管楽器のためのシンフォニー (ストラヴィンスキー)

イーゴリ・ストラヴィンスキー (Igor Stravinsky,1882-1971)作曲の『管楽器のためのシンフォニー』 (管楽器のための交響曲, Symphonies of Wind Instruments)について、解説おすすめの名盤レビューをしていきます。

解説

ストラヴィンスキー作曲の『管楽器のためのシンフォニー』について、解説します。

隠れた名曲

『管楽器のためのシンフォニー』(Symphonies of Wind Instruments)は、ストラヴィンスキーの新古典主義時代の作品です。演奏時間は大体10分程度の小さな曲です。

1920年に作曲され、世を去ったクロード・ドビュッシーに捧げられました。この曲の最後にはコラールが入っています。

「春の祭典」デュトワ盤で有名に

デュトワ=モントリオール交響楽団のバレエ「春の祭典」のディスクのおまけとして、録音されていました。新古典主義時代のストラヴィンスキーにこんなにかっこいい曲があるんだな、と感心した記憶があります。「春の祭典」も名演奏でしたが、「管楽器のシンフォニー」のほうを何度も聴いてしまいました。

新古典主義時代を理解するのに良い

短い曲ではありますが、ストラヴィンスキーの新古典主義時代の入門に、非常に良い曲だと思います。これを聴いて良さを実感してから、バレエ『プルチネルラ』、『詩篇交響曲』、『3楽章の交響曲』などと聴いていくと良いと思います。

また管楽器が活躍し、とても上手いので、吹奏楽をされている方にもおすすめです。

おすすめの名盤レビュー

ストラヴィンスキー作曲の『管楽器のためのシンフォニー』のおすすめの名盤をレビューしていきます。

デュトワ=モントリオール交響楽団

デュトワ=モントリオール交響楽団の演奏は、テンポも適切でスリリングですし、管楽器の上手さが際立っていて、ハーモニーも非常に素晴らしいです。録音の音質も完璧です。もうこれがあれば十分、という気もしないではない位の決定版です。

ストラヴィンスキーの新古典主義の曲としてはスタイリッシュすぎで、難しい所を避けた演奏とも言えます。色々他の演奏を聴いてみると、デュトワが如何に聴きやすい演奏をしているか、がよく分かります。全体の構成も非常に分かり易くメリハリをつけています。

でも始めて聴くなら、デュトワ盤がいいと思います。

ラトル=ベルリン・フィル

  • 名盤
  • 高音質

超おすすめ:

指揮サイモン・ラトル
演奏ベルリン・フィルハーモニー

ラトルは新しい録音で音質も良く、ベルリンフィルの管楽セクションを活かし切った名演です。

『春の祭典』のディスクの2曲目に収録されています。

全体的に非常にスタイリッシュに演奏していますが、不協和音もきちんと響かせて、この曲の面白さを引き出しています。

コラールなども綺麗に決まっていて、デュトワ盤と双璧の演奏です。

ブーレーズ=ニューヨーク・フィル

  • 名盤
  • 高音質
  • 知的

超おすすめ:

指揮ピエール・ブーレーズ
演奏ニューヨーク・フィルハーモニック

ブレーズ=ニューヨーク・フィルの演奏です。当然、管楽器の技術は素晴らしく、表現力も素晴らしいものがあります。デュトワのように聴きやすくまとめる、というよりは、ストラヴィンスキーの新古典主義の作曲技法を活かした緻密な演奏です。デュトワよりテンポが少し遅めです。これも一つの名盤ですね。

とはいえ、結果として結構スタイリッシュに聴こえます。1920年ごろのストラヴィンスキーはバレエ「プルチネルラ」もそうですが、聴きやすい作風だったと思います。その後、不協和音が多くなっていきますけど。

ブーレーズ=ベルリン・フィル

  • 名盤
  • 高音質
  • 知的

超おすすめ:

指揮ピエール・ブーレーズ
演奏ベルリン・フィルハーモニー

1999年

ブレーズは現代音楽の作曲家ですから、その視点が中心になっています。ベルリン・フィルなのでとても上手いですし録音もとても良いです。

ただ、ブレーズの演奏は近代音楽のもので、デュトワのようにスリリングでスポーティではありません。落ち着いて、他の新古典主義の曲と同じく、工夫のあるところが自然に目立つように演奏しています。

聴きやすくなるように、という配慮はあまりなく、作曲家の意図を汲む姿勢が中心です。ただ、デュトワほどではないにしても、この曲は新古典主義初期の作品なので元々聴きやすいところがありますね。

ユロフスキ=ロンドン・フィル

  • 名盤
  • 高音質

おすすめ度:

指揮ユロフスキ
演奏ロンドン・フィルハーモニー

2014年

非常に録音の音質が良いディスクです。

演奏の方は、ロンドン・フィルは意外に金管の音色がいまいちかもしれませんね。あくまで比較の問題なので、下手な訳ではありませんが、ベルリンフィルやモントリオール交響楽団と比べると、繊細さに欠ける感じです。

録音が良いので、コラールなどは綺麗ですし、指揮のユロフスキも分かり易い演奏をしているだけにちょっと残念です。響きの重さは、音程の問題なのか、不協和音なのか分からない感じです。

ラトル=ナッシュ・アンサンブル

ラトルの知的で整理された演奏です。ナッシュ・アンサンブルは始めて聴くアンサンブル団体ですが、レヴェルは高そうです。

前半は特に良く、デュトワ盤で聴こえなかった不協和音をきちんと響かせていて面白く聴けます。後半、特にコラール部分は今一つで、フレーズが短すぎる印象です。

珍しい曲が多いアルバムですね。

ゲルギエフ=ミュンヘン・フィル

  • ライヴ

おすすめ度:

指揮ヴァレリー・ゲルギエフ
演奏ミュンヘン・フィルハーモニー

この演奏はMP3しか無いようです。ゲルギエフとミュンヘン・フィルとは珍しい組み合わせですね。「シェエラザード」の前プロとして演奏されたライヴ録音です。

ミュンヘン・フィルの管楽器はハイレヴェルです。ゲルギエフは少し遅めのテンポで演奏しています。特別に特徴が無いので書きにくいのですけど、中間のテンポが速くなる個所は、少し個性的です。

ロシア的な何かが無いかなと思って聴いたのですが、あまり無さそうですね。ロシア的と思って聴くと多少そういう響きもあるかな、と思います。

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