¶ホルストの「惑星」とプロコフィエフの「3つのオレンジへの恋」をカップリングした、個人的には名盤中の名盤です。私の中ではホルストの「惑星」と言えば、『ロリン・マゼール&フランス国立管弦楽団盤』か、『それ以外』か、という位置づけでもあります。古今東西様々な指揮者(オーケストラ)が「惑星」の演奏を行ってきました。ボールト、カラヤン、メータ、レヴァイン、ラトル、これら偉大な指揮者の「惑星」も『マゼール盤』の前では、『それ以外』と一括りにされてしまえそうです。
¶では、『マゼール&フランス国立管弦楽団の惑星』と『それ以外』の違いは何なのか?表現が適切か否か自信がありませんが、『マゼール盤』は繊細かつ大胆ということですかね。加えて好き嫌いのはっきり分かれる演奏であること言うことです。嫌いな人には本当に嫌な演奏であると断言できます。『マゼール盤』と『それ以外』を聴き比べて感じるのは、『マゼール盤惑星』は「火星」「天王星」の演奏のようにアーティキュレーションを過度に効かせてみたり、いろいろな仕掛けがあります。楽譜に捕らわれない自由度を持っているということです。―――多少やりすぎている感はありますが・・・。そういうところが好き嫌いの分かれ目なのでしょう。対して『それ以外』は楽譜が許容している範囲内での自由度で演奏しているということなのでしょう。―――念のために付記しておくと、であるからといって『それ以外』が十把一絡げで良くないと言っているわけではありません。良し悪しは個々の演奏に依ります。『ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団盤』は『マゼール盤』とは別の良さがあります。適切な表現か否かは分かりませんが計算しつくされた美しい演奏です。隙のない演奏といってよいでしょう。「海王星」はカラヤン&ベルリンフィル盤は凍てつくような透明感です。独壇場と言っても過言ではありません。
¶あと付記しておくならば、オケの弦も管も良い響きですね。オーディオ的にどうなのかは分かりませんが(そのあたりのことはマニアの諸子に任せてしまうとして・・・)、大変気持ちよく綺麗な音を鳴らしていると思いました。最近はフランス国立管弦楽団の名前を見たり聞いたりする機会もめっきり減ってきている様であり、この録音の頃が最盛期だったのかなとも思います。―――特に弦の響きは流麗ですね。
¶一聴の価値のある特別な演奏のCDということで★5つです。ロリン・マゼール指揮のCDは数多く手許に揃えているわけではありませんが、このCDは絶対に外せない1枚ですね。興味がある方は『それ以外』の安心して聞くことができる演奏の対極にある『マゼール盤惑星』を聴いてみてください。
¶最後に、このCDは「惑星」にだけ注目が集まってしまいがちですが、カップリング曲の「3つのオレンジへの恋」は洒落た感じの曲です。「惑星」を聴いた後に一服の清涼剤として聴くにはちょうど良い感じです。CDの選曲に作り手(マゼールもしくはプロデューサー)のセンスの良さを感じますね。そういった部分も含めて★五つCDであると思いました。
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仕様 | 価格 | 新品 | 中古品 |
CD, 2004/11/17
"もう一度試してください。" | 1枚組 |
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CD, 限定版, 2006/11/22
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曲目リスト
1 | 組曲「惑星」作品32 火星-戦争をもたらす者 |
2 | 組曲「惑星」作品32 金星-平和をもたらす者 |
3 | 組曲「惑星」作品32 水星-翼のある使者 |
4 | 組曲「惑星」作品32 木星-快楽をもたらす者 |
5 | 組曲「惑星」作品32 土星-老年をもたらす者 |
6 | 組曲「惑星」作品32 天王星-魔術師 |
7 | 組曲「惑星」作品32 海王星-神秘主義者 |
