ロデオ (コープランド)

アーロン・コープランド (Aaron Copland,1900-1990)作曲のバレエ『ロデオ』 (Ballet “Rodeo“)について、解説おすすめの名盤レビューをしていきます。ワンストップで楽譜・スコアも紹介します。

『ロデオ』は現在、演奏会用組曲の「4つのダンス・エピソード」が良く演奏されます。アメリカ的で親しみやすい音楽で、特に吹奏楽で人気の高い曲です。第1曲「カウボーイの休日」の冒頭、第4曲「ホー・ダウン」が有名です。

『ロデオ』第4曲「ホーダウン」

解説

コープランドロデオについて解説します。

「おすすめ名盤レビュー」にジャンプ

バレエ音楽として作曲

コープランドは、モンテカルロ・ロシアバレエ団の委嘱により、1942年バレエ音楽『ロデオ』を作曲しました。バレエは全2幕で副題は『バーント牧場での求愛』でした。

バレエ版の初演は1942年10月16日にニューヨークのメトロポリタン歌劇場において、アグネス・デ=ミルの振付、フランツ・アラースの指揮によって行われ、成功に終わりました

バレエは、テキサスが舞台です。あらすじは、かなり省略していますが、以下のようなものです。恋愛ものですね。

村一番のカウボーイにのぼせ上がった牛飼娘が、気を引きたいばかりに男装に身を包んで青年っぽくふるまい、かえって顰蹙(ひんしゅく)をかい、最後には元通りしおらしい娘に戻り、理想の人を得る

http://overthemoon.rgr.jp/travel/music/music014.html
バレエ『ロデオ』

第1曲「カウボーイの休日」(Buckaroo Holiday)
第2曲「畜舎の夜想曲」(Corral Nocturne)
第3曲「ランチ・パーティ」(Ranch House Party)
第4曲「土曜の夜のワルツ」(Saturday Night Waltz)
第5曲「ホー・ダウン」(Hoe Down)

管弦楽用組曲の編曲

コープランドはこのバレエ『ロデオ』を基に、管弦楽用の組曲「4つのダンスのエピソード」を編曲しました。全5曲から4曲の組曲を作ったわけで、それほど差が無いのですが、ピアノなどの特殊楽器を減らしたり、曲をシンプルにして演奏しやすくしています。

組曲『ロデオ』は、まず1943年5月28日にアーサー・フィードラー指揮によるボストン・ポップス・オーケストラによって全4曲中3曲が初演されました。全曲の初演は、1944年6月にアレクサンダー・スモーレンス指揮によるニューヨーク・フィルハーモニー管弦楽団により行われました。

『ロデオ』より「4つのダンス・エピソード」

1. カウボーイの休日
2. 畜舎の夜想曲
3. 土曜の夜のワルツ
4. ホー・ダウン

アメリカ民謡の『ナポレオンの退却』に基づいています。

有名な第4曲「ホー・ダウン」はアメリカの農作業が終わった後に行われる宴会のことです。

ホーダウン(文字通りには「鍬(hoe)下ろし(down)」)とはアメリカの農村部で農作業が終わった後に行われる宴会のことで、転じて特定の形式のフォークダンスやスクウェアダンス、或いはそのダンス用の曲やそれらが披露される集会を指す。

ニコニコ大百科

おすすめの名盤レビュー

それでは、コープランド作曲ロデオ名盤をレビューしていきましょう。

ジンマン=ボルティモア管弦楽団

高音質で軽快なリズムの名盤
  • 名盤
  • 定番
  • 高音質

超おすすめ:

指揮デイヴィッド・ジンマン
演奏ボルティモア管弦楽団

1993年 (ステレオ/デジタル/セッション)

アマゾンUnlimitedとは?

