キリル・コンドラシン指揮モスクワ・フィルによるショスタコーヴィチの交響曲全集からの分売。テンポ設定はやや速め、裂帛の気合いで
畳み掛けてゆく、ヘヴィでパワフル、気宇壮大な演奏である。コンドラシンの荒ぶる魂の咆哮が聴き手を圧倒せずにはおかない。それでい
て決して粗雑ではなく、細部のデリケートなニュアンスへの目配せもキッチリなされている。当時のソ連の国策レーベル、メロディアの録音
技術があまり高くなかったせいもあって音質はいま一つだが、それをもってしても星五つを付けるべき名盤である。1975年、モスクワでの録音。