8 | 組曲「3つのオレンジへの恋」作品33bis 第1曲 変わりものたち |
9 | 組曲「3つのオレンジへの恋」作品33bis 第2曲 地獄の場面 |
10 | 組曲「3つのオレンジへの恋」作品33bis 第3曲 行進曲 |
11 | 組曲「3つのオレンジへの恋」作品33bis 第4曲 スケルツォ |
12 | 組曲「3つのオレンジへの恋」作品33bis 第5曲 王子と王女 |
13 | 組曲「3つのオレンジへの恋」作品33bis 第6曲 逃亡 |
商品の説明
内容紹介
近年、日本のJ-POPシーンでも有名になった「ジュピター」を含む組曲「惑星」と、近代ロシアのバレエ音楽の名作の一つ、プロコフィエフの「3つのオレンジへの恋」に、マゼールとフランス国立管弦楽団がかつてない新鮮な表現をうち立てた話題盤です。
<収録内容>
1ホルスト:組曲「惑星」作品32
2プロコフィエフ:組曲「3つのオレンジへの恋」作品33bis
ロリン・マゼール指揮
フランス国立管弦楽団&女声合唱団
録音:1981年 パリ
DSDマスタリング
メディア掲載レビューほか
近年、日本のJ-POPシーンでも有名になった「ジュピター」を含む組曲「惑星」と、近代ロシアのバレエ音楽の名作の一つ、プロコフィエフの「3つのオレンジへの恋」に、マゼールとフランス国立管弦楽団がかつてない新鮮な表現をうち立てた話題盤です。 (C)RS
登録情報
- 梱包サイズ : 14.2 x 12.5 x 1.2 cm; 90 g
- メーカー : SMJ
- EAN : 4547366471267
- 時間 : 1 時間 6 分
- レーベル : SMJ
- ASIN : B08J58PJSZ
- ディスク枚数 : 1
- Amazon 売れ筋ランキング: - 65,849位ミュージック (ミュージックの売れ筋ランキングを見る)
- - 3,186位交響曲・管弦楽曲・協奏曲
- カスタマーレビュー:
-
トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2023年6月12日に日本でレビュー済み
マゼールが『惑星』の各曲をしっかりと描き分けて演出した、素晴らしい録音です。
所々でストコフスキーを思い出させるような「あざとい」ところも顔を出しますが、全体的にはスタイリッシュにまとめています。
ここまでオーケストラを巧みに操ることができるとは、さすがマゼール。
フランスというラテン系の国のオーケストラが演奏しているというのも、一つポイントになっているかもしれません。どこか音に、機能性一辺倒ではない、「つや」とか「明るさ」としか表現しようのない、華やかさがあります。
演奏については他のレビュアーの方々が熱く語っていらっしゃるので、私はこれくらいにして、その他のことを二点ほど。
一つは目は、ジャケットについてです。
岩崎 一彰による天体画がすばらしい! 土星をその衛星のティテスから眺めた風景画ですが、土星の迫力とリアリティーがたまりません!
LPを購入して部屋に飾っておきたいほどです。
クラシック系レコード会社の方々にとってはどうでもいいことかもしれませんが、組曲『惑星』のジャケットって、時々いい加減なものが見受けられます。
「惑星」って言ってるのに、銀河だったり、星空だったり、星雲だったり。「惑星状星雲」が堂々とジャケットになっているものもあります。宇宙ならなんでもいいと思っているようです。
「ホルストは天文学の惑星ではなく、占星術の惑星にインスパイアされて組曲『惑星』を書いたのだから、どうでもいいのでは?」とおっしゃる方もいるでしょう。しかし、それならなおさら銀河や星空や星雲は不自然です。
ジャケットは音盤の顔。レコード会社はこの音盤くらい粋なジャケットを目指していただきたいものです。
そして二つ目は、おまけ曲についてです。
マゼールの組曲『惑星』には、しばしばプロコフィエフの組曲『3つのオレンジへの恋』がカップリングされています。
が、これが宇宙の彼方へと幽玄に消えゆく『惑星』のエンディングをブチ壊しです!
