メディア掲載レビューほか
ジョージ・セルが46年から手塩にかけて一流オーケストラに育て上げたクリーヴランド管弦楽団との名演が、マスター・サウンドDSDマスタリングで蘇る。没後30周年特別企画。
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)
セルの芸術が久しぶりに再発売となった。セルというと“硬い”というイメージが世間では強い。確かに、シュトラウスのワルツなどは3拍子のリズムが機械のように刻まれるが、たとえば「こうもり」序曲の中間部の柔らかいオーボエと、それに続く暖かいチェロを聴いていると、セルが決して“硬さ”だけを追求してなかったことに気がつく。「英雄」だってそれほど固くはないし、「グレート」も硬さよりはオーケストラを清潔に磨き上げた美しさにひかれる。また、どれかひとつ、という人にはモーツァルトの交響曲第39、40番を薦めておこう。オーケストラの、本当に隅の隅まで整備、清掃が行なわれているのはほかの曲と同様だが、わずかにクリーム色の混じった白色の衣装で統一されたような爽快さは、まさにセルの真骨頂。なお、過去に出ていた音源はリマスターされており(この音は未確認)、国内初CD化、世界初CD化の音源も含まれているものもある。 (平林直哉) --- 2000年08月号 -- 内容 (「CDジャーナル・レビュー」より)