ベーム/ウィーン・フィルのブラームス1番交響曲ハ短調では、75年ライヴ(NHKホール)が、とかく高い評価を得ています。ベームのライヴは、確かに魅力がありますよね。この曲は他に、ベルリン・フィルと59年にステレオ録音をしています。あっちこっち手にして、ようやくの辿り着きです。この3枚では、ベームの指揮に、殆ど変化はなく、差となれば、管弦楽の音質と録音・再生技術、になりましょうか。
音質は歳の所為か、硬く重いベルリン・フィルより、柔らかく伸びやかなウィーン・フィルを取ります。この曲自体にも、適っていると思います。また75年ライヴは、臨場感はあっても、音に明瞭さを欠く印象で、結局この盤となりました。
ベームは、構えのしっかりしたところと、演奏への向かい様や気概が好ましく、拘りの中での選択でした。