ジンマンとボルティモア交響楽団の演奏です。ボルティモア交響楽団のレヴェルの高さが感じられ、録音が良く透明感があり、残響も適度です。現在の最もスタンダードな演奏と思います。

第1曲「カウボーイの休日」は、中庸のテンポで、リズミカルで響きに透明感があります。透明感がありながら、乾燥した響きでもありロデオに丁度良い雰囲気を持っています。トランペットもキャラクターが適度に楽天的です。弦は透明感があって美しさがあります。第2曲「畜舎の夜想曲」穏やかな雰囲気を醸し出していて、色彩感のある響きでじっくり味わえます

第3曲「土曜の夜のワルツ」ブリリアントな響きで始まり、ホルンなどが夜の雰囲気を作ります。弦の主題は穏やかですが、色彩的で爽やかさがあります。第4曲「ホー・ダウン」速めのテンポでリズミカルです。シンコペーションを上手く活かして、アメリカ的なメリハリのあるスリリングで躍動感のある音楽を展開しています。トランペットから始まるソロ陣も安定していて楽しく聴けます。後半は滑稽な部分を上手く、品よく表現し、ラストはダイナミックに締めくくります。なお、スコアを見て確認した訳ではありませんが、ホー・ダウンは全曲版かな、と思います。

M.T.トーマス=サンフランシスコ交響楽団

カラッとしていてリズミカルな明るい演奏
  • 名盤
  • 定番
  • 色彩的
  • 高音質

おすすめ度:

指揮マイケル・ティルソン・トーマス
演奏サンフランシスコ交響楽団

(ステレオ/デジタル/セッション)

アマゾンミュージックUnlimitedとは?

マイケル・ティルソン・トーマスとサンフランシスコ交響楽団の演奏です。カラッとしていて、非常に軽快でリズミカルな明るい演奏です。

第1曲「カウボーイの休日」速いテンポでリズミカルです。メリハリが結構あります。鞭の音も奇麗に聴こえます。トロンボーンのグリッサンドはスッキリしていて、センス良く演奏しています。弦のメロディはコンパクトにまとめていて、アンサンブルのクオリティは高いです。第2曲「畜舎の夜想曲」は落ち着いた演奏です。少し速めのテンポでリズムを大切に演奏しています。第3曲「土曜の夜のワルツ」は少し遅めのテンポで、雰囲気の良い演奏です。第4曲「ホー・ダウン」は、速めのテンポで小気味良く演奏されています。弦など細かい動きもアンサンブルのクオリティは高いです。盛り上がって白熱してきます。ロデオ達の声が入っていて、楽しめます。

リズミカルに盛り上がりますが、一方でクールにまとめられており、M.T.トーマスらしいクオリティの高さのある演奏です。

ドラティ=デトロイト交響楽団

比較的遅めのテンポで色彩的、丁寧な表情付け
  • 名盤
  • 定番
  • 色彩感
  • 芳醇

おすすめ度:

指揮アンタル・ドラティ
演奏デトロイト交響楽団

デトロイト,オーケストラ・ホール (ステレオ/デジタル/セッション)

アマゾンミュージックUnlimitedとは?

ドラティと手兵デトロイト交響楽団の演奏です。比較的遅めのテンポで色彩的で丁寧に演奏していることが特徴で、以前は定番の演奏でした。『ロデオ』は鮮烈なリズムが面白い曲ですが、それでも上手く演奏していて、聴きごたえがあります。スラトキン盤ジンマン盤もこの演奏スタイルのレールの上にあると思います。

第1曲「カウボーイの休日」は、遅めのテンポですが、リズムはしっかりしています。溌剌としたリズムの個所は、オケの厚みとダイナミックさもあり、堂々としています。静かな部分が他のCDには無い聴き所で、とても色彩的で味わいがあります。強弱のメリハリもあり、響きにモダンさがあります。トロンボーンやトランペットはとても上手いです。コープランドのオーケストレーションを注意深く活かした演奏です。第2曲「畜舎の夜想曲」は、とてもいい雰囲気です。淡い色彩感がとても良いです。アメリカ的すぎると淡白になりがちですが、ドラティ盤は正反対です。後半は響きに厚みも出てきて味わいがあります。第3曲「土曜の夜のワルツ」は、分三和音のモチーフがとても効果的です。ワルツは穏やかで色彩に溢れています。所々で現れる木管もとても良い雰囲気です。第4曲「ホー・ダウン」は、中庸なテンポです。スコアの読みが深く、アクセントや細かい表情付けが上手いです。リズミカルな所、コミカルな所など、見逃さずに描き分けています。各ソロも上手いですし、バランスを上手く取っています。

ヨハノス=ダラス交響楽団

溌剌としたリズム、鮮烈な響きの名盤
  • 名盤
  • 軽快
  • スリリング

超おすすめ:

指揮ドナルド・ヨハノス
演奏ダラス交響楽団

(ステレオ/アナログ/セッション)

アマゾンUnlimitedとは?

