純粋にこれを聞いた感想だけを述べると、「興奮させてくれる」全集であることは間違いありません。初めてベートーヴェンの交響曲全集を買うかたの選択肢のひとつとして考えて損はないと思います。
やれオーケストラの伝統やら、過去の巨匠がどんな演奏をしたなどということを比べたり考慮に入れてCDを選ぶ必要はなく、ようは、買った人がどれだけ満足出来るか否かが問題なのであります。
少なくとも私はこの全集中、違和感を感じたのは「第九番」だけです。理由は合唱とラトルの演出が、私の感覚と合わなかったというだけで、管弦楽部分についてはエキサイトさせられました。他の交響曲は、弦楽、木管、金管共に本当に興奮させてくれました。特にティンパニーのトチ狂った演奏は特筆すべきでしょう。
特に第二番、これは絶品です。
先入観のない純なクラシックファンにはお薦めです。
ベートーヴェン:交響曲全集5CD
カート・ストレイト
(アーティスト),
トーマス・ハンプソン
(アーティスト),
バーバラ・ボニー
(アーティスト),
ビルギット・レンメルト
(アーティスト),
ベートーヴェン
(作曲),
サイモン・ハルゼイ
(指揮),
サイモン・ラトル
(指揮),
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
(演奏)
&
5
その他 形式: CD
仕様 | 価格 | 新品 | 中古品 |
CD, 限定版, 2003/3/19
"もう一度試してください。" | 限定版 |
—
| — | ¥2,618 |
CD, 2006/12/13
"もう一度試してください。" | 5枚組 |
—
| — | ¥3,740 |
CD, 2006/12/13
"もう一度試してください。" | 5枚組 |
—
| — | ¥6,990 |
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曲目リスト
ディスク: 1
1 | 交響曲 第1番 ハ長調 作品21 第1楽章 アダージョ・モルト~アレグロ・コン・ブリオ |
2 | 交響曲 第1番 ハ長調 作品21 第2楽章 アンダンテ・カンタービレ・コン・モト |
3 | 交響曲 第1番 ハ長調 作品21 第3楽章 メヌエット&トリオ アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ |
4 | 交響曲 第1番 ハ長調 作品21 第4楽章 アダージョ~アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ |
5 | 交響曲 第3番 変ホ長調 作品55 「英雄」 第1楽章 アレグロ・コン・ブリオ |
6 | 交響曲 第3番 変ホ長調 作品55 「英雄」 第2楽章 葬送行進曲 アダージョ・アッサイ |
7 | 交響曲 第3番 変ホ長調 作品55 「英雄」 第3楽章 スケルツォ&トリオ アレグロ・ヴィヴァーチェ |
8 | 交響曲 第3番 変ホ長調 作品55 「英雄」 第4楽章 フィナーレ アレグロ・モルト~ポコ・アンダンテ~プレスト |
ディスク: 2
1 | 交響曲 第2番 ニ長調 作品36 第1楽章:アダージョ・モルト~アレグロ・コン・ブリオ |
2 | 交響曲 第2番 ニ長調 作品36 第2楽章:ラルゲット |
3 | 交響曲 第2番 ニ長調 作品36 第3楽章:スケルツォ&トリオ アレグロ |
4 | 交響曲 第2番 ニ長調 作品36 第4楽章:アレグロ・モルト |
5 | 交響曲 第5番 ハ短調 作品67 「運命」 第1楽章:アレグロ・コン・ブリオ |
6 | 交響曲 第5番 ハ短調 作品67 「運命」 第2楽章:アンダンテ・コン・モト~ピウ・モート~テンポ・プリモ |
7 | 交響曲 第5番 ハ短調 作品67 「運命」 第3楽章:アレグロ~ |
8 | 交響曲 第5番 ハ短調 作品67 「運命」 第4楽章:アレグロ~プレスト |
ディスク: 3
1 | 交響曲 第4番 変ロ長調 作品60 第1楽章:アダージョ~アレグロ・ヴィヴァーチェ |
