凱旋行進曲(『アイーダ』より)

ジュゼッペ・ヴェルディ (Giuseppe Verdi,1813-1901)作曲の歌劇『アイーダ』より『凱旋行進曲』 (Triumphal March from “Aida”)について、解説おすすめの名盤レビューをしていきます。最後に楽譜・スコアも挙げてあります。

有名なメロディが2つあります。サッカーのTV放送などで良く使われる合唱の部分です。(合唱が無い場合はオーケストラのみで演奏)もう一つはアイーダトランペットで吹かれる主題です。行進曲が終わると中間部的にバレエのシーンに入ります。ここでは娘たちが、エキゾチックなダンスを披露します。

解説

ヴェルディ歌劇『アイーダ』より『凱旋行進曲』について解説します。

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ヴェルディ作曲の歌劇『アイーダ』は古代エジプトのメンフィスとテーベを舞台とした作品です。初演は1871年エジプトのカイロに新築された歌劇場で行われました。

『凱旋行進曲』は、第2幕第2場で演奏されます。ラダメス将軍が率いるエジプト軍がエチオピア軍を破って凱旋帰国します。軍隊の勝利を飾って、多くの戦利品を持って帰還するときの華々しいパレードの状況を描いた曲です。曲は三部構成で行進曲とバレエの部分から成り立っています。

この曲に関して言えばオペラの映像の方が見ごたえありますね。一つはアイーダ・トランペットです。このトランペットはベルの手前の部分に旗を下げられるようにした軍隊用のファンファーレ・トランペットですが、オペラではアイーダ以外には使わないと思います。そのためアイーダ・トランペットと呼ばれています。また、行進曲の間、エチオピアからの煌びやかな戦利品が運ばれていき、舞台はとても華麗です

アイーダ・トランペット

もう一つは、中間部のバレエのシーンです。ここではオペラの映像なら大抵バレエ団が入って煌びやかな衣装を着て踊ります。バレエに慣れている人なら面白いシーンです。ヴェルディの頃のグランド・オペラには欠かせないゴージャスなシーンです。ヴェルディは真面目なので、あまり安易にゴージャスなシーンは書きませんが、アイーダはまさにグランド・オペラといえます。

おすすめの名盤レビュー

それでは、ヴェルディ作曲歌劇『アイーダ』より『凱旋行進曲』名盤をレビューしていきましょう。

この曲が単独で演奏される機会は大抵野外コンサートなどか、イタリア・オペラのオムニバスのCDです。オペラのDVDを買ったほうが迫力があっていいかも知れません。

アバド=ミラノスカラ座管弦楽団

イタリア・オペラの合唱曲集
  • 名盤
  • 定番
  • スリリング
  • ダイナミック

超おすすめ:

合唱ミラノスカラ座合唱団
指揮クラウディオ・アバド
演奏ミラノスカラ座管弦楽団

1974年-1981年,ミラノ・スカラ座 (ステレオ/アナログ/セッション)

アバドがミラノ・スカラ座で指揮をしていた時代の主に全曲盤の演奏から抜粋したものを集めたオムニバスです。録音はしっかりしています。若いアバドの演奏ですが、この頃から既に演奏スタイルは確立していますね

ミラノ・スカラ座の劇場にいるかのような、臨場感あふれるダイナミックな演奏です。金管も思い切り鳴らしていて華麗な演奏です。合唱もダイナミックで声量が豊富です。アバドの指揮は、少しラテン系のスカラ座を引き締めてシャープで凝集した響きを引き出しています。スリリングで爽快な演奏です。

他の曲も楽しめるものばかりです。上のワルトビューネとダブっている曲も多いです。有名なメロディもいくつかあります。本格的にオペラを聴く前に聴いておくとイタリア・オペラの面白みが分かり易いと思います。

ヴァルトビューネ1996:アバド/イタリアン・ナイト

イタリア・オペラの美味しい所を抜き出した名盤
  • 名盤
  • 定番
  • スリリング
  • ダイナミック

超おすすめ:

