
パウル・ヒンデミット (Paul Hindemith,1895-1963)作曲のピッツバーグ交響曲 (Pittsburgh Symphony)について、解説とおすすめの名盤レビューをしていきます。ワンストップでスコアと楽譜まで紹介します。
解説
ヒンデミットのピッツバーグ交響曲について解説します。
1958年にピッツバーグ市200年祭を記念し作曲されました。ピッツバーグに伝わる民謡をも取り入れた交響曲です。第2楽章のスローマーチが印象的です。特に第3楽章は有名な民謡を引用しています。
初演は1959年にピッツバーグにて行われました。
おすすめの名盤レビュー
それでは、ヒンデミット作曲ピッツバーグ交響曲の名盤をレビューしていきましょう。中古も含めれば、入手可能なCDがなんと3種類もありました!
ケーゲル=ドレスデン・フィル
ケーゲル=ドレスデン・フィルの録音です。これが一番定番のCDですね。
第1楽章はシリアスでグロテスクな迫力があります。途中でカオスになったりもする曲ですが、凄くリアリティのある演奏です。第2楽章は前半はシリアスでオーボエのソロなど、少し静かな音楽です。後半はマーチになります。スローマーチとは何を表しているんでしょう、かなりダルいマーチですが、絶妙な演奏だと思います。ユニークに聞こえたスローマーチですが、段々グロテスクになっていきます。第3楽章は有名な民謡の引用もあって聴きやすいかな、と思います。
ピッツバーグ交響曲が良い演奏で聴けるので、このCDがあって幸運だったと思います。
他には無いと思っていましたが、探してみたらありました!
トルトゥリエ=BBCフィルハーモニック
トルトゥリエとBBCフィルハーモニックはシャンドスレーベルにヒンデミットを録音しています。そこにピッツバーグ交響曲もありました。録音も良いです。
ケーゲル以外の演奏を初めて聴きましたが、トルトゥリエはテンポが速めで小気味良く明晰な演奏をしています。第1楽章と第3楽章はとても良いです。第2楽章は前半はシリアスで録音が良いのでクールな響きです。後半はテンポが速く、ケーゲルよりも大分速いです。そのためスローマーチはかなりリズミカルで、これが普通と言えばそうかも知れませんが、ケーゲルほど絶妙なテンポ感ではないと思います。ケーゲルは感情を入れる指揮者なので、トルトゥリエ盤はリファレンスとしてもいいと思います。
ロジェストヴェンスキー=ソヴィエト文化省交響楽団
ロジェストヴェンスキーは何でも演奏しますね。ヒンデミットもいくつかの作品を録音しています。マイナーな曲が多い気もしますが、この人の選曲は面白い曲が多いです。録音の音質は今一つだとは思いますが、ブルックナーの全集と大差ないので、聴けないほどでは無いです。
ソヴィエト文化省交響楽団なので、少し荒い演奏ですが、ダイナミックで面白いです。第1楽章は思い切り荒っぽい演奏ですが、分かり易い演奏で、さすがロジェストヴェンスキーです。第2楽章もシリアスですが、そこまでではなく、良く整理してあって分かり易さがあります。後半のスローマーチは絶妙でいい演奏です。現代音楽でシリアスだったり、グロテスクさがあったりしますが、ソヴィエト文化省交響楽団の演奏は「へたうま」な感じで、少し笑えます。アゴーギクもかなりついていて、色々な表現が入っています。第3楽章は、色彩的なオーケストレーションが聴こえて意外です。少しユニークで、皮肉っぽい所は、ロジェストヴェンスキーが得意とする所です。有名なメロディも文化省オケを鍛えている最中なのか、金管のレヴェルは今一つで、典型的なロシアンブラスです。ただ、聴いていて面白い演奏であることは間違いないです。最後に微妙な拍手が入っているので、ライヴ録音のようです。
この演奏は結構ハマるかも知れませんね。シリアスさに欠けますが、悪い演奏では無いですよ。
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楽譜・スコア
ヒンデミット作曲のピッツバーグ交響曲の楽譜・スコアを挙げていきます。この曲のスコアがネットで入手可能だとは思いませんでした。
ミニチュア・スコア
電子スコア
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