プロコフィエフ(1891-1953)

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CD 輸入盤

交響曲全集 キタエンコ&ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団(5CD)

プロコフィエフ(1891-1953)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
C7190
組み枚数
:
5
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

プロコフィエフ:交響曲全集(5CD)
キタエンコ&ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団


ドミトリー・キタエンコは1940年にレニングラードに生まれたロシアの指揮者。キタエンコのプロコフィエフといえば、1980年代におこなったメロディアへの一連の交響曲録音や、クライネフとのピアノ協奏曲全集の録音が有名です。それらの演奏は、キタエンコがプロコフィエフの作品解釈に関して第一級の人物であることを証明していましたが、この交響曲全集は、最近の演奏会における彼のプロコフィエフ演奏が、いかに高水準なものであるか如実に示した素晴らしい仕上がりとなっています。
 音源は、CD化を前提に2005年から2007年にかけてライヴ録音されたもので、全曲一貫してプロデューサーはイェンス・シューネマンが、エンジニアはクラウス・ヴァッハシュッツが担当しており、優秀で安定したサウンド・クオリティが確保されているのがポイントです。
 これはオーケストレーションの凝ったプロコフィエフ作品の鑑賞には非常に有利な条件といえ、過激な第2番から多彩な第5番にいたるまで、キタエンコならではの克明な音楽づくりを細部まで味わうことが可能です。録音会場となったケルンのフィルハーモニーの美しい響きが全体の雰囲気を良いものにしてくれているのも朗報と言えるでしょう。
 キタエンコ指揮するケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団の演奏は、ショスタコーヴィチの交響曲全集でも高い評価を得ていましたが、プロコフィエフの諧謔性や機知との相性も抜群です。
 『古典交響曲』と名付けられた交響曲第1番では、第1楽章と第4楽章での軽やかでリズミカルな走句から、芝居っ気たっぷりな第2楽章での濃厚な表情まで実に雄弁。
 ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第32番の構造を意識し、バリバリのモダニズムで過激にオーケストレーションされた交響曲第2番は「鉄とはがねでつくられた」作品としても知られています。キタエンコは激しい第1楽章では各素材を埋もれさせることなく表出し、うるさいだけがこの曲の魅力ではないことを示します。ライヴ録音とはとても思えないサウンドの充実ぶりが圧倒的で、第2楽章の各変奏の描き分けが陰影豊かなのもさすがと言えます。
 オペラ『炎の天使』の素材を駆使して書かれた交響曲第3番では、メリハリの効いたダイナミズムに加え、第3楽章での弦楽13声部によるスケルツォの面白さも存分に引き出しているのが見事。
 大幅な改訂が加えられた交響曲第4番については、ここではシンプルなオリジナル版と饒舌な改訂版の両方を収録。交響曲第6番作曲後、オリジナル版のほぼ1.5倍の規模に拡大された改訂版は、さまざまな素材が追加されていることから、プロコフィエフ自身が「この曲は実際には私の第7交響曲と呼ぶことができる」と述べています。キタエンコの演奏は、プロコフィエフが敢えて音を詰め込んだ理由をわからせてくれる共感に満ちたもので、バレエ『放蕩息子』の素材を多用した作品構成のユニークさ、音響のごった煮的な面白さを強烈なサウンドを交えながら解き明かして行きます。
 交響曲第5番はキタエンコも得意としている人気作だけに、どこをとっても表情豊かで高い完成度を示しています。録音も優れており、第1楽章コーダもすごい迫力です。
 交響曲第6番は作曲者の第2次世界大戦への思いを描いたともいわれる傑作。キタエンコはめまぐるしい曲調の変化を十分な重みを持って描いており、それがかえって複雑で微妙な心理の変化のように感じさせる良さがあります。
 交響曲第7番は明快で親しみやすい作品。キタエンコは落ち着いた雰囲気で旋律を歌わせ、響きを巧みにコントロール、随所で示される平明な旋律美と和声が、プロコフィエフ晩年の心境を教えてくれるかのようです。なお、終楽章コーダは弱音終止ヴァージョンの方を採用しています。(HMV)

