流麗にして雄弁、レーグナー独自のブルックナーの名演(宇野功芳)
ブルックナー:交響曲 第7番 ホ長調(原典版)
ハインツ・レーグナー指揮ベルリン放送交響楽団
録音:1983年5月、8月 ベルリン放送局大ホール
●既発売の「第9」のすばらしい名演だったが、今回の「第7」も実に美麗である。
また曲自体、ある意味では最もレーグナーの音楽に似合っている、といえるだろう。
(中略)(フィナーレでの)テンポの雄弁な変化はここでもより大きな効果を発揮しており、曲想に応じて自在に使い分けられ、
その語りかけの見事さは言語に絶するほどだ。加えてリズムの敏感さと最高の音彩美が力となり、
時に応じて金管をおごそかに朗々と強奏し、しかも音楽がいつも箴言として鳴っている。
これこそがブルックナーの演奏を成功させる秘密なのだ。(宇野功芳)(ライナーノーツより)