12世紀の史実をもとに書かれた「イーゴリ軍記」(成立時は不明)に着想を得てボロディンが制作したオペラ「イーゴリ公」(未完成)のハイライト集。
イーゴリ公はキエフ大公国の偉い人・クニャージという。結局キエフ公にはなれなかったみたいだが。
ボロディンは1869年より制作に入ったが、結局スケッチと幾分かのピアノによるスコアを残して1887年に54歳で死去したので、リムスキー・コルサコフとグラズノフが完成させて1890年に初演。
音楽はコーカサス地方の郷土色あふれるメロディやリズムを、ムソルグスキーやメンデルスゾーン・ベルリオーズなどの手法や表現を取り入れて色彩豊かに表現してる。
後年、革命でソビエト・ロシアになった国で、ハチャトリアンがバレエ曲「ガイーヌ」(1942)としてスターリンの前で発表した楽曲は、オペラ「イーゴリ公」からそのまま半分以上持って来たんじゃないか?というぐらい同じに聞こえるんだが、どういう事なんだろう?
後出しジャンケンみたいで気持ちが悪いが、音色はより鋭角で豊かになってるようにも思うので、自分で聴く分には「ガイーヌ」の方が好きだ。