【収録情報】
プロコフィエフ:交響曲全集

Disc1
● 交響曲第1番ニ長調 作品25『古典交響曲』
● 交響曲第7番嬰ハ短調 作品131
Disc2
● 交響曲第2番ニ短調 作品40
● 交響曲第3番ハ短調 作品44
Disc3
● 交響曲第4番ハ長調 作品47[オリジナル版]
● 交響曲第4番ハ長調 作品112[改訂版]
Disc4
● 交響曲第5番変ロ長調 作品100
Disc5
● 交響曲第6番変ホ短調 作品111

 ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団
 ドミトリー・キタエンコ(指揮)

 録音時期:2005-2007年
 録音場所:ケルン、フィルハーモニー
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

収録曲   

ディスク   1

  • 01. Allegro
  • 02. Larghetto
  • 03. Gavotte: Non Troppo Allegro
  • 04. Finale: Molto Vivace
  • 05. Moderato
  • 06. Allegretto
  • 07. Andante Espressivo
  • 08. Vivace

ディスク   2

  • 01. Allegro Ben Articolato
  • 02. Theme
  • 03. Variation 1
  • 04. Variation 2
  • 05. Variation 3
  • 06. Variation 4
  • 07. Variation 5
  • 08. Variation 6 and Theme
  • 09. Moderato
  • 10. Andante
  • 11. Allegro Agitato - Allegretto
  • 12. Andante Mosso - Allegro Moderato

すべての収録曲を見る >

総合評価

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7.1chに変換して聴いた 皆さんがご指摘の...

投稿日:2018/03/31 (土)

7.1chに変換して聴いた 皆さんがご指摘のように大太鼓を芯に据えた圧倒的な低音部が小さなリスニングルームを揺すぶった 分離の良い中音部の透明感を最重要と嗜好するわたしは震え上がった だが心地好いのだ そこに混濁がないからだ 録音の優秀さを称えるべきだろうが 元々その志向を持たない演奏では叶わないこと キタエンコの耳より資すべきものはない チャイコフスキーの演奏で確信はしていたが見事なプロコフィエフだ マルティノンのフランス風エスプリが効いた演奏から入ったもので ロシア的とかドイツ的とかには食い足りないものを感じてきた 様々な演奏を聴いてきたがラインスドルフに敬服した記憶しかない だからずっと待っていた ストンと腑に落ちる演奏に出会える日を キタエンコ&GOKの演奏はまた聴きたくなる一つだ 1番7番は違和感を拭えなかったが 作品番号40番台の三曲は堪能した プロコフィエフの音楽性のほぼ全てが語り尽くされているように思う 5番6番は申し分のない音楽であり演奏となった 大好きな6番に酔いしれたことは言うまでもない そして何よりの収穫は第4番の改訂版だ プロコフィエフがその出来に自信を持っていたことを初めて納得する秀演 わたしの中では初めて初版を凌駕した また朋に奨めなくては あなたも如何   

風信子 さん | 茨城県 | 不明

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うち2曲はライブ録音。重厚かつ軽快でドラ...

投稿日:2016/06/19 (日)

うち2曲はライブ録音。重厚かつ軽快でドラマティック。作品の持つ物語性がよく出ていて。ぐいぐい引き込む演奏の連続である。音質も優秀。非常に良い。

saitaman さん | 埼玉県 | 不明

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全曲を通して優れた演奏だと思うのだが、 ...

投稿日:2016/06/11 (土)

全曲を通して優れた演奏だと思うのだが、 ところどころ、あれっ?!というところでつまづきがある。 打楽器がちょっと遅れたり、金管が引っかかる部分がある。 その点では、小澤のほうが安心して聴ける。

abbadondon さん | 栃木県 | 不明

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