新品と中古のCDがあったとします。どちらを買うのがお得なのでしょうか?それについて、確固たる情報も証拠もありませんが、中古ばかり買う人や中古を過剰に避ける人がいそうな気がしたので、少し調べつつ書いてみました。結果としては筆者の経験やイメージによるものが多くなりましたが、良ければ読んでみてください。
※新しい知識を得たら更新していく予定です。
中古CDの特徴
中古CDはどういったものなのか、書いてみたいと思います。
CDは劣化する
CDは「物」なので、時が経つにつれ段々劣化していきます。しかし「CDはデジタルのはず。デジタルデータは劣化しないのでは?」という意見もありそうです。確かに書籍の中古に比べると劣化しにくいかも知れませんが、劣化しない訳ではありません。
しかし書籍は書き込みがあろうと、汚れや破れがあろうと、実際は本文が読めれば新品と一緒です。CDは劣化しても再生できる状態なら、音質の変化が分かりにくいという特徴があります。
キズや汚れがあっても再生に支障はないかも知れません。ただ、CDプレイヤーで読み取りエラーになり、読み取れなかったデータは自動的に補完されます。すなわち音質は落ちてしまいます。
中古CDは、前の所有者が使っていたものなので、手が滑って落としたりすれば、大きな傷がついて音飛びの原因になります。ケースから取り出して再生すれば、微小なキズが付きます。ケースから取り出すときに大体CDは曲がりますが、それによって接着剤がはがれて湿気が入るとサビることすらあるんです。
音飛びが必ずあるなら、中古であっても不良品で分かり易いですが、CDプレイヤーにより異なります。劣化した状態で再生できれば逆に音質の低下につながります。ただ音質劣化が聴き取れるかどうかは、難しい所です。
中古CDは昔に製造されたもの
もう一つ、製造技術の進歩があります。特にブルーレイ・ディスクなどが開発され、それらの技術はCDの品質向上にも役立つため、CDも良くなってきています。CDは1980年ごろに普及し、もう40年です。10年経って工場の製造装置が入れ替われば、品質も大きく向上します。
昔のCDは、曲げに弱かったり、錆びやすかったりします。新しいCDは、素材が変わったりして対策が進んでいます。
CDのキズ
中古の場合、新品同様でない限り、ケースに傷があったり、解説書に汚れがあったりします。ただ、これらは音には関係しません。CD自体のキズは音質に大きな影響を及ぼします。前の所有者がどの位、きれいに使っていたかは分かりません。表面的にきれいに見えても劣化している場合もあります。特に前の所有者が良く聴いていたCDは、やはりキズや汚れが付きやすい、というか、付いています。ボックスで購入しても良く聴いたCDだけキズがついていることがあります。少なくとも全てが再生可能であることを確認してから中古で売れば良いのですが、中古の業者は目でキズや汚れを見るだけです。見えないキズや汚れは大抵あります。
データのCDとは異なる
CDにはパソコン用にデータを読みこませるものもあります。データ用は少しでも違うデータが読みこまれればエラーになります。しかし、読み込みに時間がかかるのは問題ありません。壊れたデータを検出したり、訂正する機能もあります。
音楽用CDは逆で、途中で音楽が止まる位なら、少し位エラーがあってもスキップしたり、修正したりして、そのまま再生する方式です。なので、データが少しくらい読みこめなくても再生できます。
その場合、音質の劣化となります。それが人間の耳で判別できるか?は難しい所ですが、オーディオ機器次第です。高級オーディオなら音質の劣化を聞き取れるかも知れません。安いものなら、ちょっとしたエラーでも音が飛びます。
新品にすべきか?中古でも良いか?