ドナルド・ヨハノスとダラス交響楽団による演奏です。『ロデオ』はテキサスが舞台なので、テキサス北部のダラスを拠点とするダラス交響楽団は本場中の本場です。ドナルド・ヨハノスは初めて知った指揮者ですが、現代音楽の普及に尽力した指揮者とのことです。演奏は鮮烈なリズムが素晴らしく、本場のオーケストラらしい名盤です。

第1曲「カウボーイの休日」は、速いテンポです。テキサスの乾燥した熱気を感じる鮮烈でシャープなリズムで始まります。ダラス交響楽団は金管のレヴェルが高いです。トロンボーン・ソロもシンプルな表現ですが上手いです。フェイント気味の複雑なリズムもスリリングに演奏し、とても楽しめる演奏です。木管の主題は色彩感があって強烈なリズムの中にあってとても映えます。どんどんリズムのシャープさが増していき盛り上がっていきます。第2曲「畜舎の夜想曲」は、静かにゆらめくような表現で弦の音色が少し色彩感を帯びています。第3曲「土曜の夜のワルツ」は、アメリカ的に始まり、穏やかなワルツになります。ベースはテキサスらしい乾燥した響きですが、少し色彩を帯びてきたり、上手く表現しています。第4曲「ホー・ダウン」は、速いテンポで小気味良くリズミカルです。フェイントの多いリズムを楽し気に演奏しています。トランペット・ソロもシャープで良いです。軽快なリズムが心地よいです。

ここまでシャープで鮮烈なリズムは他のCDには無く、魅力的です。色々な表情を付けていますが、過剰に色彩的になることは避けているようです。音色を上手くコントロールして、乾燥した音色から必要な時は色彩を少し帯びてきますテキサスらしさを失わない表現です。

スラトキン=デトロイト交響楽団 (全曲盤)

全曲版のディスク、真面目な演奏だが曲自体が面白い
  • 名盤
  • 定番
  • 自然
  • 高音質

おすすめ度:

指揮レナード・スラトキン
演奏デトロイト交響楽団

2012年11月,デトロイト,オーケストラ・ホール (ステレオ/デジタル/セッション)

アマゾンミュージックUnlimitedとは?

スラトキンとデトロイト交響楽団の演奏による2012年録音の新しいディスクです。なんと全曲盤です。といっても全部で5曲しかないのですね。デトロイト響はドラティの名盤があるので、どうしても比較されますが、スラトキンはドラティよりまじめな演奏だと思います。コープランドは遊びの要素が多いので、真面目すぎるのもどうか、と思いますけど、スラトキンはアメリカ人なのでセンスは良いです。

第1曲「カウボーイの休日」遅めのテンポでダイナミックでスケール感があります。色彩感はあまりなくテキサスの雰囲気です。真面目な演奏ですが、スコアの読みはとても深く、さらに自作自演の要素も自然に取り入れていると聴こえます。トロンボーン・ソロはグリッサンドがシャープです。鞭など乾燥した音色のパーカッションが良く聴こえます。録音は低音から高音まで良く入っていて高音質です。

第2曲「畜舎の夜想曲」は、全曲版は前奏が入っていて、少し違いますね。演奏は透明感があって、夜想曲の雰囲気が良く出ています第3曲「ホンキー・トンク・ピアノ(Ranch House Party)」は、ピアノ演奏で始まり、クラリネットのソロとなります。後半は第1曲に近い音楽となります。この曲は組曲には無いです。そしてアタッカで第4曲「土曜の夜のワルツ」に入ります。分散和音も自然で、そのまま流れるように少し速めのテンポでワルツが始まります。少し色彩感があって、味わい深いワルツです。後半は組曲版より複雑で全曲版の方が楽しめます。

第5曲「ホー・ダウン」は最初の主題の後にG.P.が入っています。結構テンポの変化があり、これは組曲版よりも面白い音楽です。途中に別のモチーフが入りますが、アイリッシュかスコットランド民謡に近いですね。アメリカ人は結構スコットランドやアイルランド出身の人も多く、それがアメリカの民謡とされていると思います。

スラトキン=セントルイス交響楽団 (全曲盤)

デトロイト響とは大分違うセントルイスのコープランド
  • 名盤
  • 定番
  • しなやか
  • スリリング
  • 高音質

超おすすめ:

指揮レナード・スラトキン
演奏セントルイス交響楽団

1985年 (ステレオ/デジタル/セッション)

アマゾンミュージックUnlimitedとは?

