ジョン・ウィリアムズ (John Williams,1932-)作曲のオリンピック・ファンファーレとテーマ (Olympic Fanfare and Theme)について、解説とおすすめの名盤レビューをしていきます。ワンストップでスコアと楽譜まで紹介します。
映画音楽の作曲家ジョン・ウィリアムズによるオリンピック・ファンファーレの中でも最も人気のあるファンファーレです。
解説
ジョン・ウィリアムズのオリンピック・ファンファーレについて解説します。
最高の近代オリンピック・ファンファーレ
1984年のロサンゼルス・オリンピックのファンファーレは、最盛期のジョン・ウィリアムズの作曲により、オリンピック史上、稀に見る名曲となりました。ショッキングな位、センスの良い曲で、翌年1985年にグラミー賞を受賞しています。おそらく、モンテヴェルディのオルフェオのファンファーレから続く、ファンファーレの歴史の中でも最も素晴らしい部類に入ります。
演奏は簡単ではない
当時から人気が沸騰し、筆者は当時吹奏楽部でしたが、トランペット・パートの人は皆、このファンファーレにチャレンジしましたが、当時の普通の吹奏楽部のレヴェルでは演奏できる曲ではありませんでした。音域も音の細かさも相当レヴェルが高いです。他のスターウォーズなどの方が余程演奏しやすい位です。
実は交響曲も作曲
ジョン・ウィリアムズは、ハリウッドの映画音楽の作曲家であり、『スター・ウォーズ』『未知との遭遇』『スーパーマン』『インディ・ジョーンズ』『ジュラシック・パーク』『ハリー・ポッター』シリーズなど、挙げればキリがないほど映画音楽やテーマ曲を書いています。
主にオーケストラを使っており、ポップスとクラシックの作曲技法を両方使っています。実は交響曲も一曲作曲しています。またヴァイオリン協奏曲、チューバ協奏曲、オーボエ協奏曲など、いくつかの協奏曲も書いていて、クラシックの作曲家という一面もあります。コープランドやレナード・バーンスタインが開拓したレールの上をさらに大きく開拓し、商業的な面も大きいですが、アメリカの映画音楽の質を大きく高めたと言えます。最近では指揮者としてウィーンフィルに客演して、話題を集めました。
おすすめの名盤レビュー
それでは、ウィリアムズ作曲オリンピック・ファンファーレの名盤をレビューしていきましょう。
ジョン・ウィリアムズ=ベルリン・フィル
ジョン・ウィリアムズが初めてベルリン・フィルを指揮したライヴ録音です。新しい録音ですし、ライヴとは思えない高音質です。とにかく、金管セクションの華やかさはさすがベルリン・フィル!でとても爽快に聴けます。最初のオリンピック・ファンファーレの鮮やかな演奏で一気に引き込まれます。トランペットの音の伸びと言い、アンサンブルと言い、この曲の良さを最大限発揮しきっています。
ドゥダメル=ロサンゼルス・フィル
ドゥダメルとロスアンジェルス・フィルの新しい録音です。ドゥダメルのしなやかな指揮とロスアンジェルス・フィルの上手さが光る名盤です。音質も非常に良いです。
冒頭の有名なファンファーレは小気味良いロス・フィルの金管のアンサンブルが光ります。パーカッションはスネヤを始め、非常に上手くしかもクオリティの高いアンサンブルです。これはドゥダメルの繊細さのある指揮のおかげも大きいと思います。細かい所までしなやかに、センス良くまとめられていて、このコンビの良い所が出た名盤です。
カップリングのJ.ウィリアムズの音楽も、ドゥダメルの指揮、ロス・フィルの演奏共に、非常にクオリティの高い、しなやかさと軽快さがある名盤です。
ジョン・ウィリアムズ=ボストン・ポップス
ジョン・ウィリアムズの自作自演です。J.ウィリアムズは指揮も上手く、ボストン・ポップスをセンス良くまとめ上げています。音質も良いと思います。
冒頭のファンファーレはボストン・ポップスの色彩感のある金管とパーカッションの響きが素晴らしいです。弦のメロディはしなやかで透明感があります。誇り高さが感じられます。このコンビの演奏はポップスとかクラシックなど関係なくレヴェルが高くセンスの良い名盤として通用すると思います。最後も軽快で透明感のある響きで締めています。
佐渡裕=シエナ・ウインド・オーケストラ (吹奏楽版)
ファンファーレですので、吹奏楽の演奏を入れてみました。上の2つの金管が上手いことが特徴のアメリカのトップオケと比べると少し落ちるかも知れませんが、指揮は佐渡裕でアメリカ音楽なので、吹奏楽とは思えないクオリティの高い演奏になっています。
冒頭のファンファーレはトランペット群が軽快でとても上手いです。トロンボーンも入ると色彩感が出てきます。録音はもう少し残響があれば、さらに良かったとと思いますが、近年の吹奏楽のレヴェルの高さが感じられます。弦は無いので、ホルンやユーフォニウムが担当しているようです。オケ版を聴いた直後でも違和感はなく、センスの良い編曲です。後半はパーカッションがリズミカルに軽快なアンサンブルで、クオリティも高いです。ダイナミックさも出てきますが、ラストは軽快に締めくくります。
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最近のジョン・ウィリアムズとベルリン・フィルのライヴが映像としてリリースされています。
ジョン・ウィリアムズ=ベルリン・フィル
楽譜・スコア
ウィリアムズ作曲のオリンピック・ファンファーレの楽譜・スコアを挙げていきます。
ミニチュア・スコア
電子スコア
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