このディスクがLPで発売された1970代に購入した思い出があります。今回最新リマスターと高音質CDの新たな装いで登場したCDは臨場感溢れる音場ときらびやかな音の饗宴とで見違えるようになっていました。マルティノンはOrchestre National とドビュッシー管弦楽曲全集、Orchestre de Parisとラベル管弦楽曲全集をレコーディングしており、どちらも歴史的名演と絶賛されています。そんな中で今回は、名作「寄港地」以外は滅多に演奏されないか、或いは初録音の知名度の低い曲目とのカップリングで総体的に地味なディスクといえましょう。しかし、どの曲でも洗練の極みと、フルートのアラン・マリオンをはじめとする管楽器の名技を楽しむ境地は、フランスの名指揮者とフランスの名門オケとの組合せでしか 味わえない至福の時といえましょう。この録音からときを経ずしてマルティノンは亡くなりました。このコンビでの録音をもっと残して欲しかった!