書いてきたようにCDは、いろんな要因で劣化するため、やはり新品が良いといえます。CDは意外に繊細です。特に値段が高いものは新品が良いです。音が飛んだ場合は、不良品として交換してくれる可能性もあります。音質の劣化の場合は中古ですし不良品扱いにはなりません。SACDハイブリットなどを買うなら断然新品をお薦めします。
人間の耳は案外良い
CDのスペックは人間の耳で聴こえる可聴域を参考に作られました。理屈でいえば、それ以上の高い音を入れても人間の耳では分からないはずでした。しかし、発売当時から「レコードより音が荒くなった」と感じた人は多く、CDが普及し始めてからもレコードを買い続ける人もいました。
そして、最近流行のSACDやハイレゾ音源は可聴域を大きく超える音を収録しています。はじめはちょっとした差だろうと思ったのですが、安めのスピーカーであっても十分音の差が感じられます。その変化は「音がリアル」ということです。理論的には聴こえにくい音域のはずなのに、何らかの理由で「音質」や「音色」に影響しているようなのです。
新品か中古か?
新品と中古を比較検討するならば、上述の理由で出来るだけ新品が良いです。中古だとダメ、ということではないです。入手困難な場合は中古でも仕方ないですし。中古は信頼できるお店で、アマゾンでいえば「新品同様」「非常に良い」とあるものを選んでください。あまり状態の悪いCDを買ってししまうと、後で新品に買い替えたくなるかも知れませんし。
このサイトでは、出来るだけ新品へのリンクを貼っています。特にタワーレコードやHMVは、割引やメンバー特典などで新品を安く購入でき、新品であってもかなり割引があります。楽天も新品へのリンクを貼っています。読者が良いCDと出会えるよう、結構頑張っています。
高音質が売りのCDは新品が良い
1990年代以降で、高音質で透明感のある録音の場合、ノイズが少しでもあると気になります。ラヴェルやドビュッシーなど色彩的なフランス物だったりすれば尚のことです。
ただ、1970年代よりも古いアナログ録音の場合は、グラモフォンやデッカなど、音質の良いレーベル以外は、中古でも大丈夫かも知れません。1960年代以前でリマスタリングされていなければ中古でも大丈夫な気がします。
具体的に書けば、カラヤン=ベルリンフィルは録音重視なので、特にグラモフォンの1980年代以降のCDを買うなら新品がいいですし、1960年代でも結構音質が良いので新品がお薦めです。
またベルリンフィルまたはシカゴ交響楽団で1990年代以降なら、高音質なので新品がお薦めです。ブレーズの1990年代以降のCDなら断然新品をお薦めします。デュトワ=モントリオール交響楽団のCDは、時代によらず新品がいいです。
1960年代より前の録音でも「リマスタリング」されていれば新品が良いです。
2000年代以降は大抵のレーベルが高音質なので新品をお薦めします。2010年以降の最近のCDは、物凄く透明感がある録音が多いので、新品がお薦めです。レーベルによってはさらに高音質で、日本のレーベルなら新品で高規格CD(SACDなど)が良いですね。
旧東ヨーロッパやソヴィエト時代のCDは、基本的に音質は元々良くないので中古でも大丈夫です。ただ、旧ソヴィエトのCDはケースが割れやすいものがあるので注意です。CDがまともに収納できない位、割れて壊れるので、紙ケースの方がむしろお薦めな位です。
DVDは多分中古でもOK
DVDは基本的に映像を観るので、映像の方に注意が行って、意外に音質が悪くても気になりにくいです。カラヤンの映像を音だけ聴いてみたら案外荒い演奏でも、映像と一緒に見ると凄く上手いように聴こえます。ゲルギエフ=マリインスキー劇場もその傾向がありますね。たまにDVDも映像が飛んだり再生不可能な場合があるので、新品に越したことはありませんけど。最近は新品も凄く安くなっています。
クラシックのオペラを観るにしても、映像はすぐに古くなってしまうため、1990年代の映像を今見るとかなり古く感じられます。DVDで出ている物は過去の名舞台が多いので、中古でもOKです。
単に運がいいのかも知れませんが、筆者は中古のDVDを買って映像が飛んだことがないです。逆に新品で1回だけ再生不可能なものを買ったことがあります。(そのため筆者にはDVDのほうがCDよりも丈夫なイメージがあります。)
最新の舞台を見るならブルーレイがお薦めです。画質が全然違います。ブルーレイの中古はあまり買ったことがないので、コメントできないです。