ケーゲルとは、一言で表現できない指揮者であります。
この『運命』にしても、Laserlight から出ているベートーヴェンの交響曲全集の中の『運命』とは、とても同じ指揮者とは思えない。 共通して言えることは「表現力の幅が,極端に広くて一言では批評できない」ってことくらいだろうか? 双方とも素晴らしいのではあるが、このライブ盤は、それこそ唯一無比である。ケーゲルが、これほどまでに、これ見よがしな自己主張した演奏が、他にあっただろうか? それを嫌味と感じるリスナーもいるかもしれないと思い、個人的には星5つなのだが、評価をひとつ落とした。
アリアについては、これこそはケーゲルにしか演奏できないアリアであり、これぞケーゲル節!と言える。このアリアにハマった方には、まずはケーゲルの指揮で, グリーグの「過ぎた春」の試聴をお薦めしたい。