Franckと言う人は不思議な人で、50歳を過ぎてから次々に傑作を発表し始めた、言わば大器晩成型の作曲家である。その点、Janacekに少し似ているかもしれない、もちろん作り上げた音楽は全く違うけれども、Janacekは自国に根差した音楽であるのに対して、Franckはヨーロッパの中心に位置する音楽を作り上げた、いずれもすぐれた音楽であることは言うまでもない。
Franckの代表作は、おそらく史上有数の傑作であるViolin Sonataであろうけれども、その他にもすぐれた作品は少なくない。その一つが、このニ短調交響曲である。最初は、循環形式で作曲された、等と言う、確かに音楽史の観点から見れば重要なのだろうが、形式の点ばかり重きを置いて聞いていたのだが、そのうちにFranckと言う作曲家が遺した唯一の交響曲なのだ、と言うことを意識して聴くようになったことを思い出す。
Munch、Boston Sympyony Orchestra、古い録音になってしまったとは言え、なかなかの好演である。