ソプラノアンジェラ・ゲオルギュー
バリトンブリン・ターフェル
合唱ベルリン放送合唱団
指揮クラウディオ・アバド
演奏ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団

1996年(ステレオ)

ベルリン・フィルのワルトビューネでイタリアンナイトと銘打って、アバド得意のイタリアオペラの有名な曲を抜粋したコンサートになっています。このイタリアンナイトは私が観たワルトビューネの中で一番素晴らしい映像の一つです。オペラ以外でアイーダの凱旋行進曲を観るなら、このDVDを入手できるうちにしておいた方がいいですね。病気になる前のアバドのスリリングな演奏です。特にクレッシェンドは凄くスリリングです。

ただ野外コンサートで起こりがちなハプニングに多く見舞われたワルトビューネでもありました。コンサート中に雨が降り始めたのです。観客たちは傘をさし始めたりしています。また、野外コンサートで良く聴こえなかったのか、『シチリア島の夕べの祈り』序曲スリリングなクレッシェンドの後に拍手が沸き起こっています。アバドのクレッシェンドは素晴らしくスリリングなので、それに対する拍手だったとしても不思議では無いですが、多分小さな音が聴こえなくて曲が終わったと勘違いしたようです。

アイーダは合唱付きで演奏されています。アイーダトランペットも良く見えます。演奏はシャープで、ダイナミックな演奏です。合唱も力強くとても楽しめます。バレエのシーンは割愛されていますが、コンサートでの『凱旋行進曲』の演奏の中では特に素晴らしいと思います。

オーマンディ=フィラデルフィア管

有名で華麗なマーチをフィラデルフィア管のゴージャスな金管で
  • 名盤
  • 定番
  • 華麗
  • ダイナミック

おすすめ度:

指揮ユージン・オーマンディ
演奏フィラデルフィア管弦楽団

1963年2月3日,フィラデルフィア,タウン・ホール (ステレオ/アナログ/セッション)

オーマンディとフィラデルフィア管弦楽団によるマーチ集です。録音は1960年代で、少し古めな感じもします。ただ、こういう親しみやすいオーケストラのマーチを揃えたCDは少ないので貴重です。聴いていると、有名なメロディがどんどん流れてきます。

アイーダの凱旋行進曲は、フィラデルフィア管のレヴェルの高いトランペットが聴けます。合唱は入っていませんが、適度に引き締まった演奏で、終盤に向けての盛り上がりが凄いです。

選曲がとても良く、有名な割に意外にCDで入手しにくい有名なマーチが揃っています。マーチングバンドではなく、フィラデルフィア管という、アメリカを代表するオケが演奏しており、演奏レヴェルもとても高いです。トランペット・ヴォランタリーも非常に素晴らしいトランペットが聴けます。単独ではなかなか演奏されない有名な「タンホイザー」の行進曲が手軽に聴けるのも良いですね。シューベルトの「軍隊行進曲」モーツァルトの「トルコ行進曲」など、収録されている曲は全て有名です。クラシックのマーチは有名な曲が多いな、と思います。

ゲルギエフ=ウィーン・フィル

有名なオペラ曲を揃えたサマーコンサート
  • 名盤
  • 定番
  • スリリング
  • ダイナミック

おすすめ度:

指揮ワレリー・ゲルギエフ
演奏ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

2018年 (ステレオ/デジタル/ライヴ)

ウィーンフィルのサマーコンサートで演奏されたものです。野外コンサートなのでブルーレイなどで見る方が楽しいですが、有名な曲が沢山取り上げられており、演奏もウィーンフィルですから、演奏も素晴らしいです。録音は2018年と新しいですが、野外コンサートなので音質はまあまあです。

このアイーダは凱旋行進曲とその間に入るバレエのシーンの音楽が入っています。バレエを見たい方はオペラのDVDを買ってください。合唱は入っていないヴァージョンです。何か、演奏の参考に使う場合は合唱なし版を聴くことが出来ます。さすがはマリインスキー劇場の指揮者ゲルギエフで演奏はしっかりしたもので、金管もパワフルです。野外演奏なので残響や音が小さい部分の音質は良いとは言えませんけれど。もともとダイナミックな曲なのでさほど問題ないと思います。

