ブリュッヘン指揮18世紀オーケストラの、充実したモーツァルト。
古楽器によるモーツァルトの交響曲といえば、ホグウッドとガーディナーとノリントンも優れていますが、
繊細なホグウッド、シャープなガーディナー、先鋭的なノリントンに対して、ブリュッヘンはダイナミックさに特徴があります。
「パリ」の第1楽章は、生気に満ちた演奏。ティンパニが力強い。
第2楽章は、速めのテンポでチャーミングに。
第3楽章は、なめらかでしなやか。落ち着きがある。
「ハフナー」の第1楽章は、やや遅めのテンポでじっくり攻める。高級さがある。
第2楽章は、ウエットな情感が素晴らしい。
第3楽章は、力強さとチャーミングさのバランスが良い。
第4楽章は、祝祭的な雰囲気が良く出ている。丁寧な演奏。
「リンツ」の第1楽章は、明るく明快だが、深みがある。
第2楽章は、エレガントさが際立つ。明暗の交錯が見事。
第3楽章は、気品を感じさせる。トリオが優美。
第4楽章は、速いテンポで、力強くエネルギッシュ。
「皇帝ティートの慈悲」序曲は、重みのある名演。遅めのテンポでじっくりと歌い抜く。
聴いていて本当に楽しいし、多くの新鮮な発見があるディスクです。