ハイドン 交響曲第92番『オックスフォード』

フランツ・ヨーゼフ・ハイドン (Franz Joseph Haydn,1732-1809)作曲の交響曲第92番『オックスフォード』ト長調 Hob.I:92 (Symphony No.92 “Oxford” G-Dur)について、解説おすすめの名盤レビューをしていきます。

パリセットとロンドンセットに囲まれた交響曲の中でも、交響曲第88番『V字』交響曲第92番『オックスフォード』は有名です。特に第92番『オックスフォード』はハイドンとしてもスタイリッシュな交響曲で、名演奏も多いです。

解説

ハイドン交響曲第92番『オックスフォード』について解説します。

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交響曲第92番は1789年に作曲されました。

愛称の由来

『オックスフォード』の名前の由来はWikipediaによると複雑なようです。

1791年にオックスフォード大学における名誉博士号の授与式でハイドンがこれを指揮したと伝えられているためであるが、この愛称はちょっとした呼び間違いである。

Wikipedia

ハイドンはオックスフォード大学から名誉博士号の授与されました。このことはハイドンにとって非常な名誉でした。学位授与式のために交響曲を書いたわけではなく、たまたま最近完成した交響曲を持って大学に出発しました。しかし、ハイドンの到着は式典の直前となり、オーケストラは新しい交響曲ではなく、演奏経験のあるもっと前の作品を演奏したようです。

ハイドンは学位を受けるために3回の演奏会を指揮することを要求されました。その時に演奏された交響曲の中に新作の第92番が含まれており、『オックスフォード』と呼ばれるようになったようです。ともかく、結果としては学位授与式のために持っていった新作交響曲である第92番が『オックスフォード』と呼ばれているので、言い伝えは間違っていますが、愛称としては正しいほうですね。(第96番『奇跡』に比べれば…)

新しいハイドンのスタイル

この交響曲第92番の特徴は、何と言ってもそのスタイリッシュなフォルムにあります。それによって格調の高さが生まれ、田舎臭さもなく、まさにイギリスのオックスフォード大学の学位授与式に持っていくに相応しい交響曲になっています。ハイドンらしい創意工夫も見られますが、他の番号に比べると保守的で、中でも緩徐楽章は交響曲第104番『ロンドン』を想起させる完成度の高さです。第91番も面白い交響曲ではありますが、それほどスタイリッシュではありません。2つを比べるとその違いが良く分かります。

おすすめの名盤レビュー

それでは、ハイドン作曲交響曲第92番『オックスフォード』名盤をレビューしていきましょう。

アーノンクール=ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス

高い完成度の古楽器演奏、スタイリッシュさと味わい
  • 名盤
  • 定番
  • 格調
  • 芳醇

超おすすめ:

指揮ニコラウス・アーノンクール
演奏ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス

2001年7月13・14日,オーストリア,グラーツ,シュティリアルテ音楽祭

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アーノンクールとウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの演奏は、第92番『オックスフォード』の本質を突いた名盤です。DVDでリリースされていますが、古楽器が見えること、アーノンクールウィーン・コンツェントゥス・ムジクスの古楽器演奏で、ピリオド演奏ではない所が素晴らしく、パリ・セットのCDと同じくらい価値のあるDVDです。

ヤーコプス=フライブルク・バロック・オーケストラ

シャープさとアンティークで味わいのある響きの融合
  • 名盤
  • 定番
  • スリリング
  • 格調
  • 芳醇

超おすすめ:

指揮ルネ・ヤーコプス
演奏フライブルク・バロック・オーケストラ

2004年2月,バーデン=バーデン(ステレオ/デジタル/セッション)

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ルネ・ヤーコプスとフライブルク・バロック・オーケストラの演奏です。刺激的な演奏に聴こえるかも知れませんが、この組み合わせとしては、そこまで大したことはしていません。普通のバロック演奏です。最近リリースされたカサドとフライブルク・バロック・オーケストラのベートーヴェンに比べても、取り立ててユニークな演奏でもありません。古楽器オケの演奏として、ハイドンらしい機転は利いていますが、奇をてらった演奏ではなく、きちんと本質を突いた名盤です。

第2楽章は強弱の良くついた小気味良い演奏です。バロック・ティンパニなので打ち込みはシャープですが、元々こんな音です。この時代のハイドンの交響曲は緩徐楽章での強弱を良くつけているので、適切なスタイルの演奏だと思います。第104番『ロンドン』の第2楽章なんて、もっと大胆な音楽で、素晴らしい曲に発展しています。古楽器のアンティークな響きも良いですね。

第3楽章は少し速めのテンポでとてもスタイリッシュです。途中で途切れる主題もハイドンらしいですが、効果的に演奏しています。古楽器らしい落ち着いた響きの美しさがあり、味わい深いです。中間部ホルンがとても上手く印象的です。第4楽章はかなりテンポが速いですね。スリリングな演奏で、ちょっと速すぎかなと思いますが、きちんと演奏出来ていて「機転が利いた演奏」の範囲を逸脱していない、と思います。細かいユニークなパートが聴こえるように演奏されていて、面白いです。

セル=クリーヴランド管弦楽団

古楽器オケに近いスタイルで感情表現も上手く織り込んだ名盤
  • 名盤
  • 定番
  • 端正
  • 芳醇
  • ライヴ

おすすめ度:

指揮ジョージ・セル
演奏クリーヴランド管弦楽団

1966年1月27日(ステレオ/アナログ/ライヴ)

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セルとクリーヴランド管弦楽団のハイドンは最近評価が高いです。聴いてみると、今の古楽器奏法からも大きく離れておらず、スコアの読み込みが深いとはいえ、それだけでよくぞここまで、と思えるような演奏です。もっとも、古楽器オケなら既に実現している演奏スタイルで、あえて昔の演奏を聴く必要があるのか?という気もしなくは無いですが、ロマンティックな感情表現もあり、古楽器オケとは違うロマン派的な要素が入っています

第1楽章は序奏は遅いテンポですが、主部に入るとキレの良い演奏になります。曲の完成度の高さ、密度の濃さもあり、飽きる瞬間は全くなく、ヴィブラートなどが無ければピリオド演奏になりそうな演奏です。ユニークで複雑な主題を効果的に演奏し、細かい絡み合いを端正に演奏していきます。対位法を使った絡みも奇麗に演奏しています。

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楽譜・スコア

ハイドン作曲の交響曲第92番『オックスフォード』の楽譜・スコアを挙げていきます。

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