フランツ・フォン・スッペ (Franz von Suppe, 1819~1895) のオペレッタ『美しきガラテア』(Die schone Galathee) の序曲は、昔からオーケストラや吹奏楽で親しまれてきました。
また最近では『美しきガラテア』はストーリーが有名だからか、全曲版も出ています。このページでは『美しきガラテア』の解説と、名盤のレビューをしていきます。
解説
『美しきガラテア』の解説をします。
オペレッタ『美しきガラテア』は、全一幕のオペレッタです。物語の内容もきちんと残っているオペレッタです。
ギリシア神話から題材を得たもので、1865年にウィーンで初演されました。
あらすじ
「美しきガラテア」のあらすじをご紹介します。
題名からも分かるかも知れませんが、主人公は美しい女性、ではなく彫刻家のピグマリオンが作成している「理想の女性」の彫刻です。
ピグマリオンはこの美しい女性の彫刻を、実際の人間にしたいと願います。そして美の神ウェヌスによって、ガラテアは本物の人間の女性になります。
しかし、人間になったガラテアはピグマリオンに食べ物を求めます。しかし、ピグマリオンが食べ物を買いに行っている間に、ガニメートと恋の火遊びをしたり、ヘミダスから宝石をもらったりします。ピグマリオンは人間になったガラテアはもはや理想の女性ではなく、人間の女性の持っているあらゆる欠点を持っていることを知りました。
失望したピグマリオンは全能の神ゼウスに頼んでガラテアを石にもどしてもらうのでした。
どこかで聞いたようなストーリーですね。多分、有名なギリシャ神話なんでしょう。
ピッコロ、フルート、オーボエ×2、クラリネット×2、ファゴット×2
ホルン×4、トランペット×2、トロンボーン×3
ティンパニ、スネヤ、バスドラム、シンバル、トライアングル
弦楽5部
おすすめの名盤レビュー
『美しきガラテア』序曲の名盤をレビューしていきます。
カラヤン=ベルリン・フィル
「美しきガラテア」はカラヤンの演奏は非常に素晴らしいです。ベルリンフィルのサウンドがこの曲にピッタリ合っています。テンポ取りも素晴らしいですし、管楽器のソロも上手いです。その後の弦も美しいです。後半も素晴らししく、ダイナミックな演奏です。
メータとウィーン・フィルのスッペ序曲集です。冒頭はちょっと遅いかなと思ったのですが、曲が進んでくるとウィーン・フィルの良さを活かしたなかなかの名演だということが分かってきました。ホルンのソロもいいですし、1:50あたりの多分美しきガラテアを表現している個所などは、とても良い響きです。短い序曲ではありますが、本編を想像しながら楽しめる演奏です。
なお、このディスクの本当の良さは、収録されている曲目の多さにあります。無名な曲でも結構楽しめる曲が多いのです。聴いていて楽しい名盤です。
ニューイヤーコンサートでの演奏です。具体的にはこのページの先頭のYouTubeのものです。テンポ取りが素晴らしいです。洗練されていて、スリリングで、かなりハイレベルの演奏ですね。カラヤンと並んでベストな名盤だと思います。正規盤を聴いていなくて、ライヴ録音の音質が良く分かりませんが、2005年の録音なら大丈夫だと思います。
スッペに関しては、このコンビの演奏は、本当に信頼できますね。「美しきガラテア」も良い演奏だと思います。スッペの序曲集として、出来不出来の少ない名盤です。ただ曲が洗練されているので、素朴さがあまり必要ない曲かなと思います。
「美しきガラテア」全曲盤
『美しきガラテア』の全曲版をレビューしていきます。
アイヒルホルン=ミュンヘン放送管弦楽団
全曲盤、といっても一幕物なのでCD一枚に余裕で収まります。歌手の組み合わせが豪華な名盤です。ガラテアはモッフォ、ピグマリオンはルネ・コロです。
ヴァイル=カペラ・コロニエンシス
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楽譜
スッペ作曲『美しきガラテア』の楽譜・スコアを挙げていきます。