  • 名盤
  • 定番
  • 情熱的
  • スリリング
  • ダイナミック

おすすめ度:

ソプラノアンナ・ネトレプコ
指揮ワレリー・ゲルギエフ
演奏ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団

2018年 (ステレオ/ライヴ)

全曲盤CD

マリア・カラス,ミラノ・スカラ座 (1955年)

凄い迫力!雰囲気に飲まれるダイナミックな名盤
  • 名盤
  • 定番
  • 共感
  • 迫力

超おすすめ:

ソプラノマリア・カラス(アイーダ役)
指揮トゥリオ・セラフィン
演奏ミラノ・スカラ座合唱団&管弦楽団

1955年

マリア・カラスの録音は、息をのむくらい凄い演奏です。指揮のセラフィンはイタリアの巨匠で、マリア・カラスを発掘したことでも有名です。録音は1955年で古いですが、音はしっかり入っているため、リマスタリングで大分良くなっていると思います。ただこの演奏は、全曲に渡って、物凄く白熱した演奏で、マリア・カラスもその表現力を最大限に発揮していて、全4幕飽きずに聴ける凄みがあります。『アイーダ』は第3幕、第4幕が飽きやすいと言われていますが、この演奏では全くそんなことは感じられません。最後まで凄い集中力です。

さて、『凱旋行進曲』ですが、4つのトラックに分けて収録してあります。「エジプトに栄えあれ(合唱)」「凱旋行進曲」「バレエ」「来たれ、凱旋将軍よ (合唱)」です。他のオペラのDVDも同じだと思います。合唱の壮大な迫力、凱旋行進曲のトランペットの強奏、「来たれ、凱旋将軍よ (合唱)」の盛り上がり、どれを取っても凄い気合いの入った名演で、聴いていると圧倒されます。

マリア・カラスでの録音だから気合いが入っているのか、昔のイタリア・オペラはこれが普通だったのか?セラフィントスカニーニの次の世代ですが、トスカニーニは1926年にプッチーニの『トゥーランドット』を初演しています。セラフィンも生前のヴェルディやプッチーニに会ったことがあるかも知れませんね。

オペラDVD

レヴァイン=メトロポリタン歌劇場

広いメトロポリタン歌劇場の舞台を埋めつくす豪華な戦利品
  • 名盤
  • 定番
  • 華麗
  • ダイナミック

超おすすめ:

ソプラノアプリーレ・ミッロ
テノールプラシド・ドミンゴ
指揮ジェームズ・レヴァイン
演奏メトロポリタン歌劇場管弦楽団&合唱団

1989年10月,メトロポリタン歌劇場 (ステレオ/ライヴ)

レヴァインとメトロポリタン歌劇場の上演です。アイーダの凱旋のシーンと言えば、メトロポリタン歌劇場の演出が一番有名だと思います。一流の歌手陣に、歴史的なゴージャスな衣装と舞台セットで、本当に華麗な舞台です。メトロポリタン歌劇場の広い舞台をゴージャスな財宝が埋め尽くします。バレエ音楽のシーンもゴージャスです。もちろん、バレエも入っています。もちろん、アイーダ全編のストーリーも楽しめますし、日本語版は日本語字幕付きです。それで2000円いかないのでだから、コスパも素晴らしいです。

メータ=ミラノ・スカラ座 (2015年)

日本語字幕付き、ブルーレイ
  • 名盤
  • 定番
  • ダイナミック
  • 高画質

ソプラノクリスティン・レヴィス(アイーダ役)
テノールファビオ・サルトーリ(ラダメス役)
指揮ズービン・メータ
演奏ミラノ・スカラ座管弦楽団

2015年2月,ミラノ・スカラ座(ステレオ/ライヴ)

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楽譜・スコア

ヴェルディ作曲の歌劇『アイーダ』より『凱旋行進曲』の楽譜・スコアを挙げていきます。

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