好きな曲はいろんな指揮者で聴いてみたくなるもの。私もそのご多分にもれない1人。ドヴォ8は所有しているディスクの中でも聴く頻度は高い。現在所有しているのはセル/クリーブランド管、ノイマン/チェコフィル、エリシュカ/札幌響とこのスウィトナー/シュターツカペレ・ベルリンの4枚。他にジュリーニ、アバド、カラヤン、小澤征爾などを過去に聴いたが私には合わなかった。で、私なりに気に入った演奏の上記4枚だけを手元に残してある。
その中でいちばんよく聴くのがスウィトナー盤。スウィトナーらしい飄々としたけれん味のない演奏だが、主題、展開部などにメリハリを効かせ、全体的にはつらつとした印象を受ける。第1楽章、第4楽章はまさにそれが生きている。特に第4楽章、トランペットの序奏の後のチェロによる第1主題、ここはゆっくりとしたテンポでチェロの朗々とした音色を聴かせるべき。せかせかしたら興醒めだ。
スウィトナーはゆったりしたテンポで主題を聴かせ、そうする事でその後始まる、テンポが速くなる展開をワクワクした期待をいだかせる。ノイマンもこれに近い演奏。セルは3楽章までは絶品だと思ったが、4楽章がせかせかして私はいただけない。エリシュカは第2楽章が特に秀逸。また、札幌響の演奏が素晴らしく、世界の名だたるオーケストラにもひけを取らない名演だ。 SHM-CDだけあってディスクの音質も良い。
ドヴォ8にロマンティシズムを求めるなら、私はこのスウィトナー盤を真っ先におすすめしたい。秋を感じさせるような、ボヘミアの哀愁と言うべきものを最もよく表現した名演である。
併録の7番も絶品。ノイマン盤と甲乙付けがたい名演だと思う。