ギャグかと思うほどです。
そこで私は『オレンジ』が入っていない『惑星』だけのこの音盤を探して購入しました。
プロコフィエフは好きな作曲家ですが…マゼールの『オレンジ』もすごい演奏なのですが…やっぱり『惑星』の余韻に浸りきって終わりたいのです!
レコード会社からすればサービスで『オレンジ』を入れたのでしょうが、あまりに雰囲気が異なる曲を当ててくるのはいかがなものかと思います。
海外盤では、ラベルの『ボレロ』がおまけになっていることが多いようです。
『火星』の変5拍子「タタタ・タン・タン・タタ・タン」が延々繰り返されるのを聴いてラベルは『ボレロ』のヒントを得たという逸話がありますから、まだ『ボレロ』ならありだと思います。
「タン・タタタ・タン・タタタ・タンタン、タン・タタタ・タン・タタタ・タタタ・タタタ」と、静か〜に始まりますしね。(水戸黄門の主題歌じゃないですよ。)
ま、停止ボタンを押したり、プログラム再生で『惑星』のみにしておけばすむことなのですが…。
言わずにはいられない二点を言わせていただきました。
あ〜スッキリしたっと。
所々でストコフスキーを思い出させるような「あざとい」ところも顔を出しますが、全体的にはスタイリッシュにまとめています。
ここまでオーケストラを巧みに操ることができるとは、さすがマゼール。
フランスというラテン系の国のオーケストラが演奏しているというのも、一つポイントになっているかもしれません。どこか音に、機能性一辺倒ではない、「つや」とか「明るさ」としか表現しようのない、華やかさがあります。
演奏については他のレビュアーの方々が熱く語っていらっしゃるので、私はこれくらいにして、その他のことを二点ほど。
一つは目は、ジャケットについてです。
岩崎 一彰による天体画がすばらしい! 土星をその衛星のティテスから眺めた風景画ですが、土星の迫力とリアリティーがたまりません!
LPを購入して部屋に飾っておきたいほどです。
クラシック系レコード会社の方々にとってはどうでもいいことかもしれませんが、組曲『惑星』のジャケットって、時々いい加減なものが見受けられます。
「惑星」って言ってるのに、銀河だったり、星空だったり、星雲だったり。「惑星状星雲」が堂々とジャケットになっているものもあります。宇宙ならなんでもいいと思っているようです。
「ホルストは天文学の惑星ではなく、占星術の惑星にインスパイアされて組曲『惑星』を書いたのだから、どうでもいいのでは?」とおっしゃる方もいるでしょう。しかし、それならなおさら銀河や星空や星雲は不自然です。
ジャケットは音盤の顔。レコード会社はこの音盤くらい粋なジャケットを目指していただきたいものです。
そして二つ目は、おまけ曲についてです。
マゼールの組曲『惑星』には、しばしばプロコフィエフの組曲『3つのオレンジへの恋』がカップリングされています。
が、これが宇宙の彼方へと幽玄に消えゆく『惑星』のエンディングをブチ壊しです!
ギャグかと思うほどです。
そこで私は『オレンジ』が入っていない『惑星』だけのこの音盤を探して購入しました。
プロコフィエフは好きな作曲家ですが…マゼールの『オレンジ』もすごい演奏なのですが…やっぱり『惑星』の余韻に浸りきって終わりたいのです!
