ボレロは、期待通りの凄い演奏。オーケストラ音楽、録音の極地を示しているといっても良い位。
牧神の午後、この演奏、全く期待していなかったのだが、繰り返す聴くうちに、愛着が沸き、ベスト盤?と思うまでになってしまった。
誠実で自然な音楽運び、決して雑さを見せず、力任せではないオケ。ニュアンスにも不足しないので、単調さもなく、木管楽器も深い音色を聴かせるし、弦の厚みも気持ちよい。
ドナルド・ペックと思われるフルートソロは、華やかさもなく、多めのヴィブラートも気になったが、聴き返すと、このちょっと不安定な、ストレートでない、物憂げな表情が、逆にいいのでは?と思えて来たから不思議だ。
繰り返し聴いてイヤにならないこの録音。これは、素晴らしい。