バレエ『ガイーヌ』、『スパルタクス』、『仮面舞踏会』の演奏会用組曲から有名曲を抜粋・配列した企画CD です。
かの有名なチャンバラ曲を筆頭に、武闘あり、舞踏あり、ロマンスあり、哀愁ありと、さまざまな表情を持つ曲が次から次へと登場!
その様はまるで映画のサントラのよう。バレエごとにくくらず、曲調に応じて自由に配列していたら、立派なサントラになってしまうことでしょう。
どの曲も非常にドラマチックにできていて、約80分があっという間でした。
ハチャトゥリアンのバレエ音楽ハイライト集はすでに何枚も CD がリリースされていますが、肝心のお気に入り曲が入っていなかったり、選曲が一つのバレエに集中していたり…。
そこで私は、以下の4つの条件を立てて、CD を探しはじめました。
[1] 3つのバレエがそこそこ均等に収録されていること
[2]『ガイーヌのアダージョ』が収録されていること
(『2001年宇宙の旅』でディスカバリー号での生活が淡々と続くシーンの曲)
[3]『仮面舞踏会』の『ワルツ』と『マズルカ』が収録されていること
[4] 同一の指揮者とオーケストラによる演奏であること
(録音条件も同一だとさらによし)
この4条件を満たしている CD はなかなかなく、唯一見つけられたのがこの CD でした。
特に 『ガイーヌのアダージョ』は、ガイーヌの全曲録音以外ではあまりお目にかかりません。映画のおかげでかなり有名になった曲であるにも関わらず、です。
その点、この CD は満足のいく選曲になっています。
それもそのはず、André Anichanov: St Petersburg State Symphony Orchestra による、3バレエの演奏会用組曲の全曲録音からの抜粋だからです。
これは同一指揮者&オケによる全曲録音をものにしている Naxos ならではの好企画です。
企画モノといえば、Naxos は「幻想魔神ハチャトゥリアン ─ ダークヒーロー風クラシック名曲集」なんていうCDを出していましたねー。
網羅しているレパートリーの広さを活かして、今後も企画CD をどんどん出していただきたいです。