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最初からフルスロットルで極寒の冷気を浴びせられ、それが息をつかせぬ圧力で最後の楽章まで続きます。
整然と整いきった恐ろしささえ感じるアンサンブル、感情的な様子は極限まで抑制されているのに何故か伝わってくる魂の叫びのような音楽。悲鳴が過ぎ去ると絹糸をよりあわせたような繊細なメロディが囁きのように流れていってしまい、まるで幻を見たような気にさせられる。
極限まで正確に演奏する。突き詰め過ぎればそれは機械的演奏とも言えるんでしょうが、生身の人間たちがこれを、しかもライブでやっている(時々入る会場のノイズがライブであることを思い出させてくれて逆にゾッとする)。
何言ってんのって感じですけど言葉に直すとこんなふうにしかならないんですよ……何度聴いても音が流れ出した途端に、部屋の中は暗く重い旧ソ連の空気です。没入感がすごい。こんなもの生で聴いていたら聴き終わったところで茫然自失だろうなぁ。
もっと歌っけのある、ドラマチックな演奏が好きだという方もいると思いますが、時代含めた旧ソ連時代のひとつの到達点はこの演奏なんじゃないでしょうか。
あっという間の約44分半。よくぞこんな貴重な演奏が録音されて残っているものです。時代を考えても、ちゃんと残そうとした人たちがいたからこそ今聞けるわけで、大感謝です。
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