2012年度、今井遥のフリープログラムの冒頭が変ロ長調 K.137の2楽章です。彼女のさわやかな演技を見て、久しぶりにこの曲が聞きたくなりライブラリを探したが見つからない。アマゾンもそんなに点数はなかったけど、第一希望のウィーン中心の楽団には目ぼしいものがなかったので、選んだのがこの一枚。より有名なニ長調 K.136も含まれています。
ディベルティメントは私の考えでは、若々しく自発的な勢いのある表現の明るい音の楽団で聴きくとカタルシスを感じられると思うのだけれど、この演奏はその位置から一歩引いているのかも知れない。ブロムシュテットは彼らしく、モーツァルトを自分の側に引き込んだりせず、程よいテンポで丁寧に導いている。シュターツカペレ・ドレスデンもその意図を感じながら忠実に、しかし快活にも弾いている。同曲をたくさん聴いているわけではないけれど、よい演奏に入るといってよいだろう。
希望を言えば、ディベルティメントでは音はもっと明るく華やかに、アレグロではさらに溌剌と、アダージョとフーガではもっと深みやプラスアルファが欲しいと思わなくはないけれど、これはこれで良い、飽きのこない演奏です。