ショスタコーヴィチ(1906-1975)

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CD 輸入盤

森の歌、ステパン・ラージンの処刑、我が祖国に太陽は輝く パーヴォ・ヤルヴィ&エストニア国立交響楽団

ショスタコーヴィチ(1906-1975)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
2564616666
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


ショスタコーヴィチ:ステパン・ラージンの処刑、我が祖国に太陽は輝く、森の歌
パーヴォ・ヤルヴィ&エストニア国立交響楽団


CDや映像作品がリリースされるごとに話題となるパーヴォ・ヤルヴィは、ショスタコーヴィチでも高水準な演奏を聴かせてきました。シンシナティ響と交響曲第10番、フランクフルト放送響とピアノ協奏曲集とチェロ協奏曲第1番を録音したほか、近々ロシア・ナショナル管との交響曲第7番『レニングラード』も発売されることが決定するなど盛り上がっていたところに今回のリリース情報、しかも初の声楽作品です。
 ヤルヴィはソ連時代のエストニアに1962年に誕生し、生地タリンで学んだのち渡米してカーティス音楽院で指揮を習得、アメリカ国籍も得て世界的に活躍する実力派スター指揮者。
 今回、スターリン礼賛でも名高い親しみやすく迫力あるカンタータ『森の歌』や『我が祖国に太陽は輝く』、そしてロマノフ王朝に楯突く盗賊団の首領の両手両足を切断し、頭を切り落として処刑するというシニカルで凄味のある『ステパン・ラージンの処刑』を演奏するのは、EUの一員として今やすっかり西側化したヤルヴィの祖国エストアニアのオーケストラとコーラスです。
 かつてソ連政府のプロパガンダ音楽として受容された『森の歌』という視点にこだわることなく、ヤルヴィは音楽としての価値、面白さを追求し、昂揚感のある合唱作品として改めて作品の魅力を呈示しているかのようです。なお、ヴァージョンはヤルヴィの生年と同じ1962年に改訂された一般的な改訂版を用いています。


【ステパン・ラージンの処刑】
1964年作曲。船上から捕虜のペルシャの姫をヴォルガ川に投げ入れて殺すと歌う物騒なロシア民謡「ステンカ・ラージン」でもおなじみのステパン・ラージンは、17世紀、ロマノフ王朝初期に実在したコサック人(ステンカはステパンのあだ名)。
 ラージンは、盗賊団の首領として大規模な海賊行為を繰り返し、ペルシャの民衆なども大量虐殺、ロシアの政府にも反逆し、農奴制を廃した貴族と官吏のいない平等な国をつくると謳って多くの人々を巻き込んで戦闘をおこないますが、やがて装備の勝る政府軍に敗北して捕えられ、公開の場で両手、両足を切断ののち、頭を切り落として処刑されます。
 交響曲第13番『バビ・ヤール』でショスタコーヴィチと意気投合した若い詩人、エフゲニー・エフトゥシェンコ[1933- ]が書き上げた巨大な水力発電所のための詩の中の一つの章である「ステパン・ラージンの処刑」は、このステパン・ラージンの最後の姿、刑場に連行され刑を執行されるまでの様子を描いたもので、ショスタコーヴィチの音楽も『バビ・ヤール』に一脈通じる雰囲気をもったものとなっています。
 題材的には、ロマノフ王朝時代の政府に対して反旗を翻した人物の処刑ということもあってか、ソ連政府からは特に睨まれることも無く、1964年に無事初演され、1968年にはグリンカ賞すら受賞していました。
 作品は、モスクワの広場にラージンが引かれてくるところから始まります。野次馬たちがラージンに唾を吐きかけて罵ると、集まった民衆たちがどよめくという場面は独特の迫力があり、やがてラージンの独白を受け、民衆が、唾を吐きかけているのは自分自身に対してではないかと自問するところや、警官が登場して民衆に対し、ラージンの刑執行を祝うよう迫るあたり、そして刑執行からエンディングまでの緊迫感など、ショスタコーヴィチの筆致も冴え渡っています。
 ちなみにもとの詩が含まれる「ブラーツク発電所」は、世界最大級の発電所で、その建造準備のために大きな役割を果たしたバム鉄道の工事にはシベリア抑留者の日本人も強制的に参加させられ、多くの命が失われていることでも知られています。

【我が祖国に太陽は輝く】
1952年作曲。『森の歌』と同じく、社会主義リアリズム的な内容を表現した作品。少年合唱も活躍する聴きやすい合唱作品です。

【森の歌】
1949年作曲。前年のジダーノフ批判による待遇の悪化、作曲家生活の危機を回避するために書かれた、社会主義リアリズム的でわかりやすい壮大な作品。
 第1曲「戦争が終わったとき」、第2曲「祖国を森で覆わせよう」、第3曲「過去の思い出」、第4曲「ピオネールは木を植える」、第5曲「コムソモール(青年団)は前進する」、第6曲「未来の散歩道」、第7曲「栄光」という流れの起伏の大きな音楽により、合唱の持つ独特の迫力、昂揚感を感じさせてくれます。ロシア的旋律、勇ましい行進曲調、可愛らしい少年合唱など、映画音楽などでも鍛え抜かれたショスタコーヴィチの多彩な筆致を楽しむことができます。(HMV)

【収録情報】
ショスタコーヴィチ:
● カンタータ(バラード)『ステパン・ラージンの処刑』 Op.119
● カンタータ『我が祖国に太陽は輝く』 Op.90
● オラトリオ『森の歌』 Op.81

 コンスタンティン・アンドレイエフ(テノール)
 アレクセイ・タノヴィツキ(バス)
 エストニア・コンサート合唱団
 ナルヴァ少年合唱団
 エストニア国立交響楽団
 パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)

 録音時期:2012年4月18-20日
 録音場所:エストニア・コンサート・ホール
 録音方式:ステレオ(デジタル/ライヴ)

収録曲   

  • 01. The Execution of Stepan Razin, Op. 119 (Live)
  • 02. The Sun Shines Over Our Motherland, Op. 90 (Live)
  • 03. The Song of the Forests, Op. 81: I. the War Ended in Victory (Bass, Chorus) - Live
  • 04. The Song of the Forests, Op. 81: II. We Will Clothe Our Homeland with Forests (Boys Chorus) - Live
  • 05. The Song of the Forests, Op. 81: III. Memories of the Past (Bass, Chorus) - Live
  • 06. The Song of the Forests, Op. 81: IV. the Pioneers Plant the Forests (Boys Chorus) - Live
  • 07. The Song of the Forests, Op. 81: V. the People of Stalingrad Go Forth (Chorus) - Live
  • 08. The Song of the Forests, Op. 81: VI. a Walk Into the Future (Tenor, Chorus) - Live
  • 09. The Song of the Forests, Op. 81: VII. Glory (Tenor, Bass, Boys Chorus, Chorus) - Live

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「わたしの交響曲は墓碑である」という“証言”の中の言葉によって象徴されるショスタコーヴィチの音楽と生涯への価値観の変質は、今もって盛んな議論と研究、演奏解釈によって再認識過程の最中にあるとも言えますが、作品によってはすでに演奏年数も75年に及び、伝統と新たな解釈の対照がごく自然におこなわれてきているとも言えそうです。 圧政と戦争の象徴でもあったソビエト共産主義社会の中に生き、そして逝ったショスタコ

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