ハチャトリアンと言えばスパルタカス〜ガイーヌなどが有名で、名演奏も多いですが、この盤に収録されている作品は、どちらかと言うとマイナーな作品です。特に仮面舞踏会は、ワルツの出だしから
なみなみならない作品だと感じられるでしょう。フランス物のワルツと違い、何処か薄暗く・重たい感じがするワルツの旋律は一度聴くと麻薬のように頭の中に残る事でしょう。この暗さ、おどろおどろしさは、やはり演奏するペテルヴルグオーケストラとA・アニチノフの指揮によるところが大きいです。先にも申し上げたように、当作品も含めて録音盤が少ないですが、この盤は作者本人が指揮した盤以外では、ベスト中のベスト盤と申せましょう。