SACD

Sym, 9, : Harnoncourt / Vpo +fragment Of 4th Movement

ブルックナー (1824-1896)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
BVCC34121
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
日本
フォーマット
:
SACD
その他
:
CD付き, ライブ盤, ハイブリッド

商品説明

ブルックナー第9 初演100周年記念!
アーノンクール&ウィーン・フィルによる刺激的名演!

アーノンクールのテルデックからの移籍第1弾は、新全集版スコアを用いたウィーン・フィルとのブルックナー「第9」で、同ヴァージョンによる録音はこれが世界初。しかも未完の第4楽章フラグメント演奏と、アーノンクール自身による解説トークまで収録。オーケストラの楽器配置は第2ヴァイオリン右側の両翼型で、コントラバスは後列左側、チェロは中央左寄り、ヴィオラが中央右寄りに置かれています。

第3楽章クライマックスの凄まじい迫力に仰天!
演奏は細部まで徹底して解釈し尽くされた一分の隙もない見事なもので、複数の動機が集まって巨大な姿となる第1楽章第1主題部からその切り立った厳しいサウンドに驚かされますが、続く経過部分(ピツィカート)での思い切った強調表現も刺激十分。第2主題部では、立体感豊かによくうたう内声が音楽に微妙な陰影を与えて美しい抒情に結実しています。第3主題もメリハリに富むアーティキュレーションが、この部分本来の律動的な性格を意識させてかえって新鮮。
 第2楽章はきわめて立体的なピツィカートと大迫力のトゥッティが織り成すコントラストが強烈。微細なアゴーギクも効果的です。
 第3楽章は第1主題部の雄大なスケール感と、続く経過部分での遅いテンポによるコラール「生からの告別」が印象的ですが、驚くのは第2主題部で、ピツィカートを伴うエピソード・ブロックでの急激なテンポ・アップは、それまでの遅いテンポとは別世界の風景を見せてくれるかのようです。しかしなんといっても凄いのはやはり再現部後半のクライマックスでしょう。ただでさえ濃密な音のするウィーン・フィルのトゥッティですが、ここでは容赦のないティンパニ連打と過激なトランペット吹奏がその緊迫した響きをさらに迫力あるものにしているのです。

ブルックナーの「第9」第4楽章フラグメント、世界初録音
ブルックナーの交響曲第9番は、1887年から1894年にかけて第1楽章から第3楽章まで完成されながら、1896年の作曲者の死によって、未完の交響曲として残されています。
 未完の第4楽章には、さまざまな段階のスケッチが残されていますが、1983年に始まる「完成」の試みと並行して、オリジナルなスケッチの形としても校訂作業がおこなわれ、まずヨアフ・タルミ指揮オスロ・フィルによって1985年にレコーディングされます。
 その後、第4楽章復元版にも名を連ねるジョン・A・フィリップスが残存するあらゆる資料を精査・整理して校訂を終えた結果、第4楽章のうち約4分の1はオーケストレーションが施されており、それ以外の断片についても、再現部のほぼ終わりまでカバーしたものとなっています。
 同ヴァージョンは、1999年12月にアーノンクール指揮ウィーン交響楽団によって初演され、日本でも、2001年9月、フランダース・フィル来日公演の一環として、ベンヤミン=グンナー・コールスの指揮と解説によって披露されています。
 アーノンクールは、第4楽章のフラグメントを演奏するだけでなく、自らの言葉で解説を加えています。このスタイルは、近年ベルリン・フィルとの演奏会などでも実践され話題を呼んでいるGesprochskonzetそのものであり、演奏に際して必ず原典(作曲者の草稿、初版譜など)に立ち帰るというアーノンクールの音楽への取り組みの根本的姿勢を示しています。


第1楽章から第3楽章までは、新クリティカル・エディションによる世界初録音
第1楽章から第3楽章までは、第4楽章の補筆完成版の制作に携わった音楽学者の一人、ベンヤミン=グンナー・コールス(Benjamin-Gunnar Cohrs 1965- )校訂による「ブルックナー協会版全集」の一環として2001年に出版された新クリティカル・エディションを使用した世界で初めての録音となっています。
 従来のオーレル版、ノーヴァク版に代わるものとして、誤植の修正作業のほか、自筆譜以外の資料にもあたって綿密な校訂が施されており、ブルックナーの意図をより細かい点で実現したものといえます。原典にこだわる、いかにもアーノンクールらしい選択です。

[収録曲]
[Disc-1](71分24秒)
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 WAB 109〜第4楽章(フラグメント、ジョン・A・フィリップス編)
〜アーノンクールによる語りとともに 
(1)ドイツ語版(演奏18分00秒+語り18分07秒)
(2)英語版(演奏17分58秒+語り17分25秒)

[Disc-2](58分50秒)
ブルックナー:交響曲第9番 ニ短調 WAB 109(ベンヤミン=グンナー・コールス校訂)
(1)第1楽章 荘重に、神秘的に(24分02秒)
(2)第2楽章 スケルツォ(10分29秒)
(3)第3楽章 アダージョ。ゆっくりと、荘重に(23分53秒)

[演奏]
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
指揮:ニコラウス・アーノンクール

[録音]
2002年8月14,15,17日 ザルツブルク、祝祭大劇場でのライヴ・レコーディング(2002年ザルツブルク音楽祭より)