レコード会社からすればサービスで『オレンジ』を入れたのでしょうが、あまりに雰囲気が異なる曲を当ててくるのはいかがなものかと思います。
海外盤では、ラベルの『ボレロ』がおまけになっていることが多いようです。
『火星』の変5拍子「タタタ・タン・タン・タタ・タン」が延々繰り返されるのを聴いてラベルは『ボレロ』のヒントを得たという逸話がありますから、まだ『ボレロ』ならありだと思います。
「タン・タタタ・タン・タタタ・タンタン、タン・タタタ・タン・タタタ・タタタ・タタタ」と、静か〜に始まりますしね。(水戸黄門の主題歌じゃないですよ。)
ま、停止ボタンを押したり、プログラム再生で『惑星』のみにしておけばすむことなのですが…。
言わずにはいられない二点を言わせていただきました。
あ〜スッキリしたっと。
2013年5月26日に日本でレビュー済み
Amazonで購入
華やかでいて、芳醇。すばらしい演奏。音もいい!
万人にお勧めできる。定番です。
万人にお勧めできる。定番です。
2014年12月31日に日本でレビュー済み
高校生の時に、『惑星』にハマり、以降多くの演奏を聴いてきました。昔LPで愛聴していたこのアルバムを久しぶりにCDで買い直して聴いたわけですが、こんなに凄い演奏だったということを確認しました。当方も齢を重ね、耳もある程度肥えてきましたが、こんなに迫力のある演奏が収められていたわけですね。ロリン・マゼールは理知的な指揮という印象があったのですが、それは当方の思い違いでした。破壊的な荒々しい指揮ぶりでした。
第1曲の「火星 戦争をもたらす者」を聴いてまず驚きました。音の鳴り方が違うので、慌ててミニチュアのスコアを引っ張りだして聴き直したほどです。演奏も4分5拍子のリズムの強調は当然ですが、この楽章のラストのティンパニーも含めてのtuttiの箇所フォルテが4つ標記してある箇所(7分13秒以降)は圧巻でした。7分38秒のフェルマータの破壊力は半端ではありません。金管の咆哮を堪能しました。ある種の原始的な野蛮さを持って襲いかかってきて、生理的な気持ち良さを生みだしていました。このくらいの荒々しさがこの曲の本質を表すのでしょう。少々の音の外れはこの際無視しました。
第2曲の「金星 平和の神をもたらす者」でのヴァイオリンのソロやホルン・木管の音色が甘く美しく旋律を奏でるのが聴き取れます。イギリスの作曲家で調性を重んじるホルストですが、この転調を重ねて、印象派のように音を万華鏡のように変化させることによって色彩豊かな光沢を生み出しています。
個人的には、火星から金星の接続する際の変化が好みで、この演奏は気に入りました。弦の艶やかさや木管の抜けもよく録音も優れていました。なにしろ各楽器の分離が明確でしたから。パーカッションの細かい音まで明確に拾っており、『惑星』にこんなパートがあったのだということを知るぐらいに新たな発見をした録音です。
第3曲の「水星 翼のある使者」のアンサンブルもいいですね。速いパッセージをものともせず、一糸乱れずに指揮者の棒について行くという感じでしょうか。
第4曲の「木星 快楽をもたらす者」でも、金管をビックリするほど鳴らしていました。2分56秒から始まる中間部の有名なテーマは、優雅に演奏してあり、弦の音色は艶やかで厚みがあり華麗でした。個人的にはもう少しテンポを落とす方が好みですが、前へ進むエネルギーが伝わってきます。
ホルストはイギリスの民謡を数多く採譜して人ですが、郷愁を誘う様なメロディ・メイカーですから、世界中の人に愛されました。理想的な「木星」の演奏でした。華やかさや煌びやかさ、そしてダイナミックレンジの限界までオケを鳴らしていますので、大音量で聞けば部屋の空間が音に包まれる宇宙的とも言えるサウンドを体験できると思います。確かに派手な演奏ですが、美しくクライマックスへと鮮やかに駆け上っていきました。
