レヴァインがオーケストラ曲を欧米で盛んに録音していた、1989年6月シカゴでの録音。
まず、録音が今聴いても非常に良い。
演奏は、バルトークの冷ややかな感触は、殆ど感じられない。
しかし、レヴァイン好きには、このバルトークは応えられないぐらい魅力に溢れている。
神経質にならず、親しみやすく、歌いまくったバルトークである。
ハンガリー出身のバルトークと全然趣きが違って、これだけ聞き手に心地よい緊張感を与えて聴かす指揮者は、
カラヤン以外に思いつかない。
先日、メトロポリタンで「ナブッコ」(2017年1月7日公演)を指揮していたが、痛々しいほど老いていた。
音楽は、停滞する事なく進んでいたが、明らかに往年の輝きは聴こえて来なかった。
しかし、ここに聴くバルトークは、全盛時代のレヴァインを聴くことが出来る。
根っからの劇場指揮者、ジェームス・レヴァインに興味のある方、大推薦の演奏である。