実はスラトキンはセントルイス交響楽団『ロデオ』全曲版1985年に録音していました。演奏スタイルは2012年デトロイト響との演奏と大分異なり、速いテンポで溌剌としたリズムで、『ロデオ』らしいです。味わい深い箇所はデトロイト響との演奏のほうが良いので、好きな方を選べばいいと思います。

第1曲「カウボーイの休日」は速めのテンポで爽快な演奏です。リズムも溌剌としています。トロンボーン・ソロも少しおどけた感じで軽妙です。テンポの速さ、リズムのブリリアントさはこのページの演奏の中でも一番かも知れません。第2曲「畜舎の夜想曲」は、前奏があり静かになると良い雰囲気です。セントルイスと言えばジャズも盛んなので、ブルースのイメージも入っているかも知れません。テキサスのカラッとした雰囲気とは違う歌が感じられます。第3曲「ホンキー・トンク・ピアノ」のピアノは本物のホンキー・トンク・ピアノを使っているのか、グランド・ピアノとは違う電子ピアノのような音色です。やっぱりジャズのイメージで、曲にとても合っています。アメリカ音楽は様々ですが、アフリカ系がルーツの音楽も多いはずです。第4曲「土曜の夜のワルツ」は、味わい深いワルツです。後半もじっくり聴けます。

第5曲「ホー・ダウン」速いテンポでとてもリズミカルです。セントルイス響のリズム感は素晴らしく、複雑なリズムのフェイントを軽々と演奏していて、とてもスリリングです。土地柄を感じますね。トランペットのソロも上手く、アンサンブルは小気味良くまとまっています。スコットランド民謡のような部分も生き生きと演奏しています。

コープランド=ロンドン交響楽団

自作自演、意外に遅めなテンポだが巧みなリズムの処理
  • 名盤
  • 定番
  • 自作自演

指揮アーロン・コープランド
演奏ロンドン交響楽団

1968-1970年 (ステレオ/アナログ/セッション)

アマゾンミュージックUnlimitedとは?

コープランドとロンドン交響楽団による演奏です。アメリカではなく、イギリスのオケを使ったことでコープランドの意図が分かりやすく再現されています。また、ロンドン交響楽団はダイナミックな響きを持つ実力派オーケストラで、J.ウィリアムズの映画音楽なども演奏しています。

第1曲「カウボーイの休日」ドラティ盤に近い遅めのテンポです。色彩感はあまり無いです。ゆっくりな3拍子の部分もリズムを取っていますので、何か舞曲なのかも知れません。ダイナミックでリズミカルな所はスケールの大きさもあります。乾燥した響きの中に鞭の音が映えます。トロンボーンのソロはグリッサンドを強調してコミカルです。割と穏やかさのある演奏ですね。休日ですからね。第2曲「畜舎の夜想曲」は、静かな演奏です。後半になると木管のソロが印象的で、淡い色彩感が出てきます第3曲「土曜の夜のワルツ」はゆっくりと分散和音を演奏し、デクレッシェンドして、ワルツに繋げています。テンポの遅いワルツですが、裏拍を意識してリズムが平坦にならないようにしています。フルートの擬音も効果的で、徐々に雰囲気を作っていきます。第4曲「ホー・ダウン」は少し速めのテンポでしょうか。とてもシャープでリズミカルです。弦は少しだけ色彩があるでしょうか。乾燥したパーカッションの音色がテキサスの雰囲気で、さわやかさもある演奏です。

CD,MP3をさらに探す

国内CD検索 輸入CD検索 MP3検索

楽譜・スコア

コープランド作曲のロデオの楽譜・スコアを挙げていきます。

ミニチュアスコアとIMSLPどっちが得?

スコア

電子スコア

タブレット端末等で閲覧する場合は、画面サイズや解像度の問題で読みにくい場合があります。購入前に「無料サンプル」でご確認ください。

楽譜をさらに探す

楽譜検索 楽譜検索