2 | 交響曲 第4番 変ロ長調 作品60 第2楽章:アダージョ |
3 | 交響曲 第4番 変ロ長調 作品60 第3楽章:メヌエット:アレグロ・ヴィヴァーチェ トリオ:ウン・ポコ・メノ・アレグロ |
4 | 交響曲 第4番 変ロ長調 作品60 第4楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ |
5 | 交響曲 第6番 ヘ長調 作品68 「田園」 第1楽章:田舎に着いた時の愉快な気分(アレグロ・マ・ノン・トロッポ) |
6 | 交響曲 第6番 ヘ長調 作品68 「田園」 第2楽章:小川のほとり(アンダンテ・モルト・モッソ) |
7 | 交響曲 第6番 ヘ長調 作品68 「田園」 第3楽章:田舎の人々の楽しい集い(アレグロ~センプレ・ピウ・ストレット~イン・テンポ・ダレグロ~テンポ・プリモ~プレスト~) |
8 | 交響曲 第6番 ヘ長調 作品68 「田園」 第4楽章:雷とあらし(アレグロ~) |
9 | 交響曲 第6番 ヘ長調 作品68 「田園」 第5楽章:牧歌。あらしのあとの喜びと感謝(アレグレット) |
ディスク: 4
1 | 交響曲 第7番 イ長調 作品92 第1楽章:ポコ・ソステヌート~ヴィヴァーチェ |
2 | 交響曲 第7番 イ長調 作品92 第2楽章:アレグレット |
3 | 交響曲 第7番 イ長調 作品92 第3楽章:プレスト~アッサイ・メノ・プレスト |
4 | 交響曲 第7番 イ長調 作品92 第4楽章:アレグロ・コン・ブリオ |
5 | 交響曲 第8番 ヘ長調 作品93 第1楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ・エ・コン・ブリオ |
6 | 交響曲 第8番 ヘ長調 作品93 第2楽章:アレグレット・スケルツァンド |
7 | 交響曲 第8番 ヘ長調 作品93 第3楽章:テンポ・ディ・メヌエット |
8 | 交響曲 第8番 ヘ長調 作品93 第4楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ |
ディスク: 5
1 | 交響曲 第9番 ニ短調 作品125 「合唱」 第1楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ・エ・ウン・ポコ・マエストーソ |
2 | 交響曲 第9番 ニ短調 作品125 「合唱」 第2楽章:モルト・ヴィヴァーチェ~プレスト |
3 | 交響曲 第9番 ニ短調 作品125 「合唱」 第3楽章:アダージョ・モルト・エ・カンタービレ~アンダンテ・モデラート~テンポ・プリモ~アンダンテ・モデラートテンポ・プリモ~ステッソ・テンポ |
4 | 交響曲 第9番 ニ短調 作品125 「合唱」 第4楽章:プレスト~アレグロ・アッサイ~ |
5 | 交響曲 第9番 ニ短調 作品125 「合唱」 第4楽章:プレスト~レチタティーヴォ~アレグロ・アッサイ~アレグロ・アッサイ・ヴィヴァーチェ(アラ・マルチア)~アンダンテ・マエストーソ~アダージョ・マ・ |
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トップレビュー
上位レビュー、対象国: 日本
レビューのフィルタリング中に問題が発生しました。後でもう一度試してください。
2010年9月29日に日本でレビュー済み
あまりにも軽い演奏で驚き、かつ幻滅した。曲そのものもオーケストラも超一流だからそれなりの演奏にはなるが、如何せん指揮が下手すぎる。5番など、曲によっては恐ろしいハイテンポで飛ばしている。またライヴ録音にも拘わらず、会場の雰囲気がまったく感じられないのも減点の対象だ。もしかしたらラトルが下手なだけでなく、最近の商業録音の歪みがモロに露呈しているのかもしれない。そうであれば、以前から心あるリスナーから危惧されていたクラシック音楽の終焉だ。
2006年12月4日に日本でレビュー済み
ラトルのベートーヴェンは最近流行の古楽器アプローチを採用しかなり自由奔放に演奏されている。