「土星 老年をもたらす者」もスコアを片手に聴きました。不思議な和声の展開が少しずつ好みへと変化する年齢に差し掛かったようです。地味な楽章ですが、各楽器の奏者の腕前がくっきりと見えてしまうという恐ろしい音楽構成になっています。ここでは弦楽器の豊かで色彩が伝わる演奏を聴くことが出来ました。ホルストのオーケストレーションの巧さでしょうか。楽器の使用も変化に富み、その楽曲の良さを引き出しているマゼールの力量も伝わってきます。
「天王星 魔術師」でも魅力的な音楽が展開されていました。スコアをみれば4分6拍子でした。気が付きませんでした。ホルンを始め、金管楽器は良く鳴っています。これくらい派手に演奏しないと面白くありません。
「海王星 神秘主義者」では難しいダブル・コーラスは上手く神秘的に歌っていました。スコアを見ながら聴きましたが、音程も正確でこの不協和音の織りなす宇宙の深遠さを見事に表現していました。この女声合唱のパートは大変難しいのですが、曲の雰囲気をよく醸し出しています。
カップリングのプロコフィエフ作曲の組曲『3つのオレンジへの恋』は、これまでほとんど聴いたことがなかったので省略させていただきます。
第1曲の「火星 戦争をもたらす者」を聴いてまず驚きました。音の鳴り方が違うので、慌ててミニチュアのスコアを引っ張りだして聴き直したほどです。演奏も4分5拍子のリズムの強調は当然ですが、この楽章のラストのティンパニーも含めてのtuttiの箇所フォルテが4つ標記してある箇所(7分13秒以降)は圧巻でした。7分38秒のフェルマータの破壊力は半端ではありません。金管の咆哮を堪能しました。ある種の原始的な野蛮さを持って襲いかかってきて、生理的な気持ち良さを生みだしていました。このくらいの荒々しさがこの曲の本質を表すのでしょう。少々の音の外れはこの際無視しました。
第2曲の「金星 平和の神をもたらす者」でのヴァイオリンのソロやホルン・木管の音色が甘く美しく旋律を奏でるのが聴き取れます。イギリスの作曲家で調性を重んじるホルストですが、この転調を重ねて、印象派のように音を万華鏡のように変化させることによって色彩豊かな光沢を生み出しています。
個人的には、火星から金星の接続する際の変化が好みで、この演奏は気に入りました。弦の艶やかさや木管の抜けもよく録音も優れていました。なにしろ各楽器の分離が明確でしたから。パーカッションの細かい音まで明確に拾っており、『惑星』にこんなパートがあったのだということを知るぐらいに新たな発見をした録音です。
第3曲の「水星 翼のある使者」のアンサンブルもいいですね。速いパッセージをものともせず、一糸乱れずに指揮者の棒について行くという感じでしょうか。
第4曲の「木星 快楽をもたらす者」でも、金管をビックリするほど鳴らしていました。2分56秒から始まる中間部の有名なテーマは、優雅に演奏してあり、弦の音色は艶やかで厚みがあり華麗でした。個人的にはもう少しテンポを落とす方が好みですが、前へ進むエネルギーが伝わってきます。
ホルストはイギリスの民謡を数多く採譜して人ですが、郷愁を誘う様なメロディ・メイカーですから、世界中の人に愛されました。理想的な「木星」の演奏でした。華やかさや煌びやかさ、そしてダイナミックレンジの限界までオケを鳴らしていますので、大音量で聞けば部屋の空間が音に包まれる宇宙的とも言えるサウンドを体験できると思います。確かに派手な演奏ですが、美しくクライマックスへと鮮やかに駆け上っていきました。
「土星 老年をもたらす者」もスコアを片手に聴きました。不思議な和声の展開が少しずつ好みへと変化する年齢に差し掛かったようです。地味な楽章ですが、各楽器の奏者の腕前がくっきりと見えてしまうという恐ろしい音楽構成になっています。ここでは弦楽器の豊かで色彩が伝わる演奏を聴くことが出来ました。ホルストのオーケストレーションの巧さでしょうか。楽器の使用も変化に富み、その楽曲の良さを引き出しているマゼールの力量も伝わってきます。
