非常に安定したバランスと高いクオリティで演奏されていて、素晴らしい演奏だと思う。
アンチェル、ノイマン、クーベリックなどの伝説的名演により、この曲の録音はチェコフィルの独壇場にも思えるが、これもその一連の伝統の中に含まれるべきものである。チェコフィルの演奏で同曲を聴くと、他の演奏がいかに研ぎ澄まされた技術やで演奏していても、それがごつごつと固い張りのように感じてしまうほどに感じる。
クーベリックの魂に訴えかけるような演奏やノイマンの心に沁みる演奏のちょうど中間くらいというような位置づけに感じる。巨匠的なスケールの演奏というよりは、冒頭のハープから最後のフィナーレに至るまで各テーマを丹念に真面目に奏であげ、しなやかさも光る演奏でみずみずしく、大変共感する。この名曲のお手本ともなるべき演奏だと感じた。