鮮やかな音質で甦ったトスカニーニの名演盤 『今回、XRCD24の画期的なリマスタリング・テクニックによって甦った当盤所収の演奏を耳にして、第1に感じたのは、既出の通常盤よりも、各楽器の表情がさらに潤い豊かになった点である。それは、《イタリア》第1楽章の381小節(トラック1:5分05秒~)からのように、フルート、クラリネット、ヴィオラ、チェロが、互いに生き生きと絡み合いながら、手応えに富んだアンサンブルを紡いでいく箇所をはじめ、オーケストラの強奏時にも及んでいる。したがって、鮮烈なエネルギー感を保ちながらも、通常盤に比べて余裕のある響きが確保されており、トスカニーニは強圧的で硬直気味だ、という誤ったイメージを払拭するにたるサウンドが確保されているのである。』―満津岡信育(ライナーノーツより)