例えば、5番運命の弦楽器のアーティキュレーションは生き生きしているし、金管楽器の華やかさ、木管の細やかさなどは筆舌に尽くしがたい。
この演奏に賛否両論があることは否めないものの、往年のウィーン・フィルのサウンドにラトルらしさが加わった逸品である。
例えば、5番運命の弦楽器のアーティキュレーションは生き生きしているし、金管楽器の華やかさ、木管の細やかさなどは筆舌に尽くしがたい。
この演奏に賛否両論があることは否めないものの、往年のウィーン・フィルのサウンドにラトルらしさが加わった逸品である。
2015年8月10日に日本でレビュー済み
これはなかなかいい音源です。
最初は、うーんどうなんだ? と思いましたが、運命の最終楽章とかすごい希望に満ちた演奏です。
あとやっぱり古い音源ではなかなか聞こえない音がよく聞こえますね。
よわく鳴るフルートとか。弦のピチカートとかはとくに。
お勧めです。
最初は、うーんどうなんだ? と思いましたが、運命の最終楽章とかすごい希望に満ちた演奏です。
あとやっぱり古い音源ではなかなか聞こえない音がよく聞こえますね。
よわく鳴るフルートとか。弦のピチカートとかはとくに。
お勧めです。
2009年8月27日に日本でレビュー済み
最初は、「重くて厚ぼったい」(とはいえ、フルトヴェングラー等の「重厚」さからすれば「軽い」のだが)と思った。私は、かつては「フルトヴェングラーこそ最高」と思っていたが、トスカニーニで快速テンポのベートーヴェンに目覚め、さらにガーディナーのピリオド・オケでの演奏にはまって、颯爽とした快速演奏がすっかり感覚的に染み付いてしまった。そのせいもあり、またラトルということでついそうした演奏を期待していたせいもあって、予想外に「重くて厚ぼったい」演奏と感じたのだ。しかも、響きだけでなく、対向配置やリズムやアクセントの明確化などピリオド演奏を参照しながらも、テンポが必ずしもさほど快速でなかったり、ウィーン・フィルのまろやかな音色がかえって鋭角的になりきっていない感じをもたらしたりして、そうした印象になったのである。
だが、アーノンクールやP.ヤルヴィなどの小編成モダン・オケでの演奏は、良いとは思うが、ピリオド・オケと聴き比べると、やはりピリオド楽器の音色の方に魅力を感じる。一方で、そうした小編成モダン・オケの演奏をこのラトル盤と比べると、ウィーン・フィルの独特の音色がなんとも捨てがたい魅力に感じられてくる。
そもそもモダン・オケで演奏すること自体、ベートーヴェンの作った曲の忠実な再現ではありえない。それなら、ピリオド・アプローチが普及してきた現在、従来の「巨匠風」演奏へのアンチテーゼとしてピリオド風味を多分に入れて小編成で明確に新鮮さを出すのも、全く違うものと開き直って大編成モダン・オケを鳴らしまくり重厚壮大な演奏を繰り広げるのも、ピリオドと大編成モダンの両方の要素を取り入れて折衷的な現代版ベートーヴェン演奏を作り出すのも、「あり」だ。このラトル盤は最後のタイプと割り切ってしまえば、この全集は十分魅力がある。(ウィーン・フィルの美音をたっぷり鳴らした第二のタイプの演奏は、将来ティーレマンあたりに期待しよう。)
今では、この演奏は、「巨匠風」代表フルトヴェングラー盤や「ピリオド」代表ガーディナー盤とともに、「折衷主義」代表として、私が度々聴く演奏の一角を成している。
だが、アーノンクールやP.ヤルヴィなどの小編成モダン・オケでの演奏は、良いとは思うが、ピリオド・オケと聴き比べると、やはりピリオド楽器の音色の方に魅力を感じる。一方で、そうした小編成モダン・オケの演奏をこのラトル盤と比べると、ウィーン・フィルの独特の音色がなんとも捨てがたい魅力に感じられてくる。
そもそもモダン・オケで演奏すること自体、ベートーヴェンの作った曲の忠実な再現ではありえない。それなら、ピリオド・アプローチが普及してきた現在、従来の「巨匠風」演奏へのアンチテーゼとしてピリオド風味を多分に入れて小編成で明確に新鮮さを出すのも、全く違うものと開き直って大編成モダン・オケを鳴らしまくり重厚壮大な演奏を繰り広げるのも、ピリオドと大編成モダンの両方の要素を取り入れて折衷的な現代版ベートーヴェン演奏を作り出すのも、「あり」だ。このラトル盤は最後のタイプと割り切ってしまえば、この全集は十分魅力がある。(ウィーン・フィルの美音をたっぷり鳴らした第二のタイプの演奏は、将来ティーレマンあたりに期待しよう。)