「天王星 魔術師」でも魅力的な音楽が展開されていました。スコアをみれば4分6拍子でした。気が付きませんでした。ホルンを始め、金管楽器は良く鳴っています。これくらい派手に演奏しないと面白くありません。
「海王星 神秘主義者」では難しいダブル・コーラスは上手く神秘的に歌っていました。スコアを見ながら聴きましたが、音程も正確でこの不協和音の織りなす宇宙の深遠さを見事に表現していました。この女声合唱のパートは大変難しいのですが、曲の雰囲気をよく醸し出しています。
カップリングのプロコフィエフ作曲の組曲『3つのオレンジへの恋』は、これまでほとんど聴いたことがなかったので省略させていただきます。
2011年11月4日に日本でレビュー済み
マゼールがベルリンフィルの音楽監督の推薦にもれて激怒したという有名な話、
マゼールの才能は認めますが、策士策に溺れる的録音が多すぎますね。
せっかくマゼールのパフォーマンスが生かせる「惑星」ですが、
一度単発で買い処分、マゼールの30枚入りディスクで聴き直したものの、
やはり随所にミスもあり、どうもいただけない演奏です。
ストコフスキー以来、スコアをいじり音楽を自分のモノとした指揮者は
一時期の人気はあっても、復刻盤なども少なく廉価盤でやっと買ってもらえる。
その点、ベルリンフィルがアバドを選出したのはさすがプロと改めて思いました。
このディスク、木星の最後パーカッションが外れてるのがものすごく痛いです。
マゼールの才能は認めますが、策士策に溺れる的録音が多すぎますね。
せっかくマゼールのパフォーマンスが生かせる「惑星」ですが、
一度単発で買い処分、マゼールの30枚入りディスクで聴き直したものの、
やはり随所にミスもあり、どうもいただけない演奏です。
ストコフスキー以来、スコアをいじり音楽を自分のモノとした指揮者は
一時期の人気はあっても、復刻盤なども少なく廉価盤でやっと買ってもらえる。
その点、ベルリンフィルがアバドを選出したのはさすがプロと改めて思いました。
このディスク、木星の最後パーカッションが外れてるのがものすごく痛いです。
2005年4月27日に日本でレビュー済み
この曲を知ったのはKing Crimsonが演奏していたから。
彼らの演奏はかなり激しかったので、彼らなりのアレンジだろうと思って
いたが、このアルバムを聞いたらそうでもなく元々が激しかった。
ジャケットにあるがごとく雄大な太陽系惑星を迫力ある音で表した作品。
ロック好きな人や、聞かず嫌いの人に聞いてもらいたい。
彼らの演奏はかなり激しかったので、彼らなりのアレンジだろうと思って
いたが、このアルバムを聞いたらそうでもなく元々が激しかった。
ジャケットにあるがごとく雄大な太陽系惑星を迫力ある音で表した作品。
ロック好きな人や、聞かず嫌いの人に聞いてもらいたい。
他の国からのトップレビュー

Paul 316
5つ星のうち5.0
INTIMATE PLANETS,GREAT SOUND
2015年12月16日に英国でレビュー済みAmazonで購入
EXCELLENT PLANETS VERSION,EARLY DIGITAL RECORDING, BUT A1, THIS IS THE REVIEW OF JAP-CD WHICH HAS DSD REMASTERING, AND WELL DONE TOO! STANDARD REMASTER SOUNDS GOOD,THIS EVEN MORE SO.THE READING OF THIS WORK BY MAAZEL IS VERY INTIMATE,MARS BUILDS UP TO AN AWESOME SOUND, THE NEXT TO LAST TRAK OF THE PLANETS ON THE CLIMAX NEAR END WILL MAKE YOU SMILE! THE SOUND IS AMAZING,THIS IS A GREAT PLANETS,NEGLECT AT YOUR PERIL!