パガニーニ ヴァイオリン協奏曲第1番

ニコロ・パガニーニ (Nicolo Paganini,1782-1840)作曲のヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 Op.6 (violin concerto no.1 d-dur Op.6)について、解説おすすめの名盤レビューをしていきます。最後に楽譜・スコアも挙げてあります。

お薦めコンサート

🎵ヴァイオリン神尾真由子、日本フィル

■2023/5/2(火)14:00 開演 ( 13:20 開場 ) 会場:サントリーホール 大ホール (東京都)

パガニーニ(ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調)/プロコフィエフ(交響的物語「ピーターと狼」)/他[指揮]永峰大輔 [独奏・独唱]神尾真由子(vl) [司会]高橋克典(語り) [演奏]日本フィルハーモニー交響楽団

解説

パガニーニヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 Op.6について解説します。

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ロマン派ヴィルトゥオーゾ・ヴァイオリニストの元祖

パガニーニは稀代の名ヴァイオリニストでした。しかも、かなり昔の作曲家でちょうどベートーヴェンの時代に活躍していたのです。そして病弱だったこともあり、晩年は引退し、ヴァイオリンの演奏も不可能だったと言われています。

パガニーニは超絶技巧を売りにして生計を立てていたヴァイオリニストでした。超絶技巧を売りにしたヴァイオリニストは沢山います。かのヴィヴァルディも『四季』など、自分が演奏するために超絶技巧の作品として作曲したのです。

パガニーニが活躍した頃はちょうどヴァイオリンという楽器の変革期でもあり、自作の演奏のみならず、その演奏は他の作曲家にも大きな影響を与えています。特にロマン派のヴァイオリン作品の確立に大きな役目を果たしました。

パガニーニのヴァイオリン協奏曲は第6番まで存在します。しかしヴァイオリン協奏曲第1番第2番『ラ・カンパネラ』以外は忘れ去られ、20世紀半ばになってからやっと復活されました。番号通り順番で作曲されたわけではないようです。

第1番の作曲年代はまだイタリアに居たころの1818年頃と言われています。イタリア風な明るく力強い作風と、古典主義的な特徴を持つ作品です。

楽曲の構成

第1楽章は基本的にはシンプルなソナタ形式です。ヴァイオリンソロが圧倒的な迫力を持つ作品で、カデンツァは壮大です。ただし、今のカデンツァはパガニーニの作ではなく、エミール・ソーレ(1852-1920)による6分もかかる長大なカデンツァです。3分程度にカットして演奏されるのが普通でした。

第2楽章はオペラのアリアをヴァイオリンで演奏したような音楽です。パガニーニのスペシャリストであるサルヴァトーレ・アッカルドは、

パガニーニの音楽は、超絶技巧を要する部分も含めて、すべてが器楽に夜オペラ・アリアである。

と言っています。

第3楽章はロンド形式で、ヴァイオリン・ソロがメロディを繰り返し奏でます。これも超絶技巧で、特にフラジオレットが多用されているのが印象的です。以前はこの楽章はカットされて演奏されることが普通だったのですが、近年は楽譜通り全部演奏することが多くなっているようです。

おすすめの名盤レビュー

それでは、パガニーニ作曲ヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 Op.6名盤をレビューしていきましょう。

Vn庄司さやか,メータ=イスラエルフィル

若さとフレッシュさと超絶技巧
  • 名盤
  • 超絶技巧
  • ダイナミック
  • 高音質

超おすすめ:

ヴァイオリン庄司さやか
指揮ズビン・メータ
演奏イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団

2000年7月,テルアヴィヴ (ステレオ/デジタル)

庄司さやかが、パガニーニ国際コンクールで優勝した後の録音です。今でも人気の高いディスクです。最初からメータとイスラエルフィルをバックに弾くのだから、凄い度胸だと思います。

パガニーニは技巧的を魅せつけるような要素が多いですが、庄司さやかはまさに完璧と言える超絶技巧を魅せつけています。まだ若いこともあり、表現は少し幼さが残る位です。でも、この段階で庄司さやかは、五嶋みどりと同じくらいの才能がある、と見做されていて、いきなりメジャーレーベルでデビューすることになった訳です。

演奏技術は圧倒的です。カデンツァなどもエミール・ソーレが作曲した6分もの大規模なものを3分程度にカットして弾くのが普通ですが、庄司さやかは前半はソーレのものを使い、後半はさらに変更を加えた大きなカデンツァを演奏しています。そして、その演奏は完璧です。ライヴではなくスタジオ録音ですけれど、一縷の隙もないスリリングな超絶技巧です。

庄司さやかは、今ではロシア系の音楽、例えばプロコフィエフは他の追随を許さない演奏をする日本を代表するヴァイオリニスト成長しました。このころのフレッシュさは、その時の彼女にしか出せない魅力といえます。

Vn:アッカルド,デュトワ=ロンドン・フィル

明るく艶やか、イタリア的な名盤
  • 名盤
  • 歴史的名盤
  • 情熱
  • 華麗
  • スリリング

おすすめ度:

Vnサルヴァトーレ・アッカルド
指揮シャルル・デュトワ
演奏ロンドン・フィルハーモニック

1975-75年 (ステレオ/アナログ/セッション)

Vn:パールマン, フォスター=ロイヤル・フィル

  • 名盤
  • 定番
  • 超絶技巧

ヴァイオリンイツァーク・パールマン
指揮ローレンス・フォスター
演奏ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団

1971年 (ステレオ/デジタル/セッション)

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楽譜・スコア

パガニーニ作曲のヴァイオリン協奏曲 第1番 ニ長調 Op.6の楽譜・スコアを挙げていきます。

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