[仕様]
Disc1=通常CD
Disc2= SACD 5.0ch(ハイブリッド仕様) 通常CDプレーヤーで再生可能

アーノンクールのスピーチの翻訳と、コールスによる詳細な解説の翻訳が掲載されています。

内容詳細

RCA移籍第1弾となった第9番が、SACDハイブリッド仕様盤を加えての2枚組。新全集版を使い、未完に終わった第4楽章の断片も収録するなど、大きな話題をさらった。アーノンクールの解説も収録された画期的な録音。(CDジャーナル データベースより)

収録曲   

ディスク   1

  • 01. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのアーノンクールの語りとウィーン・フィルの演奏によるワークショップ・コンサート 「100年もの間、この交響曲のフ
  • 02. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのアーノンクールの語りとウィーン・フィルの演奏によるワークショップ・コンサート 第4楽章断片資料:第1小節~第27
  • 03. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのワークショップ・コンサート 「最後の方でトランペットが極端な不協和音を奏でていることにお気づきになられたかと思い
  • 04. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのワークショップ・コンサート 「展開部の後で、荒々しいフーガが始まります」
  • 05. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのワークショップ・コンサート 第4楽章断片資料:第279小節~第342小節
  • 06. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのワークショップ・コンサート 「ブルックナーは、ここで恐ろしい死の光景を思い描いていたのだと思います」
  • 07. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのワークショップ・コンサート 第4楽章断片資料:第343小節~第478小節
  • 08. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのワークショップ・コンサート 「このあとにも16小節欠落しています。この部分に関する説明はつきません」
  • 09. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのワークショップ・コンサート 第4楽章断片資料:第479小節~第510小節/第511小節~第526小節
  • 10. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのワークショップ・コンサート 「100年もの間、この交響曲のフィナーレが存在しないと思われていたのはなぜしょうか
  • 11. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのワークショップ・コンサート 第4楽章断片資料:第1小節~第278小節
  • 12. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのワークショップ・コンサート 「最後の方でトランペットが極端な不協和音を奏でていることにお気づきになられたかと思
  • 13. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのワークショップ・コンサート 「展開部の後で、荒々しいフーガが始まります」
  • 14. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのワークショップ・コンサート 第4楽章断片資料:第279小節~第342小節
  • 15. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのワークショップ・コンサート 「ブルックナーは、ここで恐ろしい死の光景を思い描いていたのだと思います」
  • 16. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのワークショップ・コンサート 第4楽章断片資料:第343小節~第478小節
  • 17. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのワークショップ・コンサート 「このあとにも16小節欠落しています。この部分に関する説明はつきません」
  • 18. 月から降ってきた石のような~ブルックナーの交響曲第9番ニ短調 第4楽章(未完)についてのワークショップ・コンサート 第4楽章断片資料:第479小節~第510小節/第511小節~第526小節

ディスク   2

  • 01. 交響曲第9番ニ短調 WAB109::I. Feierlich; misterioso
  • 02. II. Scherzo. Bewegt; lebhaft - Trio. Schnell - Scherzo da capo
  • 03. III. Adagio. Langsam; feierlich

総合評価

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数ある4楽章の演奏の中で、これが最も好き...

投稿日:2012/06/08 (金)

数ある4楽章の演奏の中で、これが最も好きだ。未完なので唐突に演奏が中断するが、他者の演奏では感じられないブルックナーの遺言「未完の際は、テ・デウムを」の言葉の意図を感じることができる。ラトルの新録も大分良いとは思うが、ブルックナーではない人間か音符を連ねている以上懐疑的な部分があることは否めないし、演奏も今一歩。アーノンクールがこのような素晴らしい録音を残してくれたことに感謝したい。

爺さん さん | 千葉県 | 不明

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演奏、録音ともケチのつけられないほどに立...

投稿日:2011/07/14 (木)

演奏、録音ともケチのつけられないほどに立派なのだけれど、なぜかそこに感動が伴わない。CD1枚目が未完の第4楽章の研究発表(断片的な演奏、指揮者による解説付き)になっているため、そちらに引きずられてしまったのだろうか。どこか客観的で冷めており深みのない表面的な演奏のように感じられる。さて、第4楽章のフラグメントについてだが、ウィーン・フィルによってここまで立派に具現されているのを聴くといっそ補筆完成版で聴かせて欲しかったと思わずにはいられない。が、しかし未完を未完のまま取り扱ったアーノンクール氏を誰が責められよう。

S.A.倉田 さん | 滋賀県 | 不明

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下記レビューと感想が異なるが、個人的には...

投稿日:2008/01/15 (火)

下記レビューと感想が異なるが、個人的にはアーノンクールならばもっと面白いアプローチが可能だったような気がする。申し訳ないが退屈に感じてしまって繰り返し聴く気分にはならない。未完の第4楽章をここまでしてくれたのは本当に興味深い。

徳力 さん | 東京都 | 不明

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人物・団体紹介

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ブルックナー (1824-1896)

1824年:オーストリアのアンスフェルデンでヨーゼフ・アントン・ブルックナー誕生。 1845年:聖フローリアン修道院の助教師に就任。 1856年:リンツ聖堂及び教区教会のオルガン奏者に就任。 1866年:交響曲第1番完成。 1868年:音楽大学の教授に就任。 1869年:交響曲第0番完成。 1872年:交響曲第2番完成。 1873年

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