価が低いのは、やむを得ないかも知れません。

深く考えるべからず…

パーヴォ・ヤルヴィによれば、最後の滑稽(こっけい)なFgを「アッカンベー」をしているみたい、と言っています。P.ヤルヴィがそういうのだから、単に面白い曲と見做(みな)してもいいのかも知れませんね。

でも時は第一次世界大戦と第二次世界大戦の間であり、第一次世界大戦のあとはニールセンは交響曲第4番、第5番と2つも戦争に関係する交響曲を書きました。それで次がこの交響曲第6番ですから、単なる冗談音楽だけってことはないですよね。素朴な音楽を突然軍隊を象徴するスネヤが破壊している、とも聴こえます。

この先、交響曲を書いていれば新しい作風が確立したかも知れませんので、そこは残念ですね。

おすすめの名盤レビュー

パーヴォ・ヤルヴィ=フランクフルト放送交響楽団

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おすすめ度:

指揮パーヴォ・ヤルヴィ
演奏フランクフルト放送交響楽団

パーヴォ・ヤルヴィは非常に頭の良い指揮者だと思います。この複雑で変な曲(失礼…)を、きちんと整理してまとめ上げているのです。筆者は作曲家が何を表現したいのか分からないので、この方向性が良いのかどうか分かりません。ただアンサンブルはきちんとしていて、一見聴きやすい演奏です。それに自然な素朴さが強調されていることろもいいですね。しかし、こんな分かりやすい演奏でもこの曲の本当の意味は分かりませんでした。分からないのが正解なのかも知れませんけど。

ブロムシュテット=サンフランシスコ交響楽団

ブロムシュテットは昔からニールセンを良く取り上げていました。しかし、ベルグルンドのようなしっかりした意思が感じられず、何を表現したいのかはかりかねていました。

ただデンマーク的なサウンドは少しあると思うので、特に前半の交響曲はまあこんな感じなのかなと思っていましたし、「不滅」はカオスな曲をカオスなまま演奏していて、良い演奏だなと思っていました。それに音質も良いし、打楽器や管楽器を前面に出しているので、それもニールセンに合うのかも知れません。サンフランシスコ交響楽団ですから上手いです。

ただ世評がとても高いので、たまに聴き直すのですが、どうしても評価が高い理由が理解できないでいます。

さて、交響曲第6番は曲も理解できず、演奏も理解できないという、ある意味面白いことになってしまいました。でも、そのまま迷わず演奏するとこうなるんだと思います。分裂している感じが良く出ています。だからこの曲の演奏としてはきっとこれでいいと思うのです。

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楽譜・スコア

ニールセン作曲の交響曲第6番の楽譜・スコアを挙げていきます。

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