今では、この演奏は、「巨匠風」代表フルトヴェングラー盤や「ピリオド」代表ガーディナー盤とともに、「折衷主義」代表として、私が度々聴く演奏の一角を成している。
2004年1月23日に日本でレビュー済み
~ 「あの」ウィーンフィルにモダン・ピリオドをやらせてしまった。しかも、新しい楽譜(原典に近いという点ではより古いわけですが)を使わせてしまった。これだけで星4つに値すると思う。以上、ってなわけにもいかないか…。
覇気はある、迫力はある、リズムもある。第9はシュプレッヒ・シュティンメまで登場する。
~~
でも、モダン・ピリオドでやったベートーヴェンなら、ノリントンとシュトゥットガルトの方が成功してるんじゃないかと、個人的には思う。ただ単に、「年季が違う」とも言えるかも知れないが、ラトル盤では、モダンな演奏とピリオドな演奏が時々交代する。意図的にやっているのかな、とも思うが、それがこなれているように聴こえないこともある。
~~
もう一度繰り返すが、ウィーンフィルがここまでやってしまったところに、今という時代を感じる。
~~
でも、ラトルのベートーヴェンは、これが最終形ではないのではないか。ブラッシュアップの途上なのではないかと思わずにはおれない。ベートーヴェンを「現代の生きた音楽」として提示するためには、奏法がモダンであろうがピリオドであろうが何だって良い。もちろん折衷型であっても悪くないのだが、ライト兄弟の「フライヤー号」のように、「実験中」のイ~~メージはどうしてもぬぐえない。
ただし、非常に面白いです。~
覇気はある、迫力はある、リズムもある。第9はシュプレッヒ・シュティンメまで登場する。
~~
でも、モダン・ピリオドでやったベートーヴェンなら、ノリントンとシュトゥットガルトの方が成功してるんじゃないかと、個人的には思う。ただ単に、「年季が違う」とも言えるかも知れないが、ラトル盤では、モダンな演奏とピリオドな演奏が時々交代する。意図的にやっているのかな、とも思うが、それがこなれているように聴こえないこともある。
~~
もう一度繰り返すが、ウィーンフィルがここまでやってしまったところに、今という時代を感じる。
~~
でも、ラトルのベートーヴェンは、これが最終形ではないのではないか。ブラッシュアップの途上なのではないかと思わずにはおれない。ベートーヴェンを「現代の生きた音楽」として提示するためには、奏法がモダンであろうがピリオドであろうが何だって良い。もちろん折衷型であっても悪くないのだが、ライト兄弟の「フライヤー号」のように、「実験中」のイ~~メージはどうしてもぬぐえない。
ただし、非常に面白いです。~
2005年2月10日に日本でレビュー済み
ベルリン・フィルの音楽監督となったラトルだが、その手兵のオケを振らず、小澤が音楽監督をやっているウィーン・フィルで全集の録音を行った。理由は定かではないが、私はこれでよかったと思う。ベルリン・フィルよりウィーン・フィルのベートーヴェンの方が優れているからだ。過去の演奏達を聞いてそう感じる。ベルリン・フィルよりウィーン・フィルの方が名盤が多かった。そして今回のラトル版だが、割かしテンポは遅め、じっくり丁寧に仕上げている演奏だ。もうオーケストラのテクニックは見事としか言えない。脱帽である。古楽器の演奏を聞いたあとにフル・オーケストラのベートーヴェンを聴くのも面白いと思う。
2003年4月1日に日本でレビュー済み
素晴らしい全集である。全体にスコアに無い、キレの良いリズム、鋭いアタック、滑らかなレガートなどが目立つ。ここには、従来の伝統的なベートーヴェン像から抜け出したベートーヴェンがある。「第5」や「第9」の終楽章など、ラトルはやりたい放題やっているのに、全く不自然さを感じさせないのは他ならぬラトルの非凡な才能によるものなのである。